2015年10月アーカイブ

Iernrh_2

 京都ABAIの招待シンポジウム "Improving Education in Every Classroom: Right Here, Right Now"で紹介された資料がwebページにまとめられました。
 Evidence-based Kernelsは、行動分析学の研究や実践で効果が実証されている基本的な要素です。
 他にも、Twyman先生が紹介していた数々のアプリへのリンクや、Heward先生が紹介していたActive Respondingに関する資料などが満載です。
 小中高大の授業で気軽に使えるものばかりですので、ぜひ参考にして下さい。
 京都ABAIでのこのシンポジウムの反響に気をよくされたHeward先生に、来年のChicagoABAIでもやろうよと誘われてしまいました。一度限りの美しさという日本人の価値観を説明したのですが逃れ切れず、もう一度やることになりました。シカゴだとウォシュレットや舞妓さんのジョークが使えないので、また何か考えないと...

Th_img_3527

Photo by J. S. Twyman

 9月27日から29日までホテルグランヴィア京都で開催されていた第8回国際行動分析学会には、最終的に600人を遙かに超える研究者、実践家、学生や院生が参加し、盛況のうちに幕が閉じられました。
 それまでずっと米国内で開催されてきた年次大会に加え、2001年からほぼ隔年で世界各地で開催されているこの大会の歴史においても、記録的な数の参加者数となりました。
 国際学会の開催に関与するのは、2012年のBehavior Change for a Sustainable World Conference についで2回目です。あのときは開催地がオハイオ州立大学だったこともあり、Program Committeeの仕事だけを開催前の準備期間中にするだけでよかったのですが(しかもホテルには巨大なスイートが用意されていましたが)、今回はさすがにそうもいかず、あれよあれよという間に仕事が増えていき、開催前も開催中も(終了日翌日さえも)、大忙しの毎日でした。
 なにしろ国内の心理学系学会でいうところの、いわゆる大会事務局にあたる組織は存在せず、KalamazooにあるABAI事務局本部がすべて仕切るのです。当然、日本語を話せるスタッフはいません。ABAIは年次大会だけではなく自閉症関係の大会も毎年開催していて、最近ではその他にもいくつかのテーマに特化した小規模な大会も開催しており、そのすべてを事務局長のMaria Malottとその回りの数名のスタッフのみで運営しているのです。
 今回の京都の大会でも、事務局スタッフはMariaを含め、なんと4人だけ。日本からはいくつかの大学から9名の院生さんが会場ボランティアとして参加してくれましたが、彼らの研修も初日の2時間のみでした。ものすごく極度に人的資源を節約した運営なのです。当然、あちこちで問題が発生しますが、ラテン系Mariaのモットーは「何があっても楽しむこと。問題はバレなければOK」(本人談)。とかく完璧を目指そうとする日本人の心意気とは大きな違いがあることが身にしみてわかりました。

Th_image6

 大会の前日と翌日には霊長類研究所と日本モンキーセンターへのツアーが組まれました。これもある日突然(こちらには相談もなく)決まっていて、驚かされました。あとからでてくる様々な問題に、霊長研の松沢先生、モンキーセンターの赤見先生をはじめ、スタッフの皆さまのご協力と、このツアーに同行して下さった Invisible Hero社の清水先生、愛知大学の吉岡先生、明星大学の竹内先生、急遽招聘された大学院生ボランティアの皆さまのご尽力で、一人の迷子をだすことなく、総勢50名以上の外国人参加者を犬山まで送り届けることができました。今だから明かしますが、ABAI事務局は、当初、霊長研が京都にあると思い込んでいたようですよ(確かに京大附属の機関ではありますけれども)。

Th_dsc_5041

Th_dsc_5299

 裏方の仕事が忙し過ぎて、シンポジウムや発表はあまり聞くことができなかったのが残念でしたが、個人的なハイライトは、初日のチュートリアルセッションでの奥田先生 vs(おそらく)BCBAセラピストたちの攻防と、Bill Heward、Janet Twymanという二人の元ABAI会長と一緒にやらせていただいた招待シンポジウムでした。両方とも、こういうのは、打ち合わせなし、出たとこ勝負のライブ感が大切であることを再認識しました。"攻防"については、またいつか詳しく書くことになるかもしれません。
 この学会の開催にご協力して下さったすべての方々へ、参加して下さったすべての方々に、今は感謝の気持ちでいっぱいです。
 特に、会場で、ツアーで、ボランティアとして活躍して下さった大学院生の皆さまへ、この成功はみんなのものだよ〜 おめでとう。
 

 京都で開催された国際行動分析学会(ABAI)も大盛況のまま終了し、この夏、というか春から、ずっと続いてた常識を越えた忙しさも一段落。ようやく一息つけそうです。

 というわけで、9月17日に刊行された拙著のご紹介です。

 『リーダーのための行動分析学入門』(日本実業出版社)は、副題にあるように、部下を育て、強いチームをつくる方法を解説したビジネスパーソン向けの本です。

 行動分析学をベースにしたコンサルテーションをグローバル企業に提供しているCLG(Continuous Learning Group)のアジア進出に伴い、彼らの協力を得て、大企業への介入事例も掲載しています。

 CLGは以前にも日本の某大手企業にコンサルを提供したことがあり、その会社の大型M&A案件を成功に導くことに貢献しています。このとき、CLGを起業した当時のCEOの一人、Leslie Wilk Braksik博士に頼まれて、彼女の著書『Unlock Behavior, Unleash Profits』の日本語翻訳をお手伝いしました。クライアント企業内の研修に使うためでした。
 LeslieはWestern Michigan University大学院時代の同級生で、右も左もわからないままKalamazooに着き、アパートが見つかるまで学部生用のドミトリーの部屋で寂しく暮らしていた私をテニスや食事に誘ってくれて、友達づくりを後押してくれた恩人です。その恩返しにでもなればと思い、お手伝いさせていただいたのです。
 今回、日本と韓国にオフィスを構え、本格的にビジネスをスタートするので色々と手伝って欲しいという彼女の要請に応え、最初は彼女の本の翻訳を正式に出版することも検討していました。ですが、日本の経営者やビジネスパーソンにとって、よりわかりやすく、伝わりやすい本にするためには、日本の文化や慣習も考慮し、日本での事例も加えた方がいいだろうということになり、『Unlock Behavior, Unleash Profits』に紹介されている、CLGの考え方や方法論、用語や事例などを使う許諾をいただき、オリジナル本として書き下ろしました。

 先々週、Amazonの「売れ筋ランキング」を見ていたら、この本が「ビジネス・経済」の下の「実践経営・リーダーシップ」の下の「CI・M&A」のサブカテゴリーに入っていました。確かにM&Aの事例も紹介しているのですが、同じレベルのサブカテゴリーに「リーダーシップ」もありますから、妙な感じもします。出版社の担当編集者さんに質問したら、このサブカテゴリーの指定は出版社にはできないそうです。Amazonが独自に分類しているとのこと。
 なんて書きながら、今一度「売れ筋ランキング」を確認したら、今日は「経営理論」に入っていました。う〜ん、謎(笑)。

 これまでも行動分析学からビジネスやマネジメントについて書かれた本は、拙著『パフォーマンス・マネジメント』を含め、数冊あります。でも、日本や海外における具体的な事例が掲載されている本はこれが初めてだと思います。
 M&Aと行動分析学?と疑問に思われる方は、去年、CLGが開催したセミナーの資料をご覧下さい。数々の大規模M&Aを成功させている、JTの新貝康司氏(現代表取締役副社長)もパネリストとして登壇されたセミナーです。

 海外進出に伴い、現地社員や顧客とのやりとりで文化の差につまづく企業もあると聞きます。国内でも、外国人を雇用したり、女性を登用したり、異世代の若手に活躍してもらうためには、これまで通りのやり方に限界を感じている経営者や管理職の方が多いのではないでしょうか。
 行動分析学には国や文化や世代を超えて適用可能な「行動の法則」と、国や文化や世代や個人に独特の“個性”や“多様性”に対応できる方法論があります。グローバリゼーションとダイバージョンが鍵になる次世代のマネジメントに、この方法論をぜひともご活用下さい。

アーカイブ

法政心理ネット