2010年3月アーカイブ

日経新聞のスポーツ欄に「アスリートは強いのか?心のケアはどこに」という記事がシリーズで連載されている。

先日のフィギュア世界選手権におけるキム・ヨナ選手のように、あるいはテニスの試合ではめちゃくちゃ緊張して、時にラケットの持ち方さえ忘れてしまう私のように(併記するのも失礼な話だけども)、スポーツのパフォーマンスに選手の心理が及ぼす影響は計り知れない。

3/30の記事では、アスリートは精神も強靭であるという強い思い込みによる弊害が取り上げられてた。

うつ病やパニック障害や燃え尽き症候群など、心の病にかかったことのある(公表されている)アスリートの実名も示され、我が国におけるアスリート性善説ならぬ“性強説”の蔓延について、4月から法政心理に着任される、荒井弘和先生がコメントされている。

確かに、なんとなくだが、よく運動をしている人は心の病にかかりにくいような気もする。でも、そのようなエビデンスが果たしてあるのかどうかはわからない。

それに「選手」として周囲の期待が大きくなり、マスコミでも取り上げられるようになると、心的負荷はさらに過大になるだろうし、心の病のきっかけを見逃したり、無視しようとしたり、隠そうとしたりして、悪化させてしまうケースもあるだろう。

このあたり、荒井先生が赴任されたらぜひ聞いてみよう。

春もうらら、と言えるほどまで暖かくなりませんね、なかなか。

それでも大学周辺の桜は咲き出してます。今週末の入学式までには満開を迎えることでしょう。

さて今回は連載記事「ケーゾクはチカラ!」の番外編として、今年度、ゼミ生の一人が卒論で取り組んだダイエットに関する行動契約の研究成果をご紹介します。

「行動契約」とはすべき行動を取り決めてそれができたときの強化(好子の獲得)や弱化(好子の剥奪や嫌子の提示)の随伴性を契約する行動マネジメントの方法です。

今回は目標がダイエットでしたので、「野菜を食べる」「ジョギング30分」「水を1L飲む」「風呂上がりにストレッチ」「腹八分目にする」などの行動リストを参加者ごとに作成し、毎日の遂行数に目標を設定しました。

行動契約では目標を達成しなかったらiPodまたは携帯電話を没収というペナルティの随伴性を使いました。もちろん《モドキ》の随伴性です(たとえば、野菜を食べることでiPodが没収されないという好子消失阻止による強化モドキの随伴性)。

参加者3人のうち、参加者1はKzokuを使って記録をして行動契約を実施しました。参加者2はKzokuは使わずに実験者とのメールなどによるやりとりで行動契約を実施しました。参加者3はKzokuを使いましたが、行動契約は実施しませんでした。

その結果、行動契約を導入した参加者2人ですべき行動の遂行数が増加し、体重も減少しました。行動契約を導入しなかった参加者においてはそのような変化が見られませんでした。

Kzokucounseling


セルフマネジメントの成否に及ぼす要因には大きな個人差があります。メモに体重を記録するだけでうまくいく人もいれば、Kzokuを使って体重や「やること」を毎日記録しても、それだけではうまくいかない人もいるでしょう。

このため成功のためには個人差に応じた段階的な介入を用意することが必要になります。

今回の研究成果は、Kzokuを使って記録するだけでは十分な効果が得られない人も、カウンセリング的な支援を個別に受けることでダイエットを成功させられる可能性を示しています。カウンセラーとのやりとりはメールなどでも可能ですが、Kzokuを使うことで、カウンセラーにとっては記録をみながら個人差に応じた支援をすることが容易になるというメリットがあります(たとえば、その人がどのような「やること」なら遂行しやすく、どのような「やること」は苦手なのかなどを理解しながらアドバイスできる)。

スポーツジムなどでも利用者ごとにメニューを作成して運動や食生活についても相談できるパーソナルトレーナーに対するニーズが増えているようです。そうした健康支援サービスの基幹システムとしてKzokuをとらえると面白いビジネスチャンスになりそうです。

嵐のような一日の後、日没寸前、大島の海岸から見えた富士山。

Mtfuji201003real


でも、実際に目に見えていたのはこんな感じ(レタッチのスキルがないから雑な仕事ですみません)。

Mtfuji201003perception

景色に感動して撮ったのに、写真を見ると実物とは全然違っていてガッくりしたことありませんか。

人間の知覚システムってものすごく巧妙にできているわけです。

さあ春の休暇も今日で終了。明日は卒業式で、仕事に復帰です。

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