2014年2月アーカイブ

名言〔第1位〕:「企業の目的は顧客の創造」

解釈:

 企業が目指すべきなのは顧客の購買行動を介した社会の変容である。社会を改善する機能をもち、それに対価を支払う行動を強化できる製品やサービスを開発し、提供すること、そうした機能的な相互関係が成立する条件をみつけることが企業の“目的”である。

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名言〔第2位〕:「我々の事業は何か」

解釈:

 企業の“事業”(行動)は顧客の購買行動によって決まる。どのような好子にどのような確立操作が作用し、どのような強化スケジュールやその他の条件設定(遅延、購買にかかる行動コスト、社会的随伴性など)下で、どのくらいの金額で購入するのか(お金という好子消失による弱化の随伴性よりも強い強化の随伴性は何か)。
 顧客の購買行動を強化する企業の行動が顧客の購買行動によって強化される相互の強化関係が成り立つとき、企業の事業が成立する。

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名言〔第3位〕:「知りながら害をなすな」

(これはヒポクラテスからの引用のようです)

解釈:

 顧客の“信頼”とは、企業の製品やサービスや宣伝やブランドそのものが購買行動の弁別刺激となることである。
 弁別刺激は刺激と強化の一致によって形成される。
 「私たちの会社は顧客に必ず強化を届けます」という言語行動は、それが事実と完全一致することがないため(言行不一致となり)、“信頼”の弁別刺激を形成できない。せいぜい可能なのは「私たちの会社は顧客にできる限り強化を届けるようにベストを尽くします」という言語行動である(これなら事実と完全不一致することはない)。
 一方で「私たちの会社は顧客に害があるとわかっている嫌子は届けません」という言語行動は自発し(約束し)、言行一致を守らなければならない。守らなければ“信頼”の弁別刺激が破綻するどころか、企業のブランドが“疑惑”、つまり習得性の嫌子となり、購買行動回避を強化してしまう。ブランドや商品へのタクトも変容し、言語共同体から強化も受けるので、その回復は容易ではなくなる。

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Ppt

Mac版PowerPointでは禁則処理が失敗することがあって「、」で始まる行ができちゃうことがある。

調べたらMicrosoftのサイトに「禁則処理が有効にならない」というページが見つかった。最終更新日: 2002年2月19日、対象は Microsoft PowerPoint X for Mac と  Microsoft PowerPoint 2001 for Mac とあるが、私のMacにインストールされているのは Microsoft PowerPoint for Mac 2011 なのである。

どうやら十年以上も放置されている問題ということになる。

「既に」って何だかエラそうなのは毎度のことだが、回避策も酷い。

  以下のいずれかの方法で対処してください。

  • プレースホルダやテキストボックスのサイズを変更する
  • フォント サイズを変更する

レイアウト変わっちゃうじゃん。それに「、」の位置が一箇所ずれても他の行で行頭に「、」がきたらしょうがないし。

仕事ができない人のスライドみたいになって恥ずかしいけど、時間もないし、あきらめよう。

定義:

愛着:ボウルビィが定義した赤ん坊の母親に対する特別な情緒的結びつき(『心理学辞典』(有斐閣),  p. 4)。 ストレンジ・シチュエーション法:エインズワースによる愛着の質を測定する実験法(同, p. 476)。

行動分析学的解釈:

分離場面で泣く

  • 母親が離れることが泣き行動(レスポンデント)の無条件刺激となっている。
  • 母親が離れることが泣き行動(レスポンデント)の条件刺激となっている(ミルクを飲んでいる途中で母親が用事で離れた:母親が離れる & ミルクの中断)。
  • 母親が習得性好子となり、 母親が離れることが泣き行動(オペラント)の弁別刺激になっている(泣くと母親が戻ってくることで強化される)。
  • 母親が離れることが習得性嫌子となり、 母親が離れることが確立操作となり、泣き行動など、この状態を終結させる行動クラスの自発頻度が高まる。

分離場面で見知らぬ人に接近し、遊ぶ

  • 見知らぬ人が生得性/習得性の好子として機能し、接近行動(オペラント)を強化している。

再開場面でしがみつく

  • 母親の短時間の不在が母親の好子としての価値を高め(確立操作)、
  • 母親が離れることを阻止する行動クラス(しがみつく、泣く、叩く)の自発頻度が高まり、
  • そうすることで母親が不在にならなければ、こうした行動が強化される。

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名言〔第4位〕:「自らの強みに集中する」

(ドラッカーは、能力(competency)の底上げにはコストがかかりすぎるので、能力の高いところを伸ばすことに集中すべきとしています。適材適所や事業の選択という意味ではもっともですが、能力ではなく、行動やパフォーマンスのマネジメントという視点からすると話は異なります。また、中小企業の多くは、会社の規模という制限があるので、必ずしも適材適所の人事を理念通りに運用できないという事情もあります。ですので、以下の解釈ではこのあたりを勘案し、直訳というより、本意を離れた拡張的意訳をしてみました)

解釈:

 仕事の成果(パフォーマンス)に個人間や事業所間のばらつきがあるときには、できる人や部署とできない人や部署の差が大きければ大きいほど、一般的にその差を解消しやすく、できている人や部署の成果をさらに伸ばそうとするよりも効率的である。なぜなら、できている人や部署の行動を引き出し、強化している随伴性を分析し、できていない人や部署に欠けている条件を見つけ、それを補完することで、パフォーマンスが改善されることがあるからである。
 ただし、たとえば個人間のパフォーマンスのばらつきをそのように解消しようとして、考えられる限りの条件整備をしても大きな個人差が残る場合には、個人の特性(習得が用意ではない行動レパートリーの差や習得性好子や嫌子の違い)に配慮し、個人の特性はそのままで仕事の内容や方法が変わればパフォーマンスも改善され、その個人の行動が強化される確率も高まる環境が企業内の他部署に存在するのなら、配置転換という手段が有効になるだろう。
 企業としても個人でも、仕事をすることで強化される確率を上げていくことが働きがいにつながり、同時に、退職率や欠勤率、病気や事故などによる経費の削減にもつながる。経営者の仕事は、従業員にとっての強化される行動が、企業にとっても強化される行動になるように(つまり、利益を生む行動になるように)、好子の配分をして、最適化しやすい環境設定を支援するべきである。そのためには、同じ仕事、同じ部署で強化率を上げられるように支援するか、仕事を変え、部署を変えて強化率を上げるように支援する。

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定義:
 「劇的で‘感情’を強く動かされるような重大な出来事について、初めて知らされたときの状況を鮮明かつ詳細に想起する‘記憶’をさす」(『心理学辞典』(有斐閣),  p. 756)。

行動分析学的解釈:

 この現象の例として取り上げられるのがジョン・F・ケネディの暗殺事件である。事件のあとで、「あのニュース、どこで聞いた?」「何していた?」「誰といたの?」という会話が増えていたのは間違いなく、そのたびに「自宅で家族と食事をしていたよ、ワインを飲みながらさぁ」と回答し、「そうなんだ。俺はね…」というようにタクトが般性強化され、維持されるのではないだろか。タクトが強化される随伴性が確立操作となり、その場面を思い浮かべる(イメージする)という行動も自発され、強化される可能性もある。

 このように考えると、“重大な事件”というのは以下の条件を成立させる事件であろう。
1) それが以前に起こった他の事件と類似してないこと(弁別しやすいこと)。
2) 上記のタクトの初発反応はできる限りその場で自発されること。事件発生から時間が経ち、すでにその場にいなくなってから「どこで聞いた?」と聞かれるようでは、初発反応の弁別刺激(場所の様子、一緒にいる人、時計などなど)がすでに消失しているので、正確な反応が自発されにくくなる。事件発生と同時に電話などで会話が生じることで現場での初発反応が強化される機会が重要なのではないだろうか。つまり、友達にすぐに電話をしたくなるほどの事件ということになる。
3) 事件発生後、長期間にわたって会話による強化が高頻度で続くこと。
4) その間にその事件と類似の事件が起こらないこと(弁別しにくくなり、その他の行動が強化されないこと)。

 事件を知ったことで‘感情’的な(情動)反応が引き起こされることが、このような現象の成立に必要な条件であるようには考えにくい。会話を繰り返すたびに当初と同様の(ただし相対的には微弱な)情動反応が生じ、それが弁別刺激の一部として作用することになる可能性はあろうが、こうした条件反応はいずれ消去される(つまり、事件のことを思い出しても興奮しなくなる)。よって、タクトの手がかりとしては機能しにくいはずである。また、他の事件によって引き起こされる情動反応と大きく異なるとも考えにくいので(ケネディの暗殺事件によるドキドキとスリーマイル事故によるドキドキを区別するのは難しい)、もしこれが弁別刺激の中で主要な作用を持っていたら逆に混乱(誤反応)を引き起こすだろうと予測できるからである。事件を知ったときの情動反応がそのときの周辺刺激に偶発的に条件づけられ、周辺刺激が情動反応を引き起こす可能性はあるが、よほど強い刺激と反応で(たとえばPTSDを引き起こすような)、かつ、周辺刺激がより特殊でなければ(それ以来行ったことも観たこともない場所など)、やはり消失してしまうだろう。

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トレたまで紹介されていたタブレット付きロボット、Double Robotics (日本で販売しているのはこの会社のようだ)が面白い。

iPadをつけて遠隔で操作できる"ロボット"ということなのだが、上のように、これならデートもできそうだ(笑)。長距離恋愛ツールにもなるし、インフルエンザでドタキャンする必要もないかも。

いやあ、こんなのあるならゼミの参加をこれでOKにしてもいいくらいだなぁと一瞬思ったが、よくよく考えれば、それだとiPadやPCを並べてSkypeで遠隔会議しているのと同じわけで、特に目新しくはない。

それなのに、脚がついて移動できるというだけで、なんだかそこに「人」がいるような行動が引き起こされるところが面白い。

デートだって、iPad片手にFaceTimeしながら歩いているのと同じなわけで、そんなことしている人を見たらフツーはちょっとひくと思うのだけど、よちよち台車に載ってぎこぎこ動いているとそうはならない。

なんでだろ?

人は「顔」に敏感に反応するように進化してきた!なんで夕べのテレビでやってたけど、顔だけじゃないんじゃない。

動き? それとも"操作している"という行動?

興味深いです。

うちにはるが来て二年が経ちました。おかげさまでいよいよ元気に暮らしています。

去年の今頃は掻き行動を減らそうと四苦八苦していました。40分程度の散歩中でも3−4回座り込み、頭部や前脚の付け根とかを掻いていました。喉元やお腹に赤い発疹ができていることもあり、アレルギーがある犬なので心配していたのです。

今でも掻きますが、頻度はずいぶんと減り、発疹もしばらく見ていません。掻き行動の原因は不明ですが、とりあえずこの一年間は室内環境の改善に重点をおいてきました。基本はダニ、ノミ、ハウスダスト対策です。

以下、この流れで購入したアイテムです。

○SHARP プラズマクラスター25000搭載 加湿空気清浄機 ホワイト系 KI-AX70-W
 まずは空気清浄機です。居間に大型、寝室に小型のものを入れました。おかげさまでうちはほとんど無臭です。

○「アレルガード」高密度生地使用 防ダニ 掛け布団カバーなど
 アレルゲンテストで羽毛がポジティブとでていたので、布団カバー、ベットカバー、枕、枕カバーなど、すべて同じブランドのもの揃えて購入しました。
 ただし、同じブランドの毛布(「衿付きアレルガード毛布」)は失敗。居間で床暖の上で暖まって昼寝したりするのに買いましたが、寒いです(毛がないに近いくらい短いため)。それまで使っていたマイクロファイバーの毛布は、はるの毛がつくと取れにくく、ダニやノミのすみかになりそうだったので変えたのですが、今は元に戻し、その代わり、よく洗うようにしています。

○ふとん専用ダニクリーナー 「レイコップ〜SMART」
 最近、ジャパネットでも宣伝していて、売れているようです。韓国製。ルンバと同様、国内のメーカーにやられちゃった感があります。布団の国なのにね。
 バラエティ番組で芸人の家でこれを試し、めちゃくちゃ汚れが取れるのを笑いにしているのを観たことがありますが、あれ、やらせじゃないですかね。確かに一回ふとんを掃除しただけで、うっすらとほこりや黒ずみがとれますが、あそこまではいきません。よっぽどほんとうに汚いのか仕込みだと思います。

○その他、ダニ捕りROBO(ロボ) 、ダニ粘着シート、電子ノミとりホイホイ、ダニがいなくなるスプレー、ファブリーズ ハウスダストクリアなど。
 このへんのアイテムはかなり怪しいです。ROBO、シート、ホイホイともに、ダニ、ノミが穫れたことがありません。実はいない、という可能性もありますが、以下報告するように、ダニの簡易検査キットでは掃除の効果が測定できているのです。ただし、検査キットは価格が高いので一回しか実施していません。

室内環境がこれで改善されているかどうかですが、以下のアイテムで目視と化学(?)的に、ダニが排除できたかどうかを確認しました。 そうでもしないと限りなく「祈り」に近いので。

レイコップで吸った塵をハンディ顕微鏡で観察していますが、いまだにダニ本体(死骸も含めて)は発見できていません(笑)。ダニチェッカーの方は、上述の対策の前後でベッドシーツの上を対象に検査したところ、確かに変化が確認できました。下の写真がその結果です。ただ、これがどれだけ掻き行動の減少と関係しているのかどうかは不明です。

Photo

たとえば、夜寝るときに居間から寝室に移動するとき(その直前はるはたいてい居間で熟睡しています)、立ち上がり、歩いては座って掻き、また立ち上がって歩いては座って掻きを繰り返します。完全にルーチン化している行動パターンで、もしかすると、こうした掻き行動は痒み刺激によって誘発されているわけではないのかもしれません。散歩中の掻き行動も、もしかすると、そうすることで私の注意を引いたり、進行方向から苦手な人や犬が向かってきているときそうすることで接近を回避、遅延したりといった別の機能があるのかもしれません。

部屋を清潔に保つのは人間にとってもメリットがありますからいいんですけどね。


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サバティカルも残り僅か。カレンダーに無頓着な生活をしていますが、世間が祝日だと、なんとなくのんびりするもので、読もうと思ってためこんでいた論文などを読んでます。

そんな論文の一つ(ここからダウンロードできます)。

実森正子 (2013). 動物の認知プロセスの理解と学習・行動研究—短期記憶, カテゴリ化, 等価性, 視覚探索をめぐって— 動物心理学研究, 63(1), 7-18.

動心での講演を論文化したのでしょうか、「講演論文」という冠が付いています。実森先生は、私にとっては学部時代の指導教員で、お名前をお聞きしたり、お姿を拝見すると、今でも情動反応が生じます(なにしろ不肖の弟子なものですから)。

この論文では、実森先生のライフワークである動物認知に関する研究が凝縮され、一つの物語のように紹介されています。緻密な実験を丁寧に積み上げ、個体の学習が認知の仕組みをどのように築きあげるのかを解明していくストイックな仕事ぶりには相変わらず感銘します。

名言引用:

「どのような学習メカニズムがヒトを含む多様な動物種に適応的な環境認識を可能にしたのか」という問いは、進化心理学、認知発達、神経科学、ロボティックスを含む近接領域に対して、比較認知や学習研究が答えなければならない基本的な問いだからである(p. 16)

ヒトの場合も、認知の研究の多くが、ヒトはこういう刺激にこのように反応するものだといった記述的なものと、その背景にはおそらくこういうメカニズムがあるのだろうといったハードウエア(神経科学的)あるいはソフトウェア(認知心理的?)に関する一部もしくは全部推測的なものであり、このようにするとこのように反応するようになるよということを示す学習的、行動的なものは少ないのが現状です。

動物の被験体と違って学習履歴がほとんどない参加者を得ることも、すでに獲得した行動傾向を学習によって上書きすることも倫理的に難しく、学習要因が認知的な行動傾向に及ぼす影響を実験的に検討することがなかなかできないという理由もあるのだと思いますが、だからといって、ではそういう仕組みがないということにはならないわけで、ここはブレークスルーが求められるところだと思います。

うちの研究室でも「見る」の制御変数を探る実験なんかを進めたりしていますが、緻密さが月とスッポン。もう少し頑張らねば、と仕切り直し。

名言〔第5位〕:「明日のために昨日を捨てる」

解釈:

 行動、特に組織における行動は、その行動がそもそも強化されていた随伴性がなくなってからも、別の制御変数によって自発され続けるものである。たとえば、もう必要のない書類をこれまで書いてきたからという理由だけで書き続けたり、売れ行きが落ちている製品をその製品が売れなくなってきている理由を検証することなく作り続けたり。
 企業にとっての、そして顧客にとっての強化や好子を生まない、強化履歴によってのみ制御されているこうした行動はコストとなり、企業がマーケットの随伴性に敏感に適応していくことを妨げる。
 社会や市場、企業内の随伴性の変化を迅速に察知し、古い行動の自発が新しい、より適応的な行動が自発される機会を奪わないように、組織内の補完的な随伴性(ワークフローや内規、工程、仕事の進め方の取り決め)などを随時修正していく行動が強化されるように環境を整えるべきである。

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名言〔第6位〕:「何によって人に覚えられたいか」

(この引用は他の名言と性格が異なります。ドラッカーが13歳のときに宗教の先生から「50歳になるまでに、“あなたは何によって人に覚えられたいですか?”という質問に答えられるように生きようね」と言われたという逸話だからです。経営に関する名言というより、個人の生きかたに関するお話です。それを承知であえて解釈するなら、こんな感じでしょうか)

解釈:

 誰かの何かの行動を強化したり、誰かの何かの行動を強化する何かの好子を生みだしたり、あるいは誰かにその人にとっての何かの好子を提供したり、その人にとっての何かの嫌子を消し去ったり、そういう行動を、何か特定の領域に集中し、やり続けていくと、あなたについて「あの人はどんな人」と誰かに質問したときに、「あの人はこういう人です」というタクトが自発されることでしょう。

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東京は大雪です。近くの公園にもすでに数センチ積もってます。

はるは大喜び。まさに“犬は喜び 庭かけまわり〜”状態。

何がこんなに嬉しいんだろ。はるの場合、コンクリートに比べて土、土に比べて芝生、芝生に比べて落ち葉の吹きだまりの上を好んで(選んで)、跳ねながら、体を左右に振りながら歩いたり走ったりします。足裏の感触でしょうか、着地したときのクッション感でしょうか。

童謡の「雪」。唄いだしは「ゆーきやこんこ」(ふれふれ、もっとふれの意?)だったんですね。どこかで誤学習したらしく「ゆーきやこんこん」(雪が‘こんこん’と降る様子?)だと思ってました。

恥。

はるはこの後、雪の下からポイ捨てされたスナック菓子らしきものを発見し(強化され)、もう雪に鼻を突っ込んで掘って探しを繰り返しました。へんに強化したくないのでじっと我慢。でも、消去は難しいですね。1時間くらい遊んでましたが、結局3回何か食べるものを見つけてしまい、食べてました。

今日は法政も入試ですね。受験生の皆さま、試験監督の教職員の皆さま、無事に一日が終りますように。

@niftyニュース:バスタオル「毎回洗う」「数回使う」論争 両者の言い分紹介 を読んで考えたこと:

バスタオル問題とはバスタオルをどのくらいの頻度で洗うか、他の人と共用するかといったことに関する論争だが、面白いのは習慣に大きな個人差があること、個人差に気がついていない人が多いこと(みんな他の人も自分と同じだと信じている)、そして、たとえば毎日洗って個人使いしている人にとっては、何日も洗わなかったり家族でシェアすることが身の毛もよだつほど嫌悪的に感じるところだ。

日用品大手メーカー・ライオンのお洗濯マイスター・山縣義文氏の話「お風呂上がりとはいえ汗もぬぐうので、1平方センチメートル当たり、およそ10万個の菌が付着することもあります。これは洗う前の手と同じぐらいのレベルです。毎回洗わない人は、バスタオルをハンガーなどに吊るし、できるだけ風通しのいい場所に干すこと。乾かすことで菌が減るわけではありませんが、増殖を防ぐことはできます。布用の除菌・消臭スプレーをかけることも有効です」

そりゃメーカーの“お洗濯マイスター”さんに聞けばこう答えるでしょうが(「除菌・消臭スプレー」で終るところなどまさに模範回答)、2−3日洗っていないタオルやお父さんが使ったタオルを使って感染したり、食中毒を起した人はほとんどいないはず。つまり、使い回しのバスタオルが嫌子や嫌悪刺激(条件刺激として)となるのは、他の嫌子や無条件刺激と対提示されたからではない(思春期の娘さんにとってはお父さんが嫌子化、嫌悪刺激化し、それが「お父さんが使ったタオル」に派生することはあるかもしれないが)。

よくよく考えてみないとならないけれど、もしかすると、強化歴が長い行動があると、それ以外の行動や行動をしている人が嫌子化してしまうような仕組みがあるのかもしれない。「私たちがこうしているのだからあなたもしてみなさい」というような半強制と対提示された履歴があり、それでカウンターコントロールが効くとか? 異文化間の偏見とも関連していそうな気がする。

異文化間対立としては壁が低い方なので、こういうケースをいくつも見つけ、お互いに話をし、話を聞き、その上で、自分の行動を相手にあわせて変える必要がないことを確認することを繰り返していけば、より高い壁にぶちあたっても冷静でいられるようになるかもしれない。

SdとS△の違いを言語化できなくても刺激弁別は生じる。どうやって区別しているのか説明できないけど、違いがわかるというやつ。『行動分析学入門』(産業図書版)では「直観による行動の制御」(p. 188)として、ハーンシュタインとラブランドの古典的研究—ハトに写真を見せ、そこにヒトが映っているかどうかを判断させる—を紹介している。

Herrnstein, R. J., & Loveland, D. H. (1964). Complex visual concept in the pigeon. Science, 146(Whole No. 3643), 549-550.

ひょうなことで(あまりにひょんなことだったので経緯を忘れてしまった)、"chicken sexer"という単語を目にし、調べてみたら、ひよこの雄雌を判定する職業のことで、日本では「初生雛鑑別師」というそうな。

雌のひよこには卵を産ませ、雄のひよこは食肉用にする。育て方が違い、かかるコストも違うので、生後できるだけ早いうちに雌雄を判定したいが、外見からはまず違いがわからないそうだ。それを「訓練」によって、一羽あたり2秒、しかも連続して数千羽ものひよこの雌雄を弁別し、誤反応率は.5%以下らしい(日本の人事部)。

そして日本の初生雛鑑別師の技は世界でも抜きん出ていて、国内で養成された鑑別師さんのかなりが海外で活躍されているそうである。

当然、海外では「なぜ日本人はあんなにひよこを見分けるのが得意なのか?」ということになる。それで、この人がどんな人だが知らないのだが、ネットで見つけたこんな論文で取り上げられたりしている。

Horsey, R. (2002) The art of chicken sexing. http://cogprints.org/3255/

日本には名古屋に養成所があり(唯一)、昭和の初めから養成をしてきたようだ(詳しくは畜産技術協会のwebサイト)。ところが、名古屋の養成所は平成23年度末に閉鎖されてしまい、その後、岩手や茨城で養成を続けているとのこと。電話して聞いてみたのだが、どうやら長年講師を勤めていらした師匠の方が引退したらしく、その後は講師を勤めることができる方のところで講習をしているらしい。伝統の技がLost Artにならなければいいのだが。

養成講習案内には下記のような説明書きがある。座学で学ぶ「理論」もあるようなのだが、おそらく残りほとんどは現場での気の遠くなるような弁別訓練に依存するのではないだろうか。

養成講習案内初等科を修了しても、職業鑑別師としての資格はありません。鑑別研修生として1年〜2年、ふ化場で鑑別の研修を重ね、高等考査にパスして初めて、資格を得ることができます。高等考査に合格するまで、個人差はありますが、1年〜2年はかかります。中には、1年足らずで合格する人もいます

職人の技は、微細な弁別や精緻な反応分化の集合体のようなものだ。そのような学習を加速させる技術研究が行動分析学から出てきてもいいのではないかと思う。

個人的にはこの歳になって興味津々のワインテイスティングに応用可能な弁別訓練(微妙な香りや味わいの違いを区別し、愉しめるようにする訓練)にも大きく期待したい。

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 アメリカの獣医師の会である、American Veterinary Society of Animal Behavior (AVSAB) が「罰」を使った躾や訓練に関する声明文をだしていることを以前この記事でご紹介しました。この声明文の日本語訳が掲載されている本があることを、先日、中島定彦先生に教わりました。

内田佳子・菊水健史(2008)犬と猫の行動学--基礎から臨床へ-- 学窓社

 さっそく購入して読んでみました。声明文の訳はしっかりしているし、学習理論の章もわかりやすく書かれている本だと思いました。「罰」に対する声明文を読みたいが英語が苦手という方は参照して下さい。ただし、Amazonでは取扱がなく、楽天ブックスにあった(その時点での)最後の在庫を私がいただきましたので(^^)v、現時点では学窓社のサイトで直接注文するのが最短のようです。

 この本にはDVDもついていたので観てみましたが、こちらはかなり謎だらけです。

 どうも犬の訓練関係の人たちは(Excel-erated Learningで有名なPamela Reidもそうですが)、レスポンデントとオペラントを混同しているか、あるいは私の知らない特殊な理論を用いているようで、たとえば、「おすわり」というコマンドの後におすわりをした後でフードをあげる手続きを「古典的条件づけ」と説明しています(正しくは「道具的条件づけ」もしくは「オペラント条件づけ」です)。
 褒め言葉("グー")とフードを対提示することで褒め言葉を二次性強化子(習得性好子)にするという手続きのシーンでは、「順行/逆行条件づけ」の話がでてきて、条件づけられるのはフードが持つ「嬉しい」「大好き」という感情だと説明されています。順行/逆行条件づけはレスポンデント条件づけで用いられる概念ですし、フードが有する無条件刺激としての主な機能は「唾液分泌」です。涎がでることを「嬉しい」「大好き」と比喩として使っているのか、擬人化しているのか、そのような無条件反応を確認しているのか、よくわかりません。
 そもそも訓練や躾の文脈で「強化子」について説明しているわけですから、褒め言葉について着目すべき機能変容は、無条件刺激から条件刺激への変化(レスポンデントでの文脈)ではなく、行動を強化する機能のない刺激から強化する機能のある強化子への変化(オペラントの文脈)です。どうもこのあたりがごっちゃごちゃになっているようです。
 一箇所だけなら単純ミスかと思うのですが、一貫していますので、何かしらの勘違いか、新(奇)理論かと思うわけです。本文にはそのような混同がみられないだけにいっそう不思議です。

 他にも、おすわりを強化せず、ふせを強化する手続きを「シェイピング」と呼んでいたり(分化強化ではありますが、逐次接近して新しいレパートリーを形成しているわけではないので"シェイピング"にはあたりません)して、ツッコミどころが満載です。

 その中には、よくよく考えてみると、実験的(基礎的)、応用的(臨床的)、理論的に興味深いこともたくさんあります。

 たとえば、上記の褒め言葉もそうですが、習得性好子には、次の(本来の)強化随伴性の弁別刺激となっているからこそ強化力がある場合と、そのようなローカルな随伴性がなくても好子として機能する場合があります。クリッカートレーニングに使うクリック音は前者の例ですし、飼い主は後者の例です。前者の成立要件は明らかですが、後者の成立要件はそれほど明らかではありません。対提示する好子の種類を圧倒的に増やせば般性好子になるだろうと理論的に推察することは可能ですが、実際そうなのかどうかはよくわかりません。前者についても、非常に細かなところ、たとえばそれこそレスポンデントでいうところの順行/逆行のような提示順や時間差の問題がそれほど明らかになっているわけではありません。
 どのような習得性好子をどのように作れるかというテーマは基礎、応用、実践で、多くの人が興味を持つところなので(たとえば、自閉症がある子どもに他者との関わりや新しい遊びを習得性好子にするとか、働くことに楽しみが持てない人に楽しみを教えるとか)、一度じっくりと考えてみたいところです。

 DVDでは「自発的行動」を教えるという文脈で、椅子に座った飼い主にちょっかいをだしてくる犬を無視し(テレビを観たりしているという体で)、そのうち伏せたら言葉がけとフードで強化するというところがあります。確かに「ふせ」というコマンドをかけていないのでその意味では"自発的行動"ですが、ここで強調すべきなのはむしろ「消去」だと思います。ふせた犬を立ち上がらせるためにフードを遠くに投げ、戻ってきて伏せたらすぐにフードで強化しているので、このままだとそれを繰り返すことになり、いつまでたっても静かにテレビが観られません。この文脈で必要なのは完全な消去だと思います。そうすればそのうち犬も伏せるなり、寝転がるなりして、勝手に("自発的に")休むわけなので。
 これは社会的妥当性をいかに保障するかという課題です。訓練の先にある目標(何のために行動を変えるのか)はどこにあるのか(この例ならテレビを観ている間、犬は犬で休んでいてほしい)、そしてその目標を達成するのに最適な訓練手続きは何なのかを検討すべきあり、同じ課題(訓練とその先の目標の不一致)は教育界やトレーニング界にあちこちに散見されますから、おそらくそうした発想を強化する随伴性が業界全体に不足しているということなのでしょう。どのように補完すればいいのか、できるのか、検討すべきなのだと思います。

 「観察学習」というチャプターには犬にあくびを教えるシーンがでてきます。残念ながらあくびしか教えていないので、模倣を教えているかどうかはわかりません。犬では模倣、しかも般性模倣が成立すると主張する人も多いようです。本当にそうなのか、そうだとしてそれが生得性のものなのか訓練あるいは自然な学習によるものなのかは、私は不勉強でわかりません。文献はかなりあるようなのですが、実験条件の統制がしっかりできていそうにないので読込んでいないのです。とりあえず、このビデオを観た限りは、"あくび"というコマンドをだしている飼い主が弁別刺激になっているという意味では"観察学習"ですが、それ以上の機能が獲得されているようには見えませんでした。でも、犬好きで犬を飼っている学生が卒論で取り組むことができそうな、面白そうなテーマだと思います。

 というわけでDVDにはかなりずっこけましたが、こうした点も含めてご覧になれば逆に勉強になるかもしれません。

赤ちゃんはどうやって言葉を学ぶのかマサチューセッツ工科大(MIT)の准教授であり、Twitter社のChief Media Scientistでもあるデブ・ロイさんが、9万時間ものホームビデオから、赤ちゃんがウォーター、つまり水のことを「ガガ」としか言えない段階から、「water」と発音できるまでの瞬間を分析する(ハフィントンポスト, 2014/02/05

これぞスーパーホームムービー。家中に仕掛けたビデオカメラで24時間365日撮影しまくり、家族の行動を数値化して家庭内ビッグデータを分析し、やたらとお金がかかってそうなグラフィックやらアニメーションでプレゼン。

「gaga」から「water」まで、発音が次第に(でも意外に非連続的に)形成されていく様子は、確かに今までこうした記録がなかったという意味では貴重なのかもしれない。ところが、これが親子のどのようなやりとりによって進んだ学習なのか、その手がかりになる情報が切り取られてしまっていて、単なる行動形態の変遷に終ってしまっているのがもったいない。

行動の形態は撮影できるが、行動の機能は目に見えない。星の王子様じゃないけれど、大切なものは目に見えない。親子間の行動随伴性を分析単位としてデータを解析し直したら、何が見えてくるだろう。

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