記憶の記憶:用語について訂正します。

 学生が「新近性」と「親近性」を混同していて、どうやらその原因は私にあるようだと、藤田先生が教えてくれました。

 「新近性」とは系列位置効果の末尾の部分、時間的に最近提示された刺激を想起しやすいという“recency effect”に使われる用語です。系列の最初の方を思い出しやすい「初頭効果」(“primacy effect”)と対比される概念です。

 一方、「親近性」は刺激にどのくらい馴染みがあるか(“familiarity”)について測定したり、評価したりするときに用いられる用語です。

 学生さんたちは私が担当している、主に1年次対象の実験実習で、“recency effect”=「親近性」であると学んでしまったらしいのです。

 おかしいな、そもそも系列位置効果の実験はもうやってないしな。もしかしたら“デジャブ”(既視感)の実験のときに、意味が似ていて、よく見る言葉として“親近性”を、刺激提示の順番の効果の説明に“新近性”を使ってしまい、混乱させたのかな、なんて想起していましたが、まったくの記憶違いだったようです。

 ティーチングアシスタントのKさんの目撃証言によると、レポートに「親近性」とあったのを「新近性」と訂正しようとしたら、学生から「親近性」と参考書に書いてあったと言われ、そういうことならそういうふうに使う人もいるんですねと認めたとのこと。実際、その学生さんたちのレポートはよく書けていて、授業では解説しなかったrecency effectを英単語でも書いてあったので、そのときは単純に「えらい!よく調べたね」とポジティブに受け取ってしまったようです。

 Kさんもなんとなくそう覚えていますということで確かではないのですが、そういう展開ならいかにもありそうです。

 記憶の専門家の藤田先生によると、“recency effect”を「親近性」効果とするのは明らかな間違いだそうですから、この機会にお詫びして訂正します。

 混乱させてごめんなさい。

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