ICTでラケット診断...のはずが、やっぱり「フォームが先」の結論なり:スウィング・ラボ体験報告

Swinglabo

 ダンロップとエプソンが共同開発したという「スウィング・ラボ(Swing Labo)」を受診(?)してきました。

 テニスラケットのグリップに測定装置(おそらくは加速度とジャイロセンサー?)をつけ、球出しマシンからでてくるボールを打ち、録画したビデオと共に、データを解析して、フォームにマッチしたラケットを選ぶサービスです。

 自前のラケットに加え、「スイング・ドクター」と呼ばれる専門家(コーチ)が、データと録画した動画をみながら試打用ラケットを変えていき、データを比較します。

 集計されるデータは、グリップとヘッドの最大速度、ラケット振り出しの角度を、フラット、スピン、サイドスピンにベクトル分解したものです。ここからスイングタイプが、フラット、スライス、ドライブ、トップスピンに分類されます(角度の連続量をカテゴリカルに分類)。

 ラケット一本につき、練習(キャリブレーション?)5打、本番5打ずつ打ちました。そのたびにラケットをノートPCに近づけ、データを読み込みます(Bluetoothによる通信のようです)。

結果は...

  • グリップ速度が速いわりに、ヘッド速度が遅く、サイドスピン量が多いことから、「ラケットの違いを手をつかって修正し、コートにいれようとしていましたね」と言い当てられました(というか、そういうふうに打つべきだと思っていたところもありました)。
  • ラケットを重めにしていくと(自前ラケットは軽めです)、テイクバックが大きめになり、角度やスイングスピードも安定してくることがデータからわかりました。以前から課題になっている前方へのフォロースルー不足も、重いラケットの方が振れているという結果が示されました。

 ノートPCで、各種データと共に、録画したフォームをスロー再生で見せてくれますが、データを見てからビデオを見ると、それはもう明らかでした。

 一応、お奨めのラケットは提案されましたが(SRIXON NEW REVO X2.0)、スイング・ドクターからは「まずはフォームを修正した方がいいですね」と言われました。ずっと前から同じ指摘をコーチからも受けているので、これはまったくその通りなのです。

 そういう意味では、ラケットの買換えを促すような営業トークもなく、とても正直に、とても親切に教えていただき、感謝しました。

 さて、いくつかの疑問点です。

  • ほとんどアップをせず、すぐに打ち出しても、素人にはなかなか、いつものようには打てません。普段通りに打った方がいいのか、試打用ラケットにあわせて打った方がよかったのか(どちらの方が正確に測定できるのか、そのくらいの違いはカバーできるくらいロバストなのか)最後までよくわからなったです。スイング・ドクターの説明は「どう打ってもわかることはわかる」でしたが、それが正確な評価なのかなぜわかるのかについての説明はありませんでした。
  • 今回は5本のラケットを継時的に試打して比較しましたが、1本あたり5球という試行数は少ないような気がしました(一打ごとのデータも見れるので分散がわかりますが、ラケットの差に比べるとけっこう大きかったです)。練習効果(ふだん機械の球出しを受けていないと、ずいぶん変な感じですね)、リラックス効果(「評価される」ことへの緊張感の減衰)、その他の剰余変数(たとえば自分はラケットエンドをかなり長く持つ方なのですが、それだと測定装置に手がかかりうまく測れないのでラケットを短く持つように教示されました。これに馴れるのにしばらくかかりました)などがあり、これで本当に妥当な分析ができるだけのデータ量が集められているのかどうかはかなり疑問でした。

 全体としては、ラケット診断よりも、フォーム改善のためのフィードバックシステムと用いれば、かなり役に立つのではないかと思われます。できれば、今より更に小型化、軽量化、耐震化し(今は、ボールを打った後にラケットをくるっと回したり、振ったりすると誤作動してしまう)、フォア/バック、ストローク/ボレー、サーブなどを自動判定できるようにして、1-2時間の練習中連続着用して、練習後や休憩中にデータを自分でみてそれをヒントに次の練習に向かうことができれば、かなり効率的な練習が可能になるのはないかと思われます。

 今後に期待します。

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