かもっこスマイルプロジェクト:県が全面的に支援する小学校のスクールワイドPBS

かもっこスマイルプロジェクト.jpg

全校で取り組む「3つの大切」〜児童の「できた!」を引き出すポジティブ支援〜

去る2/24-25に開催された徳島県特別支援教育実践研究報告会の目玉はなんといっても、これでした。

「とくしま支援モデル」充実事業の一つとして展開された、東みよし町立加茂小学校の先生方と子どもたちによる取り組みです。アドバイザーは畿央大学の大久保賢一先生。

シンポジウムでは大久保先生によるSWPBSの解説の後、自らこの実践に積極的に関わって頂いた校長先生と、中心的な役割を果たして下さった特別支援コーディネーターの先生から、プロジェクトの背景や具体的な方法、成果に至るまで、とてもわかりやすく話題提供して下さりました。また、その後、フロアからの質問に、会場にいらしていた東みよし町の教育長さんが回答して下さるという、嬉しいハプニングもありました。

一番に感心したのは「あったかことば」です。SSTやSELでも標的となる行動ですが、学級内のロールプレイに終始し、効果測定も質問紙を使った自己評価に頼るのがほとんどです。

加茂小では「あったかことば」を木の葉に見立て、大きな幹の絵を掲示板に貼り付け、児童一人ひとりが見つけた「あったかことば」を一つひとつ短冊のように幹につけていくように促したそうです。「あったかことば」で枯れ木に花を(緑のはっぱを)咲かせましょう!という発想ですね。

子どもが「あったかことば」を考え、木の葉を模した紙切れに書き、それを貼れば、木に緑が茂っていくという、とても自然な内在的強化随伴性が組み込まれた取り組みです。子どもたちはあれよあれよという間に、「あったかことば」を考え、葉っぱをつけ、すぐに幹が見えなくなるくらいになったそうです。

同時に「いいところをみつけたよ」という課題も進めます。授業中や休み時間などに、友だちのいいところをみつけたら、それを「あったかことば」で伝えるように促すのです。それを先生たちが見つけて褒め、記録し、「目指せ!みんなで800枚」というシートにシールを貼っていきます。「あったかことば」を考えるだけではなく、実際に声かけする行動を強化する随伴性であり、測定も一緒にしてしまっているわけです。

「3つの大切」として、他にも、「チャイムがなるまでには自分の席に座る」、「登校時に挨拶する」、「朝礼でてきぱきと整列する」などが全校標的行動として設定され、それぞれ成果をあげています。整列にかかった時間なんて、半分くらいになってます。こうした成果を子どもたちに視覚的にフィードバックしながら進めているところも素晴らしいと思いました。先生に褒められるという理由のみで何かするのではなく、学校がよくなっていくこと(加茂小では「学校によい風をふかそう」というメタファーを使っています)を動機づけに使っているのです。

県の教育委員会が支援するプロジェクトですが、取り組みそのものは先生方による主体的な活動です。会場にいらしていた先生方の様子からは、たいへんだけど楽しみながら、なんといっても子どもたちの成長に喜びながら、取り組まれていた様子がうかがえました。

本プロジェクトについては、おそらく大久保先生がいずれ詳しい報告をして下さると思いますが、概略であれば、徳島県がリーフレットを作成していますので、そちらをご参照下さい。プロジェクトに使われた指導計画書などの書式も含め、以下のURLからダウンロードできます。

http://manabinohiroba.tokushima-ec.ed.jp/?page_id=58

来年度の展開もじつに楽しみです。

参考までに:学校全体で取り組む スクールワイドPBS の資料

法政心理ネット