2013年2月アーカイブ

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 好例の春の特別講座の案内です。徳島の先生方が取り組んだ事例研究のポスター発表会と、今年は慶應義塾大学の松崎敦子氏(慶應義塾大学)による講演「応用行動分析に基づく早期発達支援:コミュニケーション発達に焦点を当てた支援プログラムの開発と地域への普及」が予定されています。

 日時:3月2日(土)13:30〜17:00
 会場:鳴門教育大学附属特別支援学校 体育館

 詳しくはこちらから。

 徳島といえば、googleのストリートビューがようやく対応しました。上は、春の講座の会場となる鳴門教育大学附属特別支援学校のストリートビュー。

 阿波踊りの2つの演舞場では踊りの様子も見られます(残念ながら天水連は写ってなかった)。他にも祖谷のかずら橋など、観光スポットの画像が、こちらにまとめて公開されています。

Addressbooksample

ずっと、なんとなく嫌でした。この茶色のカバー。仕方ないとあきらめていたら、これをメタルっぽく(あくまで「ぽく」むしろグレー)にするツールがみつかりました。

MacNix: Change Mac OS X 10.7 Lion iCal and Address Book Skins from Leather to Aluminium - Easy Method

これでデスクトップの違和感は最小に。

ついでにiCalとgoogleカレンダーの同期設定もやってしまいました。これは実は簡単にできるんですね。参考にしたのは以下のサイト。

Mac iCalとGoogleカレンダー™を非常に簡単に同期させる方法

さらにiCalに日本の祝日情報を追加。こんなこともやってなかったんだという感じですが、ほとんど使ってなかったからね。

Mac iCalに日本の祝祭日を自動的に登録して表示する方法

それもこれも、誕生日を覚えてくれていてお祝いメッセージをくれる人たちの誕生日を覚えておこうという、返報性的な強迫観念に追われての話。

ただ、Facebookの誕生日アプリでスパム的なフラグは立てたくないので、ここから先はできるだけ相手に気づかれないように誕生日情報を入手していくことになります。これが難易度大となりそうです。

 お知らせです。ADDSは1月の 「発達障害児のためのABA早期療育の現在」でも、半期ごとのフォーマルなアセスメント実施が際立っていました。竹島さんは私と同じWestern Michigan UniversityのMalott先生のところで学位をとられた新進気鋭の若手で、しかもずっと自閉症の療育・研究に関わってこられた人です。小田先生からは「国の制度をいかに有効に活用して」という資源活用の話がお聞きできそうで、楽しみです。

ADDS公開セミナー~自閉症支援者ネットワークをつくる~早期療育~アメリカの事例と日本の課題・展望~

【日時】
 2013年3月3日(日)14:30~18:00

【プログラム】
 14:00 受付開始

●14:30‐15:40 国の制度を使って幼児期の子どもの長所を伸ばす
<講師:小田 知宏 (NPO法人発達わんぱく会)>
日本で初めて、児童デイサービスの枠組みによる自閉症児へのABA
に基づいた療育を開始された先生です。経済的支援の不足した我
が国において、国の制度をいかに有効に活用して、お子さんに適切な
支援を提供するか、ということについて、詳しくお話しいただきます。

●15:50‐17:00 日本の療育の将来と今すぐ使えるABA-アメリカの療育現場を参考に
<講師:竹島浩司 (なごや自閉症治療教育相談室) >
アメリカにて、10年以上に渡り自閉症児への早期集中療育の研究・
臨床現場でご活躍された先生です。海外における最新の事例を
中心に、実際の映像なども織り交ぜて詳しくお話しいただきます。

●17:10‐18:00 日本における自閉症療育の展望
<講師:竹内 弓乃 (特定非営利活動法人ADDS)>
ADDSからは、保護者トレーニングプログラムの成果やアンケート結果
のご紹介と、お子様一人一人、そして保護者の方それぞれに合わせ
た支援の在り方について、お話をさせていただく予定です。

【対象】
自閉症などの発達障がいがあるお子さんの保護者の方、保育・教育・福祉・医療関係者の方、学生の方、その他自閉症などの発達障がい支援に関心をお持ちの方

【会場】
国立オリンピック記念青少年総合センター センター棟4F 集会室402
〒151-0052 東京都渋谷区代々木神園町3-1(小田急線参宮橋駅より徒歩7分)

【料金】
 一般 2000円 / ADDS会員 1500円 / 学生 1000円(要学生証提示)
託児サービス お子様お一人1000円(受入れ人数に限りがございますため、お早めにお申込み下さい)

※料金は全て、事前のお振込みとなります。

【お申し込み方法】
 下記URLより、お申し込みフォームへアクセスし、必要事項をご記入の上、送信して下さい。 http://www.adds.or.jp/?page_id=1634

【締め切り】
2013年3月1日(金)24:00

【お問い合わせ】 advanced@adds.or.jp 担当:加藤

【主催】 特定非営利活動法人ADDS

Appleのe-Bookオーサリングソフト「iBooks Author」を試してみた。

これはスゴい。iPhoneやiPadで読めるe-Bookが簡単に作成できる。やってみてないけど、iTunesストアでの販売までもサポートされるようだ。

しかも、無料。

クイズを作るツールなどもあって、手の込んだ教材も作成できそうだ。

でも、インストラクショナルデザインの考え方を使って、完全にインタラクティブで学びを保証するような教材を作り込むにはまだまだ機能不足。

やはり、web版のハイパーカードが欲しい。ハイパーカードなみに簡単にオーサリングできるソフトを使ってhtml5のコンテンツとして出力し、iTunesストアで有料/無料で公開できる仕組みができ、誰もがYoutubeに動画を投稿する感覚で教材を投稿できたら....  そのときこそ教室に配備されるiPadなどが本当に機能する準備が整うのではないだろうか。

生前、スティーブ・ジョブズがやたら熱くハイパーカードを語っていたことからも(Steve Jobs at the D: All Things Digital conference)、Appleからの彼への追悼はiPhone4sで終わらせず、ぜひともweb版ハイパーカード(iCardとかiLearnとか)まで持って行って欲しいナ。

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TBSのラジオ番組『夢★夢エンジン』の収録に行ってきました。

この番組の....

"はやぶさの帰還」が一大旋風を巻き起こし、科学がブームとなっています。
その一方で若者の理系離れがいわれる今、若い人たちに科学の面白さ、奥深さを伝えていこう..."

という主旨に賛同して出演をOKしましたが、なんだか世間話に終止してしまったような気もします。もっと研究の話をすべきだったかな(反省)。

それにしてもパーソナリティの松尾貴史さんのトーク術には感銘を受けました。さすがプロ。事前打ち合わせもなく、ディレクターさんからささっとふられるメモだけで、どんどん話をふくらませ、面白くしてもらいました。自分は笑ってばかりいた気がする... (猛省)。

朝ズバなどで時折お見かけしていた加藤シルビアさんは、経歴からしてもっとクールなお方かと思いきや、ほんわか系の優しそうな才女さんでした。席が隣り合わせだったのでお顔をよく拝見できなかったのは少し残念。

放送は2月23日(土)の深夜24時30分〜だそうですが、放送後には番組HPから音声をダウンロードできるようになるそうですので、興味がある人はどうぞです。幾分舞い上がって、変なこと喋ってます。笑ってやって下さい。ご愛嬌。

体罰の機能的分析について書こうとしたら既視感覚。検索したら「体罰」ではなく「しごき」について昔に書いた記事が見つかった。

それから、しごきや体罰を使わずともチームを勝利に導ける科学的指導法の話も、

「しごき」を「体罰」に置き換えてもほぼ同じことなのでリンク紹介するだけにします。

ただ、今回の話(高校や女子柔道)を読み聞きしていると、体罰を与える一人の指導者と体罰を受ける一人の選手という関係性以外に、たとえば部活の部員間の随伴性(「全員が一緒に「耐える」という形でネガティブなコーピングしていたり、あるいは「あいつ、静かにしてろよ」という形でプレッシャーをかけていたり」)や、代表やレギュラーへの選考がかかる形でパワハラの構造になっていたり(選手は指導方法に疑問を持っても他の指導者を選択できない)、「しごき」や「体罰」のような旧態依然とした指導が継続している背景には、集団随伴性や組織内の行動システム的変数も関与していることがわかる。

それにしても元有力選手がそれだけの理由で指導者や協会の要職について支配を続けるというのは、ほんとうに弊害だ。選手として必要な知識や技術と、指導者に必要な知識や技術はそもそも別なのだから、異なる指標で評価し、採用しないとね。サッカーではコーチや監督が資格制度になっているようだが、うまく機能しているのかな。

子ども向けスポーツは、部活ではなく地域のスポーツクラブに活動拠点が移行していけば、「しごき」を「体罰」するところには人が集まらなくなり衰退していくことも期待できそうだけど、どうなんだろ。たとえば、水泳はほぼそうなっているのではないだろうか?。ただ、これだけだと子どもの家庭の経済状況によって機会均等ではなくなるという批判も生まれそうだ。それなら、いっそ学校でのスポーツ指導は教員ではなく、外部の有資格専門家を雇うことにして、かつ、子どもや保護者からの評価によって雇用を継続するかどうか決めたらどうだろう?

もちろん、評価は無記名で。

今回告発した女子柔道選手たちの名前を公表するように言っている政治家がいるようだが、愚かである。国会議員のリコール制度があるなら1票投じるぞ。

 「発達障害児のためのABA早期療育の現在」でも会場から質問がありましたが、「どんな行動を教えるべきか」は発達臨床や教育において常に問題になるテーマです。徳島ABA研究会のスタッフの間でも、サマースクールの教材開発や事例研究の助言に取り組みながら、「この子に今何を教えるべきか」を考えて決められる力を先生方につけてもらうにはどうしたらいいか、ここ数年ずっと話し合ってきています。実際、教えるべきことさえ具体的な行動として決まれば、そしてそれが現実的な指導目標であれば、どのように教えるか考え、決めて、実行するのは、行動分析学を学んだ先生たちにとってはそれほど難しいことではありません(もちろん、簡単なことではありませんが)。教え方や記録による教え方の改善についてはここ10年の教材開発で「かなり教えられる」という実感が得られるようになりました。しかし、子どもたちに教えるべきことを見つける力の方は、先生たちには遥かに教えにくいというのが私の実感でもあります。

 学校教育の通常教育では国のカリキュラムが決められています。教科書も決まっています。何年生の何学期のどの教科で何を教えるのかはすでに決定済みです。教員が何を教えるべきか考える余地はほとんどなく、だから教員養成課程でも、子どもに教えるべきことの決め方については全くと言っていいほど教えられていません。「考える力」のような曖昧な指導目標を曖昧なままで押し付けられることはあってもです。

 ところが特別支援教育では、基本的に、何を教えるべきかはそのお子さんによって異なります(本来は障がいがないお子さんだってそれぞれ個人差がありますから、正確に言えばお子さんごとに教えるべきことも異なるはずなのですが。これはさておき)。目の前のお子さんの教育的ニーズを直接観察や各種アセスメント(発達検査や知能検査など)、保護者との話し合い、生態学的アセスメントなどから導きだしていくことで、多くの場合、限られた時間と機会で教えられる以上の教えたいことがでてくるとしても、それは一体「どれから」教えるべきかについては、直観や先生や保護者の要望によって決められているのが現実だと思います。なんとなくだけど、こっちを先に教えて欲しい、教えたい、教えた方が楽そうなどなど。

 行動分析学には"behavioral cusps"という概念があります。"cusps"とはものすごく和訳しにくい英語で、もしかしたらそのせいでこの概念が日本ではあまり流通していないのかもしれませんが、ここでは「萌芽的行動」と訳してみます。あまり妥当な訳だとは思っていません。特にTEACCHにおける“芽生え”反応とは意味が違うので注意が必要です。

 「萌芽的行動」とはその行動ができるようになることによって、それまでには経験できなかった新しい環境にふれることができるようになる行動です。新しい環境とは、新しい好子や嫌子、新しい行動随伴性、新しい刺激性制御、新しい強化共同体などですが、要するに、そうした新しい環境と接触することで、その行動の学習がその学習だけでは終わらずに、次の学習へと展開していく行動ということになります。元々は故ドン・ベアー先生によって提唱された概念です(Rosales-Ruiz & Baer, 1997)。たとえば、ハイハイをしていた赤ちゃんが立って歩くようになると(「立って歩く」が萌芽的行動の例です)、おもちゃを自分で探したり、取りに行ったり、お母さんやお父さんの後を追ったり、つまづいて転んだり、それによってより注意深く歩いたり、足下をよく見たりと、様々な学習がほぼ自動的に起こるようになっていきます。つまり、「立って歩く」という行動はそれだけに留まらずに、様々な新しい行動が形成されていくきっかけとなる、これを「萌芽的行動」と呼ぶわけです。

 Rosales-Ruiz & Baer (1997)は発達臨床の実践のためにではなく、子どもの発達を行動分析学からどのように考えるべきかについて書かれた論文です。一般的な発達心理学では、発達の「段階」として、認知的な構造をもった説明概念と共に記述されることが多い行動の時系列的なつながりを、行動随伴性を使った機能的な解釈で置き換えることを念頭においていた伏があります。この方向性はやがてSchlinger(1995)の"A Behavior Analytic View of Child Development"という本で包括的にまとめられることになります。一方で、Bosch & Fuqua (2001)は、Rosales-Ruiz & Baer (1997)のアイディアを採用し、さらに発達臨床にとって重要ないくつか別の視点も追加して、標的行動を選択するさいの基準をまとめています。それらは、1) 萌芽性(上記の萌芽的行動のこと)、2) 生成性(上記の萌芽的行動と類似していますが、新しくできるようになる行動がそれ以降に自動的にできるようになる行動の下位行動となるという制限がついてます:例;文字が読めるようなると、自動的に単語が読めるようになる可能性がある)、3) 望ましくない行動と両立しない行動である(ゆえに、新しい行動がレパートリーとなることで望ましくない行動の頻度が減る可能性がある)、4) その行動を学ぶことでどれだけたくさんの周りの人にどれだけ重要に影響するか、そして、5) 社会的妥当性の5つの視点(あるいは基準)です。

 もちろん、こうした視点や評価基準を用いても、なんたら公式の様に、指導目標の優先順位が客観的に算出されるわけではありません。Rosales-Ruiz & Baer (1997)も、何が「萌芽的行動」となるかは子ども次第、状況次第であり、事前に予測することは困難であると指摘しています。しかしながら、たとえば個別の指導計画を立案するときに、保護者と教員が相談するときに、こうした視点や基準を共有していれば、少なくとも、発達的に、あるいは子どものQOLにとってほとんど意味をもたないような指導目標を設定してしまう危険は避けられることでしょう。

 何が「萌芽的行動」となるかは子どもによって異なる可能性がありますが、Hixson (2004)は比較的共通して「萌芽的行動」となりうる行動クラスを機能的に分類してまとめています。

 このあたりの研究はあまり進んでいません。Baer先生やSchlinger先生が狙っていた「段階」理論の行動分析学的解釈も、随伴性が萌芽的行動やその後の自動的な学習の展開を制御しているかどうかを実験的に解明しないと机上の理論でしかなくなってしまい(その意味では一般的な発達心理学の理論と変わりないことになってしまう)、しかしそうした実験が倫理上、実施できないという縛りがあるというのが現実です。それでも発達臨床において大規模な介入研究が進めば、あるいは世界中の介入データをビッグデータ解析のような手法を使って分析すれば、知的障害や発達障害がある、どのような子どもたちにどのような行動を教えれば、それが萌芽的行動として機能するようになるか予測できるような研究が今後でてくる可能性はあると思います。

引用文献

Bosch, S., & Fuqua, R. W. (2001). Behavioral cusps: A model for selecting target behaviors. Journal of Applied Behavior Analysis, 34, 123-125.

Rosales-Ruiz, J., & Baer, D. M. (1997). Behavioral cusps: A developmental and pragmatic concept for behavior analysis. Journal of Applied Behavior Analysis, 30, 533-544.

Hixson, M. D. (2004). Behavioral cusps, basic behavioral repertoires, and cumulative-hierarchical learning. The Psychological Record, 54(3), 387-403.

Schlinger, H. r. (1995). A behavior analytic view of child development. New York, NY US: Plenum Press.

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