旅は修行だ(その9):ネットの口コミはあてにならない

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(朝なのに夕方みたいなマドリードの朝)

 マドリードで泊まったホテル(レヘンテ, Regente)は酷かった。ロケーションが抜群の割に低価格なので、もしやと案じていたのだが、悪い予感が的中した。

 まず、なんとエレベータが工事中で、重いスーツケースを階段で担ぎ上げさせられる。ベルボーイがいるわけではないので自力。しかも、このエレベータ工事、夜を徹して行われていて、客室までドリルの音が鳴り響く。早朝5時くらいに怒号が飛び交うのが聞こえていたのは、我慢しかねた客が文句を言っていたのに違いない(それでも次の日も、相も変わらず工事は続いていたけれど)。二日めにはロビーの自動ドアが開かなくなっていて、もうそのときには笑うしかなかったな。

 最近「食べログ」のやらせ問題が発覚したが、ネットの口コミ情報は扱いが難しい。このホテルの口コミも事前に読んではいたのだが、口コミというものには必ずと言っていいほど、ポジとネガの両方があり、どちらを信じるべきか判断できない。やらせとは限らないが、「褒めるところも見つけて書いておこう」と余計な気を回す人もいるような気がする。このホテルのスタッフの愛想の悪さは書込まれていて、これはその通りだった。スタッフの中にロシア人ふうの男性がいて、にこりともしないがすべきことはしてくれるというような書込みもあったが、これもその通りだった。でもそれは気持ちのいいサービスではなかった。後から再度読むと、なるほどそういうことかと理解できることもあるわけだが、それでは役に立たないよね。

 このホテルのセーフ(クローゼットの中にある金庫)にも修行させてもらった。暗証番号をセットしようとキーを押すが、ぴくりともしない。液晶は真っ暗のまま。どこぞにスイッチでもあるのかとまさぐるが見つからない。5分くらい格闘した後、きっと故障に違いないとフロントに降りて行き、ロシア人ふう支配人(ということにしておく)に半分クレームのように質問すると、何やら木の棒のようなもの(長さ5cm、5mm径くらい)と紙切れを差し出してくる。そして一言「deposite(スペイン語風に)」。どうやら、セーフのどこかにその木の棒を差し込むと使えるようになり、木の棒のデポジットを支払う必要があるらしい。なんて面倒なことをさせるのか!なんて憤慨する暇もなく、「へ〜 なるほど。勉強になりました。ありがとう」なんて顔をしてしまう。

 このホテルでもネットは使えたが、やはり遅い。街の広告から推測するに、主流はいまだにADSLのようである。無線LANのアクセスポイントも少ないようだ。唯一、スタバでは客に無料でログインIDとパスワードを提供していたが、利用客は少ないらしく、リクエストすると店員さんたちがてんやわんやしてました。

 マドリードでは山岳ガイドを雇って郊外の山(Sierra de Guadarrama)をハイクする予定だったが、天候不順のため(雪、雨)中止にせざるをえないという連絡があった。これで今回の旅の山登りはすべて中止。スーツケースの中身の半分を占める山岳装備はすべて無駄になった。重い荷物を地球の裏側までただただ運んで持ち帰るだけ。まさに修行。

 せっかくなので、山岳ガイドのGabrielに相談し、マドリード市内のインドアクライミングジム(King Kong Climbing Gym)に連れて行ってもらうことにした。行き帰りの車中やクライミング中に、スペインのこと、山のこと、EUの経済危機のこと、お酒のことなど、四方山話がはずむ。Gabrielのお姉さんは大学で行動療法を教えているそうな。奇遇ですね。

 明日はNYから飛んでくるJanetと合流して、国際行動分析学会が開催されるグラダナまで列車の旅となる。修行の一人旅はここまでなり。

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