2014年1月アーカイブ

名言〔第7位〕:「まず時間からスタートせよ」

解釈:

優秀な経営者は「何をすべきか」や「いつまでにすべきか」を考える前に次の行動をやっている。

1) まずは、自分の日々の行動を振り返り、どんな行動にどれだけ時間をかけているかを調べる。
2) 時間をかけても成果が上がっていないことはやめる。
3) 部下に移譲できそうなことはそうする。
4) スケジュールし直し、空いた時間帯をできるだけひとかたまりにし、成果を期待できる行動に割り振る。

本シリーズの過去記事一覧:

行動分析学に興味があり、色々な参考書も読みあさり、でも、実際にどのような研究が行われているのかを知りたい。学術誌に掲載されている研究論文を読みたいが、英語は読めない。

そういう方は国立情報学研究所が提供しているCiNiiというデータベースをご利用下さい。

「刊行物名」のところに「行動分析学研究」と入力して検索すれば、日本行動分析学会の学会誌に掲載された論文がヒットします。「出版社」のところに「行動分析学会」と入力して検索すれば、年次大会の発表論文集も含めて検索できます。論文の要約(抄録)は無料で読めますし、一般の方でも(大学などに所属していなくても)、有料ですが、本文もダウンロードできます。CiNiiにユーザー登録すれば単価は安くなりますし、割高でもよければユーザー登録しなくても単体で購入できます。

日本行動分析学会では過去に掲載された代表的な論文を集め、解説もつけた『行動分析学研究アンソロジー2010』というのも出版しています。こちらはAmazonなどで購入できます。

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日本行動分析学会

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台風のような強風や大雨でない限り、うちの犬は濡れるのを気にせずに散歩します。フリーズしてしまうので、レインコートは着せません。拮抗条件づけを何回か試み、ようやく成功し、なんとか着たまま歩けるようになったかと思うと、次の雨のときにはまたフリーズしてしまう、というのを繰り返しているうちに諦めました。濡れるのは苦ではないようなので。

むしろ雨の中の散歩が辛いのは私です。山登り用の雨具を着るので濡れはしませんが、楽しくないし、公園でボール投げもできません。帰ってから雨や泥を濡れタオルで拭くのもかなりの手間です。

だから、雨の日には、気象情報をチェックして、できる限り雨雲の切れめを狙って散歩しています。

そんなときに使っているのが、Yahoo! Japan 雨雲ズームレーダーと、日本気象協会が提供するアプリ Go雨!探知機 -XバンドMPレーダ-です。

雨雲ズームレーダーの方は一時間後までの予想がかなり正確です。雨が降っているときでも、たとえば、あと30分後に20分くらい雨がやみそうだということがわかります。

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Go雨!探知機は、現在地を中心とした半径5kmの降雨状態をみせてくれるので、それによって散歩のコースが選べます。公園側は雨だから、雨が降っていない小学校方面に行こうというように。

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まったくもって便利な世の中になったものです。

定義:
 「心理療法において治療者とクライアントの間に存在する人間関係をさす。(中略)治療者は親密で暖かい感情の交流をもつように心がけることが大切であり、ラポールが治療の第一歩である。(中略)受容的態度によって治療に有効なラポールが形成される」(『心理学辞典』(有斐閣), p. 874)。

行動分析学的解釈:
 心理療法では、まず、クライアントの怖れや不安といった情動反応を引き起こす条件刺激や無条件刺激が提示されないように、そして、カウンセラーやカウンセリング室が、クライアントのいかなる発言もカウンセラーがそれを批判せずに聞くという好子出現による強化の弁別刺激、そして嫌子出現による弱化からの復帰の弁別刺激になるように、クライアントにとっての嫌子は出現させず、発言は弱化せず、また内容によって分化強化せずに、どのような発言でも同じように微弱に(大袈裟にせず)強化する。これにより、クライアントの安心した来室行動を自発、維持させ、不安なく話をする行動の頻度を安定的に維持する。

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名言〔第8位〕:「マネジメントの役割」

解釈:経営陣の役割は以下の3つである。

1) 組織の社会に対する機能を定義すること(すなわち、誰にどのような行動をして何を得るかというメタ随伴性を記述すること)。
2) 1) の機能を発揮するための組織内の随伴性を整備すること(すなわち、従業員各々のどのような行動をどのように強化するかを決め、そうすること)。そして、そのときに従業員それぞれの好子や嫌子が出現/消失するように、付加的随伴性だけではなく行動内在的随伴性にも配慮すること。
3) 1) と 2) を進めるときに、社会の法や倫理に関する随伴性と抵触しないようにし、かつ、社会全体に貢献できるように(好子を出現させ、嫌子を消失させるように)工夫し、他の組織にとってモデルとなるような組織づくりを目指すこと。

本シリーズの過去記事一覧:

「応用行動分析学からみる“仕事の期限にルーズな人”への対処法」を書いた本が刊行されました。なんと、95,000円もする本です(^^;;)。おそらくは関連企業さんが購入される系の本で、一般の人が目にすることはまずないだろうと思われますが、一応、お知らせしておきます(国会図書館には入るのかな?)。


研究開発テーマの “遅れ” 対策と効率化ノウハウ 研究開発テーマの “遅れ” 対策と効率化ノウハウ
(株)ニコン 富野 直樹 旭化成(株) 小川 周一郎 帝人(株) 村上敬 日東電工(株) 六車 忠裕 テルモ(株) 松村 啓史 住友化学(株) 細田 覚 富士フイルム(株) 後藤 孝浩 (株)ファンケル 粂井 貴行 日産自動車(株) 戸井 雅宏 味の素(株) 榛葉 信久  ほか 85名

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 自宅で食事をしていると、はるが足元にやってきて、前脚で私の足をトントンとしてフードを要求します。
 最初は、食べ物を欲しがって吠えてしまうことがあったので、NCR的におやつをあげ、吠えるのを減らしました(吠え始める前に、フードを10秒おきくらいにあげる:吠えたらしばらくあげないでおき、十秒くらい吠えなかったらあげる)。
 吠えさせ、完全無視して消去するという手もあったのですが、晩酌のときに、右手につまみ、左手におやつをもち、ビールを飲みながらフードをあげるのが心地よく、でも私の気分次第で、あるときにはおやつがもらえ、あるときにはおやつがもらえないという状況で弁別訓練を進めるのは難しいだろうと判断しました。フード提示の間隔を延ばしていこうと考えていましたが、これはできませんでした。でも、吠えるのは止めさせることができました。
 ところが、しばらくすると、私がついついテレビとかに夢中になってフードの提示を忘れると、ズボンの裾を噛んでひっぱるようになってしまいました。というか、裾を噛んだらフードをあげるということをやっちまったわけです。これはヤバいというわけで、両立しない行動を急遽教えることにしました。前脚でトントンする行動をシェイピングし、要求行動として機能化しました。
 吠えもせず、噛みもせず、二人で平和に晩酌できるようになりましたが、さすがに食事中ずっとフードを提示し続けるのは面倒です。
 そこでコングの出番となりました。コングは硬質のゴムでできた円錐形のおもちゃで、中にフードを入れて使います。内部に段差がついています。全体を押しつぶして入口を拡げ、フードを奥までねじこみ、力を抜けば、入口が元に戻ってフードが詰まった状態になります。こうなると、そう簡単にはフードを取り出せないようになるのです。犬は噛んだり舐めたりして一生懸命にフードを取り出そうとしますから、頭を使わせることにもなるし、夢中になるので(VR的な随伴性が設定できるので)、暇ゆえに出現する問題行動を防げるというアイディア商品です。
 コングに入れるフードや入れ方を色々工夫することになりました。コングのメーカーが販売しているレバーペーストやおやつには、はるにとってのアレルゲンが含まれているようで、お腹を下してしまいます。そこで、牛タンや砂肝などの乾きもの系を使ってきました。これだと、ちぎり方や差し込み方を工夫すると、かなり長い間格闘させることができます。うまくいけば15-20分くらいは保たせられます。
 そのうちに、はるの取り出すスキルも上達しました。特に、コングを宙高く放り投げて床に落下させ、その衝撃で中身が出てくるというパターンを偶発的に学習してからは、噛んだり舐めたりするよりも、この行動の頻度の方が高くなってしまいました。噛んだり舐めたりしていたときには、乾きものがある程度湿って柔らかくなってから取り出し、食べるようになっていたのですが、コング投げをするようになってからは渇いて堅いまま、ほとんど噛まずに飲み込むようになってしまいました。
 おそらくこれが消化不良を引き起こすのでしょう。コングを晩に2回以上あげると、次の日のうんちがゆるめになり、続けると下痢し始めるということがわかりました。
 そこで、コングにつめるフード探しを再開しました。ピーナッツしか使っていない(砂糖などが無添加の)ピーナッツバターは舐めつきがいいのですが、これもお腹が緩くなるようでした。散歩中、草を食べることがあるのでキャベツを刻んで突っ込んでみましたが、興味なしです。バナナなら食べそうですが、お腹に良くなさそうな情報がwebに見当たるのでやめました。
 そうこうするうちに辿り着いたのが、通常のフードを潰して粉末にしたものを水で溶いて半練り状態にし、流し込んで冷凍するというメソッドです。以前から人に聞いたり、webでも見つけていた方法ですが、凍ったものを食べさせるという発想に合点がいかず、なんだかとてもノーテンキでアメリカンな考え方のような気がして見送っていました。でも、試してみると、食いつきもいいし、放り投げずに、舐めたり噛んだりするようになったし、消化不良も起さないし、時間も稼げるしと、良いことだらけでした。
 何回か試した後で、コングを大人買いし、1週間ぶんを作りだめできるようにしました。ただし、この段階で失敗が一つ:いつも使っていたMサイズではなく、Sを注文してしまったことです。一回分のフードの量を少なめにしたかったからですが、7個買ったSサイズのコングはすべて同じところ(先っぽの2段目)が噛みとられてしまいました。うちの犬には柔すぎたようです。そこで、再度、Mサイズを注文しました(通常版の赤と強力版の黒をまぜまぜで)。一ヶ月以上経過しましたが、今のところ、赤も黒も壊れていません。
 朝食や夕食に使っているのとは別のドライフードに、クッキーやチーズパウダーなどを混ぜ、できるだけ味が毎回異なるように(飽和化しないように)しています。
 舌が凍傷になったらどうしようなんて案じていましたが、いらぬ心配でした。

 今のところ、これが我が家のコング活用法ワンバーワンです。

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来年度の学年暦がPDFでメール配信されてきた。でも、印刷版をスキャンしたもので文字列のコピーもできない。

大学のwebサイトで公開されているところをみると、印刷版はPCが苦手な教員に配慮した文学部事務方のやさしさなのかもしれない。

昨今、大学では、規定の授業回数を確保するようにという文科省縛りによって、祝祭日でも授業をしている。カレンダー通りではないので、学年暦の注意書きもこんな感じで、めちゃくちゃ複雑である。

  • 4月10日(水)創立記念日は授業実施
  • 5月1日(水)は創立記念日の振替により休講
  • 5月2日(木)はレクリエーションデーにより休業
  • 4月29日(月)昭和の日、7月15日(月)海の日、9月16日(月)敬老の日、9月23日(月)秋分の日、10月14日(月)体育の日、11月23日(土)勤労感謝の日、12月23日(月)天皇誕生日は授業実施
  • 1月17日(金)は大学入試センター試験準備により3時限以降を休講、1月18日(土)は大学入試センター試験実施により休講(市ケ谷のみ)
  • 5月3日(金)憲法記念日、5月4日(土)みどりの日、5月5日(日)こどもの日、5月6日(月)振替休日、11月3日(日)文化の日、11月4日(月)振替休日、1月13日(月)成人の日は授業を実施しない

ひとめでいつが休みでいつが授業日なのかわかりにくいでしょ。でも、これでもかなり改善された方なのだ。

iCalやgoogleカレンダーで学年歴を共有できるように配信してくれたらいいのにね。



「恐怖の記憶」が遺伝する? 常識覆す実験結果に脚光  科学誌「ネイチャー・ニューロサイエンス」に昨年12月、議論を呼ぶ論文が載った。「恐怖の記憶」が子孫に遺伝することをネズミの実験で示したという。学習や経験は遺伝しないとする生物学の常識を覆しかねない。
(中略)
 進化は突然変異の中から生存や生殖に有利なものが自然に選択されて起きると今は考えられている。親が獲得した経験は遺伝しない。これが定説だ。
 近年「エピジェネティクス」と呼ぶ現象が注目を集めている。遺伝子自体には変異がなくても、遺伝子の集合体であるDNAに他の分子がくっつくことで遺伝子の働きが制限されることがある。研究者らはエピジェネティクスが今回の実験に関わる可能性を探っている。
(日本経済新聞, 2014/1/5, 朝刊)

 鳴門教育大学で深見くんという院生さんの修論を指導していたとき、単為生殖するミジンコを、ある行動の特性(水面への上からの光の照射に反応し、水面付近に上昇する行動特性)を基準にして子孫を残す個体を選別していくことで、この特性が世代が進むに連れて強調されるという結果を得ました。深見くんの修論審査には生物学の専門家の先生にもご協力いただいたのですが、そのときには「そんなバカなことが起こるはずはない」と一蹴されてしまいました。行動分析学会で発表してもまったく無反応でした。こういうのは生物学のバリバリの研究者が追試して、バリバリに発表していかないとならないのですね、きっと。バリバリの皆さま、ぜひミジンコでも研究してみて下さい。

深見佳彦・上甲里香・田中淳一・島宗 理(1997)行動は遺伝するか? —Daphnia magna(大ミジンコ)における行動の遺伝に選択複生と照明条件が与える影響—  日本行動分析学会年次大会プログラム・発表論文集 (15), 25.

深見佳彦(1998)行動は遺伝する—Daphnia magna (大ミジンコ) における行動の遺伝に選択複生と照明条件が与える影響— 鳴門教育大学修士論文

淡いピンク色だったはるのお腹が、昨年の今頃からだんだんと茶色くなり、5月には黒ずんだ色合いになっていました。

お母さんにパグの血が入っているということだし、これも成長の証だろうと勝手に思い込んでいたのですが、どうやらとんだ思い込みでした。

連休にAFCに里帰りしたとき、アジリティのレッスンを受けて外から戻ったはるの足をふいていたら、佐良先生のお友達のKさんに「そんなの雑巾でいいのよ」と言われました。

それまではペット用のボディータオルを使っていました。人でいえばウェットティシュです。「なめても安心」とか「弱酸性・低刺激」と書いてあったので、特に気にすることなく使っていたのです。

「そうなんですか」と言いながら、ウェットティシュでお腹を拭きだすと「え、そんなところまで拭くの?」とKさん。周りにいた人たちからも、口を揃えて、拭きすぎだと指摘されました。

そういや、うちの父が、その昔、家族で長年飼っていた金魚のうろこにこけのようなものがはえてきたからと、洗剤をタワシにつけてゴシゴシ洗い、殺してしまったことがあったなと思い出しました。

「最近、お腹が黒くなってきたんですけど、これってもしかすると、ボディータオルのせいですかね?」と不安になって聞いてみると、「そんなのは知らないわよ」とKさん。とても気さくで気のいい方なんです。「でも、うちはいらなくなったタオルを雑巾にしてふいてるわよ」と男前アンサー。

そこで足ふきの行程と道具を見直しました。そもそも芝生や土の公園で遊んだあとは、ウェットタイプのボディタオルでいくら拭いても土の汚れが落ちにくいことが気になっていたので、いっそのこと、お風呂に連れて行き、ぬるま湯の中で足を洗い、タオルでつくった雑巾をお湯に濡らして絞ったもので、体を拭き、足も拭くことにしたのです(その様子はこちらから)。

この方法に切り替えて半年以上が経ち、黒ずんでいたはるのお腹がピンク色に戻りました。

遺伝や成長ではなく、アレルギー反応だったんだね。ごめんよ〜

Kさんには感謝感激です。

アレルギー対策といえば、昨年の夏は「フロントライン」も止めました。塗ると気になって体をあちこちになすりつけ、おそらくそれがどこからか体内に入るのでしょう、次の日から必ず下痢していました。代替策としてアロマ系の虫除けスプレーも何種類か試しましたが、やはり気にして散歩中も草むらに体をなすりつけたりするので、そのうちにやめました。それでも特に問題はなかったです(2回ほど虫に刺されたくらいです)。

食べ物の方は食餌、おやつ、ほぼアレルゲンがはっきりして、下痢をしない食べ物もはっきりしました。これまではなんだかんだで月に1−2回は下痢していましたが、今では下痢をしないで一月過ごせることもあります。フィラリアの薬を飲んだりすると下痢することがありますが、これも薬の種類を変えて、ほぼ大丈夫なものをみつけました。残された下痢の原因は、散歩のときの拾い食いと、私の晩酌につきあわされていつもよりたくさん食べてしまったときです。それでもうちに来て1年めのように、下痢がずっと続いたり、血便がでたりすることはなくなり、ほとんどの場合、次の日には治っています。

今年も健康な年になりますように。



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タイトルには"社会的学習理論"とありますが、バンデューラはほんのちょこっとでてくるだけで、あとはほぼ全編行動分析学的手法についての話です(タイムアウト、行動契約、スモースステップなどなど)。特に、行動契約については、親子で契約を結び、守って行くための細かな手続きが書かれています。ここまで細かく書いてある本は他に知りません。

それに本の構成がプログラム学習風になっていて、読んで、考えて、空欄に用語を書込んで、答えをみて....と学べるようになっています(「風」というのは、これだと無誤学習にはなりそうにないし、そのための開発手順もふんでなさそうだからです)。

1987年に翻訳書がでていて、今は絶版ですが、Amazonで古本が入手可能です。原著はロングセラー本で今でも入手可能です(Amazon.co.jpではなぜか一時的に在庫切れのようですね)。"Families: Applications of Social Learning to Family Life"というタイトルからわかるように、"Theory"は入っていませんから、翻訳タイトルを「社会的学習理論」としてしまうのは誤訳だと思います。それに本来は一般向けの本ですから、表紙や文体をもちっと工夫すればもっと売れた(読まれた)のではないかと、残念な気持ちがします。

著者の Gerald R. Patterson 先生は、元々は精神療法とかをやっていた人のようですが、1960年代に非行少年の多動や攻撃行動の対応に遊戯療法がほとんど役に立たなかった経験から行動分析学を学ばれたようです。本書では最後の章に子どもの攻撃行動について書かれています。攻撃、不服従、非行、そして犯罪につながる、望ましくない行動の発達の起源を、家庭における威圧的な行動(coercive behaviors)が負の強化によって学習されていくところに求める理論を築かれた人です(Coercive Family Process)。とはいっても、行動分析家ではなく、業績の多くは、家庭での親子のやりとりを観察し、コーディングし、こうした行動指標と、家庭環境(社会経済的状況、結婚/離婚などなど)や予後(非行による補導など)との相関関係を調べる研究です。オレゴンのソーシャル・ラーニング・センターを立ち上げ、運営してこられた研究者ですが、調べたら今はなかば引退され、カヌーとかを楽しまれているようです

反社会的行動の発達に関するオレゴンモデルを紹介した"Antisocial Behavior in Children and Adolescents" の序章には、40年間にわたる歴史がまとめられています。Skinnerの罰の考え方に対する批評や、強化の理論(随伴性の理論)が彼らの理論にどのように組み込まれているか、臨床的な、シングルケース主体の研究から、理論構築のための大規模で媒介変数(というか集約的変数)を使い、実験をするとしても無作為化した群間比較を用いるようになった経緯も書かれていて、興味深いです。

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日本ではあまり知られていないのではないかと思いますが、行動分析学から家族内の関係性や、攻撃行動・反社会的行動、非行や犯罪を研究してみたいと考えている人には、一連の著書や論文を読むことをお勧めします。

Families: Applications of Social Learning to Family Life Families: Applications of Social Learning to Family Life
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