「反転授業」というのがちょっとしたブームになっている(たとえばこの記事)。大雑把にいうと、授業の前に予習をさせ、授業中は予習してきた内容について、講義ではなく様々な演習や実習をする指導法だ。講義をビデオに撮り、ネットで閲覧できるようにして予習させる方法がよく使われるらしい。
 講義よりも演習や実習を優先させ、そのために予習を促進する工夫をするというのは実は新しいアイディアではない。むしろ、インストラクショナルデザインの考え方からすれば常識的な考え方であり、こういう取り組みが広まることはいいことだと思う。
 一方向的な講義というのは学び手から学習内容に関する行動を引き出さない。引き出せたとしても(例:教師が発問するなど)、強化もできないか(タイミングの問題や学び手の正誤反応がわからないことや、学び手にあわせて正答率を高めるプロンプトをだせないことなど)、貧弱になりがちだ。
 話を聞いて何かを学ぶための下位行動レパートリー(重要な点だけノートをとる、考えながらノートをとる、アイディアをメモする、文字だけではなくも文字情報間の関係性を図で描くなど)の取得程度には個人差が大きい。ちょっと注意がそれて大切なことを聞き逃しても、たいていはそのままになってしまう。
 集団講義形式というのは、言ってみれば8インチフロッピーディスクのような古代テクノロジーであり、黒板と共にそろそろなくなってもいい方法だと私は思う。
 だからといって、ネットでビデオというのもずいぶん安直だとも思う。わかりやすい教科書とその授業で対象とする範囲指定、学ぶべき点(学習目標)の明示さえすればいいわけで、何もビデオである必要はない。一般的に、話し言葉で伝えられる量は、書き言葉で伝えられる量よりも少ないし、教科書であればわからないところは何回も繰り返し読み返せるし、それでもわからない場合には資料を補足することも容易である。予習を自習させる限り、できるだけ学び手がとりうる行動の選択肢を広げておいた方がいい。ビデオという時間軸が固定され、提示速度も一定のメディアは、学び手にとってとりうる行動の選択肢が狭い(講義と違うのは巻き戻しができるということだけである)。
 また、むしろ重要なのは、予習行動を確実に自発させるための条件である。反転授業の先駆者であるアーロン・サムズ氏は、上記の記事によれば、予習してこなかった学生には授業中に教室でビデオを見させるそうだ。でも、それではそもそも演習や実習を重視するという話と矛盾してしまう(ただし、サムズ氏によればそうこうしているうちに学生は予習してくるようになるそうだ)。
 自分の場合、予習に課した学習目標について授業開始時に小テストをしたり(小テストの成績は授業の成績にカウントされる)、webクイズを予習にしたり(履歴が残るのでそれを成績にカウントする)など、色々な工夫をしてきたが、受講生の80%くらいはそれで予習をしてくる(ただし、この数値は授業や年度によって±10%くらいで変動する)。
 いずれにしてもビデオをネットで閲覧可能にするだけでは不十分だし、逆にビデオを使わなくても予習は促進できるということである。
 上記の記事では「まず、オンライン学習コンテンツにアクセスするためのデバイスとインターネットアクセスをすべての学習者に確保する必要がある」「(日本では家庭でインターネットを使用した学習環境が未整備で)特に初等中等教育においては大きな課題になるだろう」というコメントが引用されているが、これは本質を見誤ったコメントである。せっかくブームになっているなら、そこ(ネットやビデオ)に注目して、もっと重要な点を見逃してはいけない。
 重要なのは、集団講義形式が捨て去るべき古代テクノロジーであり、教え手が学び手に直接関われる授業では、学び手が学ぶべき行動を引き出し、強化することに時間を割くべきであり、そのための予習行動を促進する様々な工夫を学び手は授業環境にあわせてしていくということなのだから。
 どんなに効果的な教授法も、普及の過程で本質を見誤ると、玉石混淆となり、結局は衰退していく。プログラム学習しかり、ケラー先生のPSIしかりである。
 「反転授業」がそういう顛末を辿らないことを願う。
Keller, F. S. (1968). 'Good-bye, teacher . . .'. Journal of Applied Behavior Analysis, 1(1), 79-89. doi:10.1901/jaba.1968.1-79
 授業で英語の動画を教材に使って(コロンバンシュミレーションの解説動画、字幕なし)、学生に英語がどのくらい理解できたかを尋ねてみた(n = 67)。
 動画を見せる前に、動画にでてくる実験の話(ジャックとジルのコミュニケーション、マークテスト、台を動かして乗ってバナナをつつく“洞察”実験、実験の背景となる科学論)は日本語で講義をした上で。
 理解度百点満点の自己採点は二極化(二山分布)するかと予想していたのだが、思いっきり0-10にピークがある右下がりの度数分布だった(ぎょあ〜 授業時間を無駄遣いしたかも)。
 文科省はグローバル化の名の下に大学で英語の授業を増やせだのなんだの言っているようだけれど、もう少し現実をみる必要があるなぁ。
 これからの社会人(企業人)に英語力がさらに必要というのはわかるし、大学が最後の砦だというのもわかるが、大学までにもう少しなんとかしておかないと、実際には難しい。
 基本的に読み書き計算のリテラシーは大学入学前までに基礎的なレパートリーを確立しておいてもらわないと。大学入学後にその訓練をするとなると(技術的にできないことではないにしろ)、本来大学で教えるべきことに割ける時間が圧倒的に減ってしまう。それは結局は社会人として必要な力量の低下につながってしまう。ちなみに大学では社会に出てから役に立つことが学べないという人は、もう一度大学に入学してみるといい。何十年前と今の大学では、学部や学科やゼミにもよるけど、やってることがまったく違うことが多いですよ。昔は確かに一理あった主張だけど、今はあまり説得力がないかも(注)。
 たとえば高校卒業までに、日本語の新聞記事を読んでから英語のニュースを聞いたら50%くらいは聞き取れて理解できるところあたりを目標にして、そこまでやってもらえれば、後は大学入学後に引き継げると思う。
注) 大学というところは、多様性が信条だから、それぞれ学部や学科、教員やゼミや授業によって、やってることはほんとに色々。だから、「大学というものは」という包括的“大学論”のほとんどは、その人の受けた大学教育や情報によってかなり偏向するものだという自覚がないと、ほんとよくわからん議論になります。

Aogaku

青山学院大学から感謝状が届きました。昨年度に担当させていただいた応用行動分析学の授業評価アンケートの総合評価が上位30位以内だったそうです。

素直に嬉しいです。

所属大学でFD委員会から諮問されたら「こういう感謝状はもらっても嬉しくないのでは?」と懐疑的に答えていたと思いますが、いざいただいてみるとそれなりに気持ちのいいものですね(こうやって「自慢」もできるし)。

時間差がありますから授業準備や採点や講義中の様々な行動を強化するわけではありませんが、一種の確立操作として、今後の頑張る行動を引き出しそうです(名誉好子消失の阻止)。こういう機能推定は経験してみないとわからないものですね。事前の決めつけは慎まないとならないとあらためて思いました。

後日、「記念品」も届くそうです。ちょっと楽しみ。

青学の非常勤は今年度サバティカルということもあり、昨年度限り。今年度は杉山尚子先生にバトンタッチしています。きっと、さらに高い評価を受けられることでしょう。

感謝状に感謝の倍返しだ!(笑)

追記: 米国では全国を対象にすぐれた教員を選び、奨励するNTOY(National Teacher of the Year)という賞があるそうです。この賞を受賞された Charbonneau 先生らによるシンポジウムンの案内が届いていました。"Educational Leadership" 〜教育の目的とは〜:2013年10月22日(火)18:30〜20:00 東京大学本郷キャンパス 福武ラーニングシアターにて 詳細はこちらから。

 

大学生、親にべったり 少子化+就職難が影響 (記事の題目とは別件ですが) 大学生活でも受け身姿勢が目立つ。「教員が知識を一方的に教える講義形式の授業がよい」とした学生は83.3%に上り、「発表などをする演習形式」の16.7%を大幅に上回った。(日本経済新聞, 2013/5/28)。

うちの学科で同じ調査をしたら、ずいぶんと異なる結果になるような気がする。うちのゼミならたぶん真逆。

ベネッセのこの調査(第2回 大学生の学習・生活実態調査)、有効回答数は4,911人で、学部系統、性別、学年、設置者(国立/公立/私立)、入試難易度(偏差値)、大学所在地などの属性比率が母集団とほぼ同じにとのことなのだが、各属性の割合が一致していれば、その組合わせの割合もほぼ同じとみなすのだろうか。それに各属性の組合わせを考えると、組合わせごとのサンプル数はかなり少なくなってしまうはずだが、どうなんだろう。

たまたま自分は地方の国立教育大学と都心の私立大学に務めたことがあるわけだけども、学生の雰囲気はまったく異なる。同じ法政でも心理と経営では学生の様子がまったく異なる。

大学というのは、そうした多様性が大前提だと思うのだが、その上で、こうした調査における代表値にはどういう意味があるのか、よくよく考えてみないといけない。

入試、30年ぶり大改革 学力向上を大学期待(日本経済新聞, 2013/6/7) 文部科学省が導入を検討する新たな全国統一試験「到達度テスト」は高校在校中に複数回チャレンジできることが大きな特徴だ。

個人的には以前から提案してきた方向に一歩前進なので嬉しいニュース。

でも、

  • 文科省が作成するなら、高校ではなく義務教育の「到達度テスト」を作ることが先。
  • それも、PISA型学力ではなく、読み・書き・算術の「基礎学力」とせいぜい一般常識(理科、社会など):9割以上の児童・生徒が「到達」できるテスト。
  • これについては指導要領に即して、各学期、各単元で使えるテストをプールし、教員は無料でダウンロードして使えるようにする(教員がテストを作成しなくてすむようにする/教員の役目は児童生徒がテストを通過できるように教えること)。
  • 同じ問題を繰り返し使わなくてもすむように、ものすごく「多数」作ること(初期投資はかかるが、全国すべての学校で共通に使えて、教員の手間を省け、品質も高く維持できるなら安いもののはず)。

高校については、基礎学力+αの「到達度テスト」でよいと思うが、

  • これについては民間に任せる(諸外国はそうだと思う)。
  • 民間で複数の異なるテストが開発され、大学側がその質を確認しつつ採用することで、競争や品質管理を促す。
  • 特に「+α」の部分は、生徒の得意な分野を延ばす、様々なテストがでてきていいと思う(それこそPISA型学力とか、あるいはコミュニケーションに特化したテストとか)。そうすれば単純な序列化を防ぎ、大学としても多様な学生の受入を積極的に進められる。
  • 基礎学力の問題については、天井効果を避けるために、正答率(正答数)だけではなく、流暢性(正答スピード)も測定すること。

上記の記事には、都立高校の50代の副校長の声としてこんな記事があるが、正直、理解できない。

少しでも良い点数を目指して何度も受ける生徒は多いだろう。生徒も教諭も試験に追われる生活を送ることになりかねない。

少しでも良い点数を目指して「勉強し」何度でも受ける生徒がいるなら、いいことじゃないか。

「生徒も教諭も試験に追われる生活」というが、今はどんな生活なんだろうか。勉強は学生の本業のはずである。もちろん、余暇や部活や友達や家族との時間も重要だが、そのあたりのバランスは学生本人が主体的に決められるはず。そうでないのなら、自立的にバランスの取り方を教えるのも教員の仕事である。

日曜日のFDフォーラムは予想以上に楽しめた。何よりも玉川大学の菊池繁雄先生のお話が情報満載で面白かった。

玉川大学では以下の改革を推進しているとのこと:

  • 卒業要件としてGPA2.0を採用する(よってCを取った科目は再履修を可能にする)。
  • 授業時間は100分とし、授業外学習時間を確保するために16単位キャップ制を設ける。
  • 時間割を調整して、連続コマでは受講できないようにして(例:1時限めの授業をとったら、次の授業は3限以降にしか採れない)、隙間時間に自習活動を促す。
  • 通常の春学期、秋学期の他に、夏冬に集中授業期間をもうける(この期間の授業は科目数に応じて追加料金をとる)。
  • 時間割がうまく組めないなら、早朝の授業や夜間の開講も検討する。
  • 教員の担当コマ数にもキャップをもうける(通年10科目)。

「秋入学制度」のような雲をつかむような話ではなく、学生の学修(能動的な学びを「学習」とは区別してこう呼ぶそうな)の機会を確保し、支援するために、かなりラディカルではあるが、理にかなった方向性の一つだと思った。

風邪気味で発熱していたこともあり、パネル討論では若干とちくるった回答をしたような気がする。「授業改善をする気のない大学教員をどのように動機づけられるか?」といった主旨の質問に「大学には色々な人がいることが大事だし、学生もそれを学ぶことが重要だから、そのままにしておけばいいと思う」と回答したのだが、真意は次のとおり。

授業改善をする気のない教員をその気にさせるのはとてつもなく大変なことだし、そういう人はそれほど多くない(10%? 20%)。しかもこれからはどんどん減っていくはず。だから、大学全体で改善努力をするときには、大学側が支援すれば自発的に改善していく中間層を大事にしていった方が楽だし、おそらくお互い苦しむことなく成果もでるだろう。

当日の私の話題提供のスライド資料はここからダウンロードできます(←個別的な事例の話で、どちらかというと技術的な話です)。

追記:私は大学教育の質を改善する早道は授業料の従量課金と年限制の廃止だと考えてるのだが、玉川大学の夏冬集中授業(従量課金)はその意味でも興味深いものだ。菊池先生も同様の考えで、どうやら法律上は従量制は可能だそうだ。ただし、いくつかの理由で実現には大きな壁があるという(大きな壁についても菊池先生からお話をうかがったが、私信なのでここでは公開しない。興味のある人は機会のあるときにでも菊池先生に直接お尋ね下さい)。

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大学の仕事ですが.... FDフォーラムというイベントで、大学の授業改善について話をします。予習、復習を増やす工夫など。

興味がある人はどうぞ。12月8日です。詳細はこちらから。

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 法政大学・学生センターでは毎年「神楽坂まつり」に出場する阿波踊りチームを結成していたそうで、今年はその練習をみるように依頼されました。

 いつもは行動分析学の授業とかで使うF309教室で学生さんと一緒に踊るのも不思議な感じでしたが、みんな見る見るうちに上達し、本番を迎えました。

 残念ながら私は別用があり、神楽坂には行けなかったのですが、学生さんからは「楽しく踊れました!」と報告がありました。それがイチバンだよね。

 この企画、来年も継続するそうです。踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らなにゃそんそんです。神楽坂で踊ってみたい人はぜひ参加して下さい。

 猪子さんも一度練習につきあってくれました。ありがとう。

 ちなみに今年法政で配っている団扇は、節約のせいか柄がついていません。これを踊りに使うのは至難の技です。色がきれいなだけにちょっと残念。

Photo

 もひとつちなみに法政の団扇に印刷されている校歌を作詞されたのは、故佐藤方哉師匠のお父上の佐藤春夫氏だったりします。

 

ずいぶん前のことになってしまいましたが、法政心理第2回スポーツ大会が開催されました。

Program


種目はバレーボール、フットサル、ドッジボール、バスケットボール、借物競走の6つ。3つのチームに分かれて闘いました(荒井チーム、林チーム、島宗チーム)。

まずは、優勝カップの返還。そう、昨年は自分たちのチームが優勝したのでした。

Return


入念に準備体操をして、スタート。

Streach

去年もそうだったけど、バスケは女子が強い。まさにナデシコJAPAN。男子と違ってどんどん点が入る。ただし、今年は男子にバスケ部キャプテン(?)の新人(新入生)Iくんが入り、男子のレベルも高くなり、自分はただただ翻弄されるばかりでした。

新種目のフットサルも白熱した熱戦に。自分がキーパーとして失点した1点で、単独優勝を逃してしまったのが悔やまれます(みんな、すまん)。

ドッジボールでは林先生が目を怪我するというアクシデントも。みんな本気です。

Dodgeball

( ↑ ☆くん、ナイスショット。まるで新聞のスポーツ面に載りそうな写真だぜぃ)

勝負はもつれて借物競走に突入。借物の真偽判断は主審のSくんの裁量任せとなり(借りてきたのがイケメンかいなか、など)、何やらよくわからないうちにゲームは終了。

結局、荒井先生チームと優勝を分け合いました。林先生、怪我までしたのに残念でした(^^)。

みなさん、おつかれさまでした。また、来年、遊ぼうね。

Team2011

Photo

 大学院の案内にこんなキャッチフレーズが...

 確かに学費も大幅に下がったし、やたらと研究助成金がつくようになったし、大学院生の環境はかなり改善されてきています。

 海外の学会への参加は一人1件10万円(複数回応募可)とか、英語で論文を書くときの校閲代に一人1件10万円(複数回応募可)とか、博士論文の出版にナント百万円(選抜された6名)とか、自分の院生時代には考えられないような特典(??)だらけです。

 心理学専攻では、14条特例を活用する社会人院生の受入がいよいよ始まります。1年目は通学してみっちり勉強し、2年目は学校に戻って仕事をしながら、現場で役に立つ研究を進めたいという教員や公務員の方々は、ぜひご一考を。

 7/23(土)13:00-15:00には法政大学人文科学研究科の大学院説明会が開催されます。心理学専攻では私が当番にあたっております。詳しくは大学院のホームページをご参照下さい。

Hoseibookoff

法政心理・新入生の皆さまへ

心理学実験室(BT1100)の窓際(奥)にて「法政心理ブックオフ」を開催します。

研究室が3.11の地震でめちゃくちゃになった後、耐震も兼ねて読み終わった本を処分することにしました(とにかく本棚に置く本の数を減らす作戦)。

捨ててしまうにはもったいない本もあるので、入学祝いの代わりなればと思っての企画です。

ほとんどが一般書ですが、心理学の専門書も数冊あります。

4月中は新入生優先としますので、ご自由にお持ち帰りください。

中には古本でも1万円近くする掘り出し物もありますよん (^^)。 わかるひとにはわかるかも。

5月6日以降は心理学科・心理学専攻の在校生全員に開放します。

5月末日まで開催予定。

お気軽に立ち寄り、お気軽に持ち帰り下さい。

授業開始までまだしばらく時間があります。この時間にぜひ読書を!

Hoseibookoff2

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 卒論発表会が終わりました。

 いやぁ〜、ほんと、うちの大学の卒論はハイレベルだなぁ。隣の芝生が青くみえることはよくあるけど、卒論に関しては、自分のうちの芝生が青々と輝いて見えました。

 越智先生も書いてるように

犯罪心理学な(?)日々人間をめぐるいろんな心理現象 ....  一見測定が難しそうなものであっても、それを測定するための方法をなんとか考えて、何とか実験に乗せて、仮説通りかどうかはともかくとして結果をちゃんと数値でしめしている

 という法政心理らしさがよく現われていたと思う。それぞれ自分の興味を探求して、苦労しながらも、イッチョマエ以上の論文・発表にまとめあげてきたことがよくわかりました。

 2教室同時進行で二日間、1件15分の発表を全部で30件以上みたわけだけど、飽きるってことがなかった。質疑応答の時間が限られているのが惜しい。ほんとなら、もっと色々討論したい、つまりそれだけ今後の展開が考えられる研究が多かった。Twitterでつぶやこうかなとも思ってたけど、その隙さえない緻密な時間だったよ。

 ゼミの打上げ(4年生を送る会)では飲み過ぎました。翌日は久々の二日酔い。ぐへぐヘ状態で会議の一日を乗りきりました。

 うちのゼミの発表は下記の通り。みんなカッコ良かったぞぉ。自分の研究について、自分で考え、工夫し、調べて、まとめて、自分の言葉で語った、素晴らしい発表でした。

 お疲れさまでした!

○笑いの頻度に及ぼす他者による追従笑いの効果―お笑い番組共同視聴場面を用いて―
○顔文字のタクトにおけるオノマトペの分化強化―チャット内における新しい表現生成の要因の検討―
○プレゼンテーション用スライドの弁別訓練の効果―マトリックス訓練を用いて―
○アロマの香料と画像を使った匂いの条件付け―幻臭の仕組みを探る―
○企業名,企業理念,ロゴマークを用いた見本合わせ訓練 ―ロゴマークの有無が刺激等価性の成立に及ぼす影響―
○刺激等価性におけるブランド効果の検―見本合わせ訓練を使って―
○大学生におけるやりがいタクトの制御変数の探索 ―強化率のブロック内変化パターンによる比較―
○原産地情報が製品評価に与える影響とその改善策の探索的検討― 一対比較法を用いて ―
○商品名の読みやすさが商品種別の判断に及ぼす負の効果 ― 商品名, 商品画像, 商品種別間の刺激等価性成立過程の検討から ―

まずはミスマッチ解消を?「問題なのは、就活の開始時期よりも、低迷する就職率の改善だ。大手企業に人気が集まり、中小企業に人が集まらないミスマッチの問題こそ解決すべきで、学生がもっと中小企業の求人に目を向けるよう、国が施策を講じるべきだ」 小島貴子准教授@立教大 (日本経済新聞 朝刊, 2011/01/13, p. 39)

 経団連による就活の新しい指針が提示された。会社説明会を大学3年の12月から開始するよう、現状から2ヶ月遅らせる内容だ。

 拘束力もないし、2ヶ月じゃほぼ変わらないのと同じ。あまりにも中途半端だけど、企業団体として現状できることはこのくらいだろう。

 最近よく指摘されているように、企業の採用は改善しつつある。総募集数は総新卒数を上回っているらしい。それが内定につながらないのは、小島先生も指摘している学生の「大企業」指向、そしてあまり指摘されていないが、地域による景気回復のばらつきや(たとえば地元で就職したい / Uターンしたいが採用数が少ない)や学生の進路の多様化と曖昧化(たとえば大学を卒業してから専門学校に入り直そうかと考えているうちに卒業しちゃったり)、企業からみても就職の準備ができていない学生もいること(そもそも就活してなかったり、就活しているけど、別に就職できなけりゃフリーターでもいいやと思っている学生など)など。

 とにかく原因は多元的で、いっぺんに全部解決できる方策はなさそうだ。

 「ミスマッチ」については(「ミスマッチ」という日本語は間違っている気がする、マッチし損ねているわけだから)、学部を卒業してから小さなソフトウエア会社に務め、そこで人生が変わるくらいの勉強をさせてもらった自分としては、中小企業の魅力を声を大きくして訴えたい。

 中小なら大企業だと何年も勤続しないとできないような仕事だって、すぐにやらせてもらえるかもしれない。就活をしている学生が「営業企画をやりたいです!」なんて大志を抱くのはよいことだが、大企業に就職したらそんなこといきなり若造にはやらせてもらえませんよ。

 中小ではまさに会社の成功が一人ひとりの力、そしてチームの力にかかってくる。昔よく言われたような“機械の歯車”みたいな無力感を味わうことも少ない。むしろ、自分が頑張れば会社が変わる、会社が変われば社会も変わるかもという意気込みで仕事ができる。なにしろ、我が国では、421万企業のうち中小が99.7%、従業員数でも7割を占めるのだから(中小企業白書)。

 大企業の「安定感」というのもそろそろ怪しい。花形JALだってリストラされる時代である。しかも会社が大きくなればなるほど、会社の経営に与える自分の貢献度は下がる。自分はこんなに頑張って成果もだしているのに会社自体はどん底で、いざリストラとなったら社内の人間関係を理由に退職勧告がやってくるなんてことだってある。

 まぁ、こんなこと言っても(書いても)、就活している学生さんに与えるインパクトは限りなくゼロに近いので、もう少し実効性のありそうな提言を最後に。

 小島先生は「国が施策を講じるべき」とおっしゃるが、国に何ができるというのだろう? もうそろそろ、こういう何でもかんでも国に頼るという発想はやめにしましょうよ。

 大学にできることで即効性がありそうなのは、授業料を年定額制から単位切売り制にすることじゃないだろうか。そして「学年」という概念をなくしてしまうこと。卒業の要件は「4年たったら」ではなく「学位(学士)を取得したら」にする。今でも学則上(法律上?)は後者になっているはずだが、運営上は限りなく前者に近いのだ。

 そもそも学問に対する興味や動機づけがばらばらで(←悪いことではない。「多様性」万歳である)、大学入学までに学んできたことにも大きな個人差があるのが現状で、しかも大学での勉学は高校までと違って、すべてがカリキュラムによって定義されるものではないのだから(←最近の文科省はこれをやろうとしている動きがあって、私は反対の立場)、学位取得までにかかる時間にばらつきがでないのはむしろ不自然である。

 前期・後期の最後(クォーター制なら年4回)に学位申請と認定の機会を設ければ、毎年3月に一斉に卒業生がでることが(しばらく時間がかかるだろうが)なくなっていく。学位取得までにかかる年月もばらつく。つまり「新卒」という概念を形骸化するのが目的。

 学生によっては在学しながら1年間海外で留学(遊学)し、5年かけて卒業したり、1学期に2-3コマだけ受講しながら長期インターンシップを重ね、学生・採用側共にマッチを認めた段階で卒業していくとか、あるいは逆に就職したけど、もう一度大学で勉強したい人が週1日だけ「学生」になるなど、いわば大学という学びの場・機会をもっと多様に柔軟に社会に開放することができる。

 これは副作用だけど、教員によっては学生の受講態度の改善が期待できる。単位を落とす=その受講料が無駄になる、という随伴性が導入されるわけだから。皆、必死になる(はず)。ちなみに、日本の大学生が勉強しない(ように見える)、あるいは米国の大学生が相対的によく勉強する(ように見える)のは、この随伴性が大きいのではないかと思いますよ。

 大学にとってのデメリットは経営上のリスクだろう。現在は入学した後はほとんどの学生が卒業するまで毎年きちんと固定した授業料を支払ってくれるわけで、収支計画が(他の業種に比べて)うそのように立てやすいわけだが、それが揺らぐリスクが生じる。

 でも不可能ではない。だって米国の大学なんかは、こういう形態で運営しているわけだから。そして米国には「新卒一斉採用」なっていう概念はない(他の国はどうなんだろね?)。

 学生の学ぶ機会が損失し、日本の将来にとって大問題であると、いくら大学が声を大にして訴えても、企業には企業の都合があるのだから、おそらくこの問題は解決しない。

 結論:大学にできること(の一つ)は、授業料課金制度の変更である。

 以上。

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 自分の授業では、たとえば「課題80%、レポート20%: 課題の内訳は、ミニクイズ6回、授業内課題4回」というように、かなり具体的に成績評価基準を明示している。しかもすべてをほぼ客観的に採点している(多岐選択式のクイズや、レポートならチェックリストにそって)。

 それにも関わらず、評価基準アンケートで「成績評価基準が明示されていた」と評価する受講生はこれまで10%くらい。低いんす。

 授業で使っているスライドや配布資料も、そのほぼ100%を授業支援システムからダウンロードできるように提供している。

 それにも関わらず、「教材・配布資料が適切だった」の評価もおよそ15%くらい。こっちも低い。

 おかしいな、納得いかないぞと、今学期は、配布資料をすべて印刷して配ってみた。そして授業評価アンケートを配布するときに「成績評価基準が曖昧だと思う人は、どんなところが曖昧でどうすればもっと明確になるか書いて下さい」と教示するつもりだった。

 そんでもって、さっきアンケートを配る前に確認したら、なんと!、これらの項目はそれぞれ独立して評価されているのではなく(例:「この授業の成績評価基準はどのくらい明確でしたか」に対して「まったく曖昧」から「とても具体的」までの5段階評価させるように)、13項目について「この授業についてお聞きします(複数回答可)」という、きわめて曖昧な質問によって丸付けされているだけなのであった。

 が〜ん。知らなかった。

 こんな質問の仕方をしたら、原理的には各項目を「あてはまる」「あてはまらない」の二者択一で回答させていると言えないこともないけれど、現実的にはこの授業に最もあてはまる数項目を選んでつけるのではないだろうか。

 とたんにやる気喪失。

 全資料を印刷配布したせいで、「教材・配布資料が適切だった」に丸をつける受講生が増えるぶん、これまで丸がついていた「教え方がわかりやすかった」とか「モチベーションを高める工夫がなされていた」が減るかもね。

 データにもとづいて授業改善しているつもりだったが、そのデータの妥当性・信頼性をチェックしていなかった。初心者の過ちじゃねぇか。

 やっぱり大学が用意している項目よりも、各授業で具体的な改善策について自由記述を求め、それを参考にした方が良さそうだ。

Cm

 昨日の日経新聞に掲載されていた広告をスキャンして貼付けました(なんか汚いけど,勘弁)。

 実は今年からすでに実施されていることなんですが,学費が大幅に値下げされました。これまでなぜかうちの大学院の学費は他の私立よりも高額だったのですが,時代に合わせて(?),減額。しかも都内の他の市立大学に比べても,かなりお得な価格設定となりました。

 博士課程においては,学費の値下げだけではなく,「研究助成金」の名目で補助金がもらえます。うまくいけば学費の半分は助成されます。

 さらに心理学専攻では社会人入試と,いわゆる「14条特例」も始めました。

 社会人入試では入試科目で英語の代わりに研究計画のプレゼンを評価します(ただし,授業はすべて昼間開講です)。

 「14条特例」というのは,主に公務員(特に教員になると思いますが)を対象に,大学院の2年めは現場に帰り,現場で研究を進めて修士論文を書くという実践研究促進型の履修形態となります。詳しくはこちらのページを参照して下さい。14条特例は当然ながら社会人対象となります。

 自分の研究室では,たとえば応用行動分析学を使って発達障害児を対象とした支援・指導プログラムの開発を小中高校で取り組もうとしている先生とか,地域の教育・福祉行政サービスを担当しながら研究を進めようとしている役所の方に来ていただければ,学校や行政と協同で面白い研究が進められるのではないかと期待しています。

 春入試は来年1月29日(土),次の秋入試は10月を予定しています。

 詳しくは(ちょっとわかりにくいHPで申し訳ありませんが)法政大学大学院のwebページを参照して下さい。


 そのピアが先週ゼミの説明会を開催してくれました(今年初めてやる企画だったんじゃないかな)。

 開催前のピアのメンバーから質問されたので以下のように回答しました。説明会に参加できなかった人のために公開します(長いし)。

Q.今まで担当したゼミ生の卒論でおもしろいと思った論文はなんですか?

A. うちのゼミの場合、みんなが他にはない個性的な研究をやることになるので、テーマも結果も、少なくとも私にとっては卒論の9割以上が 「おもしろい」ものになってしまいます。なので、そのうち一つ二つを選ぶのは難しいです。法政心理学年報で卒論の要旨を読んで下さい。というか図を見て下さい。うちのゼミの卒論だと、ほとんどが、縦軸には何らかの行動を測定した数値、横軸には 何らかの条件が示されていると思います。つまり、どんな行動がどんな条件でどのように変わるのかをつきとめる研究になっています。卒論のテーマはゼミ生の興味次第なので、縦軸の値は、企業の在庫管理だったり、合気道の技やテニスのサーブだったり、インターネットのHPへのアクセスだったり、商品への印象や価格判断だったり、日本茶や紅茶の味覚だったり、勉強やダイエットの継続だったり...と、誰の何の行動かはいろいろです。そんな中で、強いて言えば、「あ、この行動はこんな条件でこんなふうに変わるんだ!」と はっきりわかった研究が特に面白い研究ってことになると思いますが、これもほとんどがそうなので、....ごめんなさいやっぱり一つ二つを選ぶのは難しいです。

 行動分析学はテーマフリー、つまり、何の研究をしたいかは問いません(何でもいいです)。ただし、それを「行動」として特定し、測定 します(いわゆる「質問紙」は補助的にしか使いません)。そしてその行動を変える刺激や条件、変数を実験的に探索します(因 子分析など多変量解析の手法を使って統計的に探索することはまずしません)。どうして多くの卒論で変数の探索に成功し、かなりはっき りした結果がでてくるかというと、予備実験を重視するからです。本実験に入る前に「あれやってみよう、これはどうだろう?」と いくつかの変数の効果を試していき、「これかな?」と思った段階で本実験に入ります。そうやって、行動を変える変数を段階的に見つけ ていくところに行動分析学の醍醐味があるのです。そして9割以上のゼミ生がそういうプロセスで研究を進めていくので、結 局、どれもこれも私にとっては面白くなってしまうということです(何回も予備実験を繰り返さないとならないことを苦痛に感じるゼミ生 はいると思いますが、たぶん十年後に振り返ればいい想い出になっていることでしょう ^^)。

 最後に、うちのゼミでは、いわゆる「内的モデル」で行動を説明しようとはしません。代わりに環境と行動との関係性(行動随伴性)で 結果を解釈します。見かけはまったく異なる、幅広い種類の行動をすべて同じ「行動随伴性」で解釈してしまうところが面白いところなのですが、これはゼミ生というよりも私にとっての楽しみみたいです。
学生が学生を支援「ピア・サポート」法政大学では、新入生対象のよろず相談や、課外教養活動、ボランティア支援、キャリア支援、障がい学生支援など多様な場面で、学生スタッフが学生を支援する光景が数多く見られる。小中学校や高校で話題となることが多いピア・サポートを応用した取り組みで、文部科学省の「新たな社会的ニーズに対応した学生支援プログラム」(学生支援GP)にも採択された(日本経済新聞, 2010/10/25, 朝刊, p. 29)。

 知らなかった。うちの大学って「ピア・サポート」でGP採ってたんだ。

 心理学科では昔から「ピア・サポーター」が組織されていて、学生たちが主体的に勉強会などを開催しています(たぶん大学のGPとは無関係に)。

 たとえば自分は1 年生前期の心理学基礎実験という実験実習を担当しています。この授業では大学に入学してきたばかりのホッカホカの1年生が心理学の実験実習を行い、データを分析し、レポートを書きます(というか書く練習をします)。

 WordやExcelをいきなり使いまくることになるので、高校までにPCにあまりさわったこともないという学生さんは鳩が水鉄砲をくらったような状態になります。

 こんなとき頼りになるのがピアの勉強会。先輩が手取り足取り教えてくれるし、それをきっかけに友だちもできるみたいだし。

 実際、心理学基礎実験の授業評価に「ピアの勉強会をもっと開いて下さい」なんて要望が書かれていたりもします。

 昔だったら、先輩後輩のこういう人間関係は自然発生的に出来上がるものだったように思うのだけれど、今はある程度の構造はつくっておいて、でも運営は学生の自主性に任せて、ゆる〜く回すというのが機能するみたいですね。

2010

 法政大学文学部心理学科のスポーツ大会が開催されました。法政大学に着任してから、「今年こそはスポーツ大会をやります」と新入生ガイダンスで毎年言い続けてきたのが、ようやく実現した形です。

 ピアサポーター(学生が自主的に運営する組織)が頑張って主催してくれたおかげで、ようやくオオカミ中年の面目躍如です(ピアの皆さま、ありがとう)。

 しかもチーム優勝!(いぇ〜い)。

 ドッジボールでは張り切り過ぎて女子諸君にも遠慮なくボールを投げてしまいました。 勝つためには手段を選ばず、とはいえ大人げない。ごめんなさい。

 福田先生、荒井先生もお疲れさまでした。

問題です。

サザエさんの視聴率が上がると株価は上がるでしょうか?下がるでしょうか?

大和証券キャピタル・マーケッツ株式会社の吉野貴晶先生によると答えは「下がる」だそうです。

5/22(土)に開催される第5回法政大学心理学会総会(法政大学文学部心理学科・教育学科心理学コース、人文科学研究科心理学専攻の在校生・卒業生・修了生の会)に吉野先生をお招きして「行動ファイナンス」についてご講演をいただくことになりました。

卒業生・修了生の皆さま、ぜひぜひご参加下さい。

詳しくは法政心理ネットで。

なお、ずっと放置状態だったmixiの島宗ゼミ同窓会コミュにも案内を転載しておきました。ゼミ生でまだコミュ登録していない人はこの機会にどうぞ。

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 連日報道されているように、今春卒業予定の大学生の就職内定率が低迷している。

大学生就職内定率、5年ぶり悪化86%  今春卒業予定の大学生の就職内定率は2月1日時点で86.3%で、前年同期を2.4ポイント下回り、5年ぶりに前年より悪化したことが13日、厚生労働省と文部科学省のまとめでわかった。
 男子の内定率は2.7ポイント減の86.5%で、女子は2.0ポイント減の86.2%。地域別では、北海道・東北が同5.2ポイント減の79.0%と落ち込みが目立った。また厚労省が同日発表した高校生の就職内定率(1月末時点)は87.5%で同1.9ポイント減。6年ぶりの悪化となった。
 (読売新聞, 2009年3月14日)

 昨年までは景気回復と伴に4年連続で内定率が増加していた。今年の卒業生はリーマンショックからの未曾有の経済危機の被害をもろにかぶった状況だ。

 とはいえ、求人倍率はかろうじてではあるが1倍を超えている。仕事はあっても学生が望まないのか、企業側が基準を厳しくしているのか、おそらくそのどちらのケースもあるのだろう。

 就活する学生の様子からは、早々に複数の内定を得る者と、なかなか内定を得られない者に二極化しているようにも見える。また、会社勤めの友達や知人の話からは、ミスマッチによる早期転職などを避けるために、企業側がより慎重に採用しているようにもうかがえる。

 自分たちとは無関係の経済状況のせいで困難な就活に直面している学生には同情を感じざるを得ないが、現在の過剰なまでの報道は、大学生に必要以上のプレッシャーをかけ、我が国にとって長期的に大きな損失となるリスクを含んでいる。

 例年に比べて今年は3年生の「就活」が早く、活発になっている。残念なことに、ゼミや授業を休んでも就活する学生が多い。彼らにとっての「就活」とはエントリーシートを書き、説明会に行くこと、セミナーなどに参加することである。今、これをしておかないと4年生になってからでは遅い。内定がもらえるどころか、選考のスタートラインにさえ立てないといった不安に動機づけられた行動である。

 こうした不安にはある程度の根拠がある(確かに登録しておかないと一次審査にさえかけれないということもあるらしい)。でも、報道や就職支援会社(要するに就活セミナーなどで収益を上げている会社)は、こうした不安を扇動しているように見えてならない。

 3年生というのは大学生活の中で最も落ち着いて勉学に打ち込める時期である。勉学だけではない。サークルや友人関係やその他、大学生のうちにしかできないことができる時期なのだ。日本の場合、一度、就職すると社会人として大学に戻ってくる機会はまだまだ少ないから、今が一生で一度のチャンスとなる人が大部分のはず。

 その貴重な時間が、エントリーシート、説明会、セミナーによって消費されている。

 これは企業にとっても損な話だ。将来、会社を支えてくれる優秀な人材を採用したいのに、学生が優秀な人材に育つ機会を意図的ではないにしろ奪っているのだから。

 現状は、学生によっても、企業にとっても、国にとっても、lose-loseな状況だといえるだろう。

 先日、新報道2001というTV番組に出演した、世界一細い注射針を作る岡野工業の岡野雅行社長がこんなことを言っていた。

 「雇用はたくさんある。とにかく学校で技術を身につけなさい」と。

 岡野社長は「小中学校」でと主張されていたが、少なくとも大学ではこうあるべきだと思う。

 「技術」は理系に限らない。調べる力、考える力、話し合う力、計画し、実行する力なども「技術」だ。

 志望する企業に対し「自分にはこんな技術があります。これを御社で活用していただき、さらに伸ばしていきたいと思います」と自信を持って言えるようにするためには、3年生(や2年生や4年生)の貴重な時間をエントリーシート、説明会、セミナーに使っている場合ではないのだ。

 卒業後、就職して、学生たちが大きく羽ばたけるように、学生の間は十分に助走できるように、企業の方々の理解を求めたい。

Boss03

大学で心理学を学びたいとは思う人は多くても、将来、心理学で飯を食っていけるかどうか不安だし、無理じゃないの?とあきらめてる人も多いようです。

確かに心理学の専門職といえば、大学教員や公務員の特別職(心理職や福祉職)、もしくはカウンセラーくらいしか思いつかないかもしれません。狭き門というイメージは間違ってはいないでしょう。

ところが、世の中のほぼあらゆる職業で心理学が必要とされているというのもまた事実なのです。そして、おそらくそのほとんどは、いわゆるカウンセリング心理学以外の心理学であるということは、世間では意外にも知られていないと思われます。

というわけで、心理学者はこんな仕事もしてますよ〜という実態を知っていただくために、心理学者の仕事を紹介する不定期シリーズを始めます。いわば『13歳のハローワーク』の心理学編。

まずは、天海祐希&竹野内豊主演、フジテレビの人気ドラマ「BOSS」の監修から。

とはいっても、これは私ではなく、法政大学文学部心理学科の同僚、越智先生のお仕事です。犯罪心理学の専門家という立場から脚本に目を通し、リアリティチェックなどをされているそうですよ。

先日は、研究室の学生さん・大学院生さんもエキストラとしてお台場での撮影に参加しました。

越智先生は反町隆史と競演(ちょっと羨ましい  ^^)。

Boss01

大学院生、必死の爆破シーン(笑)。

Boss02

時代劇には専門家による時代考証が必要なように、リアリティを追求する犯罪心理ドラマには犯罪心理学者の考証が必要なんですね。

心理学を勉強すると、こんなこともできるようになるのです。



13歳のハローワーク 13歳のハローワーク

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Classof2007

順番が前後してしまったけども、ゼミの皆さん、卒業おめでとうございました。

すでにそれぞれ新生活がスタートしていることでしょう。

生活環境が変わると、不安になったり、調子を崩したり、自信を失ったりすることもあるかもしれませんが、皆さんなら大丈夫。ゼミで学んだことは、あと5年は使えます(バッチリ保証アフターケア付き ^^)。

貯金が5年ぶんあると考えて下さい。それを増やすも取り崩すも皆さん次第です。

何かあったらいつでも帰ってこいよ〜

Sakurasakura2008

新入生オリエンテーションが、たった今、終わりました。

2時間近くの長丁場。ただただ話を聞く方にしてみれば苦痛だろうなぁ....

とはいえ、こればかりは儀式。4年間にそうそう何回もあるわけじゃないから仕方ないかな。

皆さん、お疲れさまでした。

かけがいのない大学生活になりますように。

あ、次は大学院だ。

法政大学の大学院に『ライフスキル教育研究所』という組織を設置しました。

心理学科のスタッフを中心に、学外から客員研究員の先生方も迎え、心理学や関連諸領域の基礎&応用研究によるエビデンスに基づいて、社会的な問題解決に貢献していこうという組織です。行動分析学関係では奥田健次先生と服巻繁先生に客員研究員をお願いしました。

とりあえず特別支援教育に携わる教員の方々を対象とした研修会を3/27(木)に開催する方向で企画を進めています。はっきりしたらこのブログでも案内します。

今後は地域の学校や企業との連携もこの研究所を通して進めていくことになると思います。

研究所には発達心理学や犯罪心理学、認知心理学の専門家の方々もいらっしゃいますので、これまでより広い範囲のコラボレーションができそうで、個人的にも楽しみです。

研究所の活動が軌道にのったら、企業向けのパフォーマンスマネジメントやインストラクショナルデザインの研修会も実施します。学生や院生が参加できる共同プロジェクトも進めてきますので、乞うご期待。

法政大学大学院人文科学研究科の入試説明会が開催されます。

日時:2006年11月11日(土)13:00〜15:00
場所:ボアソナードタワー26階会議室A

地図はこちらから。

会場は変更される可能性もありますので、最新の情報を入試課のHPでご確認下さい。

心理学科のwebサイトはこちらです。

学部は今年が完成年度で、心理学科としての最初の卒業生を送りだします。大学院は来年度が設置2年めで、M1、M2がそろうことになります。

スタッフもみな若々しく(^^)、元気いっぱいの楽しい学科です。

心理学の基礎をしっかり学んで、それを応用し、社会に役立てることに興味がある人、法政心理の歴史を一緒につくっていきましょう!

ちなみに春入試は2月3日(土)です。

tennis-farewell

テニス部の追いコンに、追い出される側として参加しました。

鳴教では学部のゼミは担当してなかったんで、テニス部のみんなとのつながり(主に♂だけど)は、学生さんと関わる貴重な機会でした。

とは言っても、実は教員というよりは同じテニスを楽しむ仲間として接していたし、練習に参加してきたんで、4年生の4人(レナさま、きゃん、ふっちぃ、なおき)と一緒にメデタク送り出されるという事態も、何だか驚くほど自然でした。

秋田町での胴上げには感動したぞ!(思わず、ホロッと...)。

みんなありがとう。I love 鳴教テニス部です。

yamasakidailyNUE

ようやく鳴教にもコンビニ登場。まずまずの品揃え。営業時間も18:30までと頑張ってる。せっかくなら地域に開放すればいいのに。

そこで提案:

・徳島県北部の“文化の森”として大学を利用してもらえるように、県や市と協議して、一般市民が図書館や講堂をもっと気楽に使えるようにする。

・たとえば、大学内に児童公園をつくってしまうとか、趣味サークルや生涯教育講座を提供できるように空き教室などを開放するとか。

・それから、親が図書館などに来たときに子どもを預かれるように託児所を設置し、そこで学部生のトレーニングもかねた“保育所”を運営しちゃう。

・他にも、遊び教室や学び塾など、大学生のボアンティアスタッフと教員のスーパーバイザーをセットにした企画ものを打つ。

どうでしょう?

センター試験が終った。リスニングテストでは予想された通り混乱が生じた。批判もそこそこ出てきているようだが、残念ながら機器のトラブルや手続きに関する苦情やクレームで、そもそもセンター試験にリスニングテストが必要なの?という意見はあまり見あたらない。

試験官(試験監督)をやった感想(もうバラしてもいいんだよね)。

・マニュアルはよくできていると思います。だけど、数十ページもあるクレーム対応フローチャートなんて、とても記憶できないし、自分の教室では機器にトラブルがなかったからよかったけど、全国何千ヵ所でまったく同じ時間で同じ条件で同じ方法でテストを実施するなんて発想にそもそも無理があると思う(マニュアル、どこかで入手できたら見るといい。“偏執的?”と思うほど微に入り細に入り)。よくわかんないけど、原付免許取るくらいの勉強しないと完璧に試験官できないと思う。全国の大学教員にそんなことを期待するのは非現実的。

・ICプレイヤーについては事前の説明会でも「トラブルはほぼ間違いなくありえません」と言っていたけど、工業製品でこれだけの数を出せば不良不具合がでるのは当たり前。「故障はゼロと思っていた」というセンター職員のコメントは言い訳かあるいは世間の常識を知らないことの露呈かどっちかと思う。実際には故障が発生することを想定して予備のプレイヤーを用意しているわけだし(ちなみにうちの教室では40名あまりの受験生に対し8台の予備があった)、むしろトラブルはある確率で発生するのだから(メーカーはこの数値を知っているはず)、そのつもりで対応して下さいとすべきだった。

・うちの大学の試験会場にはすべて電波時計を設置し、かつ試験官の個人の時計もそれに合わせていたのだが、マニュアル通り試験を進めるために、3人の教官と1人の事務官(大の大人4人)が、電波時計の秒針を各ステップごとに数分間見つめているというシーンはとても異様。しかもそれが全国で一斉に行われていると想像すると、気持ちが悪くなるほど異様。こんなことができるのは日本か北朝鮮くらいではないだろうか? まさにマスゲーム。あれだけ言われても牛肉に背骨入れちゃうアメリカ人には想像すらできないはずだ。さらに、こんな異様な状況を異様とも思わない人がたくさんいることがとても気持ち悪かったです。

大学全入時代を迎え、センター試験のあり方や役割もほんとうは見直されるべきなのだが、なにしろこの業界、大学入試センターの独占だからねぇ(独法化されたけど、独占禁止法とは適用されないのだろうか??)。民間が参入できるようにして、もっと短時間でもっと効率良く、そしてなによりもっと大学で測って欲しいと思う学力を測ってくれる高性能のテストが実施されるように市場形成すべきではないのだろうか?

icplayer

来年のセンター試験から英語リスニングのテストが始まる。受験者一人ひとりにICプレイヤーとヘッドフォンが配布される。それでなくても全国一斉にカチカチのルールで実施されるセンター試験に、さらにカチカチのルールが山のように追加され、会場となる大学のスタッフはいまから戦々恐々だ。

ICプレイヤーは約2,000円でナント使い捨て(時代の流れに180°の逆行!!)。受験生は持ち帰ってもいいし、会場に残してきてもいい。持ち帰っても他に何か使えるわけではない(ものすごい無駄遣い!!)。

どんなものか見てみたい人はこちらからどうぞ。操作もできますよ(--;;)。

大学入試センターでは試行テストの結果を報告しているが、試行テストの目的は、おそらく試験の実施手続き(試験監督からの教示や学生によるICプレイヤーの操作、音漏れがないかどうかなど)がうまくいくかどうかの検討。成績については得点の分布だけが報告されている。

入試なんだから、これだけ大掛かりなことをして、各大学が自分の大学に欲しい!と思う学生が今までよりも取りやすくなるという選抜のメカニズムの精度がどれだけ向上するかどうかが重要評価点なのに、そういうデータは公表されていない(たぶん存在しない)。そもそも入試の成績というのは、大学入学後の成績や学業パフォーマンスを予測できないと意味がないんだけどなぁ。

リスニングの成績を入試判定に使うかどうかは各大学の裁量に任されているのだが、東大など一部の大学を除いて、右にならえ的に採用を決定している。大学で英語リスニングが必要な授業なんてほんの数%にも満たないと思うんですけど...

センター入試があれば受験生は勉強せざるを得ない。だから受験生のリスニングの力はこれによってアップするかもしれない。でも、それって入試システムの役割・目的ではないわな。

リスニング対策の教科書や教材を作成、販売する業者、そしてなによりもICプレイヤーおよびメモリーカードの納入業者(当然、機器にはブランド名などは書かれてありませんが、メモリーカードからすぐわかります)がホクホクする、新たな利権創出に終わりそうな予感です。

高知大学が市民向け公開講座の音声を、iPodにダウンロードして聴けるポッドキャスティングの形式で配信し始めた(高知大学ラジオ公開講座)。

もともと地元のAMラジオ局の番組として放送していたものをネット配信することにしたようだ。

試しに「生殖細胞と受精卵の凍結保存」を落として聴いてみた。アナウンサーとのやりとりの部分まで脚本が書かれているようで、これは大学の先生方もたいへんだなぁという印象。どうせ原稿をすべて書くんなら、読みはプロのアナウンサーに任せればいいんじゃないか?という気もする。

すでに録音されているコンテンツをポッドキャスト用に変換するのはたいした手間ではないので、コンテンツの再利用という点では優れたアイディア。

コラボネットでは、行動分析学の先生方の、今となってはかなり貴重な講演をビデオライブラリーとして公開している。

要望があればポッドキャスティングしたり、あるいは最新のiPodで動画鑑賞できるように変換してもいいのだが....

どれだけのニーズがあるのかが、いまいち不透明。

「ブログを書くような時間がよくありますねぇ」と感心されることがある。「時間」の部分が「暇」に聞えそうなニュアンスのときもある (-.-)。

自分の場合、気になることがあったらすぐに写メしたり、要点を自分宛の携帯メールに送ったりする。手帳にも「ブログのネタ」というセクションを作っている。ネタ集めにはことかかず、ほとんど時間もかからない。

実際に記事を書くのは、実はほとんどの場合は“ながら”仕事だ。溜めておいたネタについて、ちょっとした空き時間とか、日曜の午前中とかに、コーヒーを飲みながら、テレビを観ながら、雑誌を読んだりメールに返信したり、ゼミの掲示板に書込んだり、レポートを採点しながら、一つの記事を10分から長くても30分くらいで書き上げる。推敲はほとんどしていない。

ココログには公開日時を指定する機能があるので、週末に書いた記事は、平日に公開されるように指定しておく。記事の貯金のようなものだ。これに、その時々に突発的に書いた記事が追加される。

大学教員の仕事は教育と研究。このうち、教育の機能は、授業やゼミ、卒論・修論指導が中心になるが、自分は休み時間に学生とだべることが少ないので、構造化された指導以外の“だべり”の部分をブログに費やしているとも言えるかも。

また、研究の機能には、研究するだけではなく成果を公表するという仕事が重要だ。ところが、学術論文や本として発表するには時間も労力もかかり、そのわりには読者が少なく、せっかくの情報が広がらないというジレンマも存在する。情報の流通を促進させることで、研究と実践のギャップを埋めるのにブログは有効だと考えている。

暇つぶしではありませんよ〜

東大は、昨年秋、コンサルタント会社「マッキンゼー・アンド・カンパニー」と契約。大学職員と同社社員の計25人が共同チームを組み、長年の事務の慣行の無駄を三ヶ月かけて検証した。  多いものだと二十人ものハンコが必要だった決裁書類は起案責任者と決裁者の二人の押印だけで十分--。百五十ページに上がる報告書は、二十六の改善策を提案。検討対象に上がった業務を三割削減できることがわかった(日経新聞, 2005.4.27, p. 38)。

 6年くらい前にうちの大学で「大学改革」をやっていたときに、プロのコンサルタントを雇うよう、執行部の先生方に提案したのだが、そのたび却下された。時期尚早だったのか、それとも大学の“性格”の違いか。

 この記事にあるように、

民間のノウハウは“即効薬”に映るが(大学には)教育研究機関ならではの特性もあり、そのまま持ってきても無駄だった。

 ということもあるだろう。つまり時間がかかるということだ。

 郵政の民営化は10年もかけてノンビリやるそうだが、「全入時代」はすぐ目の先。いかに早く着手するかが勝負の分かれ道になるのではないだろうか。

うちの大学では、昨年度から、研究費などで物品を購入するときには、すべてオンラインで注文できるようになった。これまで4枚写しの紙の書類でやっていた仕事のIT化、ペーパーレス化だ。

「大学事務のIT化」というと聞こえはいいのだが、このためのソフト(cgi)がめちゃくちゃ使いにくかったりする。たとえば、注文票を入力する画面のサイズが通常のスクリーンサイズよりはるかに大きく設計されてしまっているので、「業者コード」や「費用コード」などを入力するたびに、画面を横スクロールさせなくてはならない。

このシステムが導入されてから、あちこちからクレームが噴出し、具体的な改善要求も出ていたはずなのだが、新年度になっても何も変わっておらず、唖然としてしまった。

新しいシステムが最初からうまく動かないというのは、この業界(システム開発)の常識だ。肝心要なのは、利用者からの声を活かしてKaizen(改善)していけるかどうか。そこにすべてがかかっているのだが....

ちなみに、上の問題に対する私の解決策は、各種コードの一覧表を印刷して手元においておくというローテク策。これで、コード入力のためにその都度プルダウンしなくて済み、画面の横スクロールもいらなくなる。これだって本当はシステムのメニュー画面から別ウィンドウにコード一覧を開くという、簡単な機能の追加でカバーできるのだが。

hayamihyou

えてして、使えないハイテクを使うにはローテクが一番だったりする。

日経新聞で「大学激動:大学院肥大化のツケ」という特集が連載中。

本日は「院生・一般編」。

・単位認定を厳しくすべき。 ・授業料分の授業をして欲しい。 ・研究中心で教育は軽視している。 ・社会の要請に応えるべき。

など、院生や大学外からの厳しい意見が示されている。

こうした評価を大学が自主的に収集して、授業やカリキュラム、指導方法の改善に活用していける情報のサイクルができれば、大学院教育の質も改善できると思うのだが、現状は難しい。

ようやく始まった「授業評価」もおざなりのアンケートに終わってしまいがちで、次年度の授業改善の材料にしている教員は少ないようだ。また教員養成系の大学のカリキュラムには、文部科学省からの強力な「しばり」がかかる。教育現場で必要とされている知識や技能でも、それが認可されなくては授業開講も難しいし、逆に、現場では必要性が低いと判断されるような教育内容も、課程認定として含まれている限りはずせない。

大学教員一人ひとりの授業改善への取り組みももちろん必須だが、システム全体の見直しも欠かせないのではないかと思う。

gakuseinimotomeru

DISCO Networkによる「企業の新卒採用調査アンケート」の結果から引用。

文系も理系も「コミュニケーション能力」と「熱意」がトップにきているところが面白い。確かに最近の学生の苦手なところだ。

理系では3位の「専門的知識」が文系ではナント20位。

文系(あまりにおおまかな括りだけど)の専門的知識は企業では役に立たないということか? それとも文系の卒業生が企業でその専門的知識を発揮して活躍できるようになるまで指導できていない大学側の問題だろうか?

教員養成系の大学に関して同じような調査があるかどうか探してみようと思う(本来はこういうデータがあって、大学の教育システムも評価できるし、改善できると思うのだが....)

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なんと京大にはローソンが入るらしい。独法化後に取り組んでいる、学生サービス向上のひとつのようだ。

こうやって、「できる」大学とそうでない大学の格差が、これからどんどん開いていくんだろうな。

東大が大学の管理運営を専門とする実務家を養成するコースを開校するという話もわからないでもない(ただ、結局は修了生を「天下り的に」地方に配置させて中央集権的なしばりを強くしようとするだけではないか?という疑念も残るけど)。

佐藤学・東京大学教育学研究科長大学経営はとかく『事務』と考えられがちで、教員も経営に関しては素人だった。産学連携によって実務と理論を融合させ、具体的な施策を提言できる場にしたい

うちの大学といえば、相変わらず、教室に一番近い駐車場は教職員駐車場だし(学生=顧客という認識があれば逆転してもいいと思う)、事務職員が電話にでるときにも名前を名乗らないし(「〜係の○○です」って言わないってこと)。学生からは、ものすごく横柄な態度で接する職員もいると聞く。

道のりは遠い。

naruto-bosyu2004.jpg

鳴門教育大学は来年度から大学院に入学する院生の第2次募集を公表しました。  

出願期間は平成17年2月24日〜3月1日。試験日は平成17年3月15日(火)です。

詳しくは入試情報をご覧下さい。

私が院生指導に関わっている障害児教育コースも、若干名、追加募集するそうですので、特別支援教育に応用行動分析学を活かすことに興味のある方はこの機会にぜひご検討下さい。

・鳴門ABA(応用行動分析学)ゼミについてはこちらから。
・ゼミ日記はこちらから。

sigotoninaranai.jpg
大学のネットにつながりません。 サーバーダウンの連絡あったっけなぁ? と思って調べてみたら、うちの大学ではなく徳島大学が停電だと分かった。 うちの大学は徳島大学の下流側にあるんで、上流が止まるとお手上げなのだ。

う〜ん。

独法化されたんだから、横並びのsinetのみに頼らず、独自の回線も確保して欲しいな。

午後はあさっての授業準備をする予定だったのに、これじゃ仕事になりまへんわ。

こういうとき、blogをココログに引っ越してよかったなと実感しますな。少し記事でも書きますわ(なぜか京風?)。

大学が独法化されて半年経った。

残念ながら今のところ仕事上のメリットはほとんど感じられない。

労働裁量制ということで、たとえば出張のためのお役所的なペーパーワークなどはずいぶん軽減されるだろうと見込んでいたら、そんなこともない。裁量が効くぶん、あとから責任を問われないように、むしろ杓子定規的な仕事が増えたようにさえ感じる。

研究費の使い方も同じ。たとえば、Movable Type を大学の経費で購入するのも、結局、諦めざるをえなかった。会計係が支払い処理できなかったからだ。ところが、先日、ある新聞に「官僚がblogで情報発信」という記事を読んだ。メモをとらなかったので記事の出所がわからなくなってしまったのだが、たぶん、経済産業研究所の「e-Life Blog」のことではなかったかと思う。

経済産業研究所は独立行政法人である。ここのサイトでは Movable Type が使われている。Movable Type を取り扱っている Six Apart ではクレジットカード決済しか受け付けていない。うちの大学はクレジットカード決済ができないので購入できなかったのだが、国立大学法人と独立行政法人とは会計上のルールが異なるのだろうか。

いみじくも、現在、大学からの情報発信を推進するために、各講座や教官のホームページを充実させる取り組みが大学をあげて行われようとしている。講座や教官がblogページを持てるようにすれば、この手の仕事はかなり進めやすいと思うのだが.....

学長選挙

学長選挙である。

来年度から国立大学がいよいよ独立法人化される。
これにともない、学長の裁量権も拡大する。これまでにも増して、大学の将来が学長のリーダーシップによるようになるのだ。

したがって大学の将来にとってたいへん重要な選挙である。

ところが、候補者の声が聞こえてこない。

そもそも立候補制度ではなくて、推薦制度というのもフシギな話だ。

候補者には、心意気があって誰かに推薦を頼んだ人もいるだろうし、回りから推された人もいるだろう。知らないうちに推薦されてしまっただけの人もいるかもしれない。

我々、選挙権をもった側からすれば、誰がどんな心意気と戦略を持っているのか、ぜひ知りたいところだ。

ところが、いろいろ調べてみたら、候補者が公約を配布することは禁じられているという。一同に介して討論会をするなんてこともないという(その理由も教えてもらったが、納得のいくものではなかった)。

こんなキャンペーンを展開しようかと思いつつ、投票日はもう来週。

さて、どうなることやら。


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学長選挙

学長選挙である。

来年度から国立大学がいよいよ独立法人化される。
これにともない、学長の裁量権も拡大する。これまでにも増して、大学の将来が学長のリーダーシップによるようになるのだ。

したがって大学の将来にとってたいへん重要な選挙である。

ところが、候補者の声が聞こえてこない。

そもそも立候補制度ではなくて、推薦制度というのもフシギな話だ。

候補者には、心意気があって誰かに推薦を頼んだ人もいるだろうし、回りから推された人もいるだろう。知らないうちに推薦されてしまっただけの人もいるかもしれない。

我々、選挙権をもった側からすれば、誰がどんな心意気と戦略を持っているのか、ぜひ知りたいところだ。

ところが、いろいろ調べてみたら、候補者が公約を配布することは禁じられているという。一同に介して討論会をするなんてこともないという(その理由も教えてもらったが、納得のいくものではなかった)。

こんなキャンペーンを展開しようかと思いつつ、投票日はもう来週。

さて、どうなることやら。


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