2009年6月アーカイブ

 今週も再びジャンプがありました。昼にマック(ダブルクォーターパウンダーセット+ベーコンレタスバーガー単品)、夜にラーメン+餃子+サービスのライスを食べた成果です。

Kzoku20090626

 一日三食、毎日30日間、マックを食べ続ける社会派ドキュメンタリー風コメディ映画がありましたが、やはりマックの効果は絶大です。わかっていても、時々、無性に食べたくなるんですよね(ふだんは圧倒的にモスファンなんですけど)。

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 ラーメン屋さんのサービスライスも同じで、「ライスいかがっすか?」と威勢よく声をかけられると、ここで断ったら男がスタるような気がして、それほどお腹が空いていないときでも「はい、お願いします」って頼んでしまいます。ラーメン屋さんにNOと言えない私です。

 それでも週の後半は持ち直してきました。ただし、今日はこれから飲みに出かけますから体重増加は間違いなし。明日は仕事を休めそうなので、そのぶん精一杯運動することにします。

 さて、今日の話はトヨタ式なぜなぜ5回法です。ダイエットのコツというシリーズなのに、なんで toyota? プリウスでエコだから?と気が急くのもわかりますが、しばしご辛抱を。

 トヨタでは何か解決すべき問題が生じると「なぜ?」を5回繰り返して考えるそうです。たとえば、工場の生産ラインでどうしても不良品が減らない。「なぜ?」と調べてみたら、機械の一部に狂いが生じているのがわかった。それを直せば不良品は減った。ふつうならこれで一件落着なのに、ここでさらに「なぜ?」を繰り返す。つまり「なぜ、機械の一部に狂いが生じたのか?」と考える。調べてみると、その機械の定期メンテナンスはついこの間に行われたばかりでそのときには異常は発見されていなかった。そこでまた「なぜ?」を繰り返す。すると、定期メンテナンスの項目に狂いが生じた箇所のチェックが含まれていなかったことがわかる。当然、チェック項目を追加する。そしてそれでも「なぜ?」を止めずにさらに問う。「なぜ、今まで項目の漏れが問題になっていなかったのか?」と。すると、過去にも同じような問題があったのに、チェック項目が改訂されなていなかったことがわかる。そこで、さらに「なぜ?」と問う。すると、定期メンテのチェック項目を改訂することに責任をもつ担当者が配置されていないことがわかる。このラインだけではなく、別のラインでもそうだった。そこで、定期メンテの記録と品質管理のデータをつきあわせ、定期メンテで検査する項目を定期的に改訂するグループを作ったら、複数のラインで不良品が減少した。と、まぁ、こんな感じです(注1)

 最初に"問題"として浮かび上がってくる現象は、本当は氷山の一角でしかなく、「なぜ?」を繰り返していくことで"真"の問題とその原因が見えてきます。"真"の問題を解決しないと、モグラたたきのように問題は生まれ続けます。逆に、"真"の問題を解決してしまえば、その他の多くの問題も消失したり、未然に防ぐことができます。このあたりになぜなぜ5回法の醍醐味がありそうです。

 行動分析学を使って問題解決するパフォーマンス・マネジメントでも実は同じようなことをします。解決すべき問題や達成すべき目標を定めるときに、なぜそれが解決すべき問題なのか、なぜそれを達成したいのか、をとことん突き止めていくのです。

 たとえば、ダイエットの場合(ようやく話がダイエットに戻りました)、目標はたいてい体重や体脂肪率のコントロール(多くの場合は「減らすこと」)ですが、なぜ体重を減らしたいのでしょうか? 医者や家族に「メタボ」と注意されたからですか? 太っているとかっこわるいからですか? 彼氏や彼女が欲しい(モテたい)からですか?

 健康改善が"真"の目的なら、体重を減らすだけではなく、もしかしたらそれよりも、栄養バランスのいい食事を規則的に摂ったり、睡眠時間を十分に確保したり、仕事のストレスを減らしたり、ストレスを解消する遊びを増やしたりすることの方が重要で、かつ、有効かもしれません。そういう生活が送れるようになれば、体重も自然に減少することでしょう。

 モテることが"真"の目的なら、体重を減らすことよりも、出会いの機会を増やしたり(趣味のサークルに参加したり、学生時代の友達との旧交を温めるとか)、会話がはずむように相手の興味を惹きそうなことを学んだり、笑顔の練習をしたり、はたまたそのままの自分を受け入れてくれる人を探したり(mixiなどネットでの出会いが可能になった現在、ロングテール理論は男女関係にも適用されます)、他のさまざまな解決策が考えられます。

 なぜなぜ5回法をダイエットにも活用することで、ダイエットが成功したのにやせ過ぎて病気がちになったとか、頑張って痩せたのに相変わらず一人寂しい生活をするといった、本末転倒の結末を避けることができるようになります。

 それに、"真"の目的がはっきりしてくると、ダイエットのための「やること」にもハリがでてきます。今日バイクを30分こぐことで、三十年後、病院のベッドで寝たきりになる時間を3日間短くできるかもしれません。今このサービスライスに「NO」と言うことで、半年後、深津絵里さんのような女性(注2)と知り合えるかもしれません。

 行動分析学的ダイエットの"コツ"、第四弾はこれ。

行動分析学的ダイエットの"コツ" ○なんのためのダイエットなのか、なぜなぜ5回法を使って自分に問いかけ続けましょう。

○"真"の目的が見えてきたら、そのためにはダイエットするのがベストなのか、それとも他にもっとすべきことがないかどうか見直しましょう。

○それでもダイエットすることになれば、ダイエットのための「やること」と"真"の目的とを結びつけて、日々のダイエットにハリを持たせることに使いましょう。

 私の場合、ダイエットの目的はというと、テニスで体が動くようになったり、腕や腰の故障が少なくなったり、クライミングで今は登れないルートが登れるようになることなんです。そうなった方がモテそうだな(かっこ良く思われそうだな)ということもありますが、どちらかというと負けず嫌いで、試合に負けるのが嫌だったり、誰か他の人が登れちゃったルートが登れないのが悔しかったりすることの方が強いみたいです。

 ということは、実は単純にダイエットするよりも、テニスをする時間を増やしたり、試合で勝てる機会を増やしたり(そもそも試合に出る回数を増やし、さらに自分のレベルにあった試合にでること)、クライミングの練習の回数を増やすことが"真"の目的の達成のためには重要そうです。そして、こうした目標が達成できれば、自然と、体重や体脂肪率は適正レベルまでコントロールされるはずです。

 次週はなぜなぜ5回法を適用して自分のダイエットを改訂してみます。

〈第5弾へ続く〉

(注1)なぜなぜ5回法に限らず、トヨタのマネジメント技術については多くの本が出版されています(たとえば、若松義人氏の『トヨタの上司は現場で何を伝えているか』(PHP新書)など)。定期メンテの例はそうした図書を参考に私が創作した喩え話です。

(注2)好きなんですよねぇ。『若者のすべて』の頃から。

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日本行動分析学会の年次大会が近づいてきました。

今年は例年より少し早く、7月10日(金)-12日(日)に、筑波大学で開催されます。大会のwebサイトはこちらから。

初めてTXつくばエクスプレスに乗ることになりそうです(ちょっと楽しみです)。

行動分析学会の年次大会では昨年度から『教育セッション』という名称の研修会を開催しています。教員やカウンセラー向けの実践的な研修です。学校心理士の資格更新のためのポイント制度の対象にもなっています。

今年のプログラムは以下の通り。

日時:7月12日(日)
会場:筑波大学 大学会館・特別会議室(予定)

9:30-10:30 「インクルージョンを通常学級で進めるために、応用行動分析は何ができるのか?」 講師 加藤哲文 先生(上越教育大学教授)

11:00-12:00 「教師の保護者連携とその支援−不登校問題を中心として−」 講師  小野昌彦 先生(宮崎大学教授 )

13:30-14:30 「発達障害のある不登校児童生徒への支援−支援事例を中心に−」  講師 井上雅彦 先生(鳥取大学教授)

行動分析学会の会員ではない方も参加できますので、ふだんは少し敷居が高いなと思ってらっしゃる先生方もぜひご参加下さい。

当日参加も可能ですが、定員もありますので、事前に参加申込されることをお勧めします。

教育セッションの案内はこちらから。

 まずは今週のマイダイエット報告から。

Kzokudata20090619

 Kzokuのグラフを見ていただくとわかるように、今週も順調に体重が減りました。一カ所グラフがジャンプしているところは、日曜日に開催された学会の懇親会で学生にそそのかされ、柿の種をたらふく食べてしまい、その後、テニスを3時間する予定が雨で1時間しかできなかったのに、さらに調子にのってファミレスで2,600円ぶんも食事をしてしまったためのリバウンドです(フ〜)。でも、その後は順調。1週間に1度の暴走なら、どうやらすぐに元に戻るようです。

 今のところ、やっていることは、毎日の体重と体脂肪率の測定と「やること」の記録だけです。カロリーを計算したり、絶食したり、食事制限したり、サプリを飲んだりはしていません。

 もちろん、自分のダイエットをこうやってプロジェクト化し、ブログで公開し、大学の授業でも学生に紹介していますから、自分ひとりで取り組んでいる状況とはずいぶん違います(法政大学の「行動分析学」という授業では受講生全員がそれぞれセルフマネジメントのプロジェクトに挑んでいます。学生さんにやらせるだけでは説得力がないので、私も何かしらのプロジェクトに一緒に取り組むようにしているんです)。

 自分ひとりで記録しているだけなら「やること」ができなくても、体重が減ったり増えたりしても、それを知ることができるのは自分だけです。でも、こうやって、自分の行動の記録をネット上の不特定多数、そして授業を受講している特定40人くらいの学生たちに公開すると、「やること」ができなかったり、体重が減らなかったときにも隠しようがありません。うまくいかないと"恥ずかしい"と思うような状況を作り出しているわけです。うまくいったときに"どうだ、すごいだろ!"と人からの賞賛を呼び寄せる仕組みであるとも言えますが、個人的には恥ずかしさの回避の方が大きいような気がします。

 自分で自分の行動記録をみることがどのくらい自分の行動に影響するか、行動記録を他の人に公開することがどのくらい自分の行動に影響するかには大きな個人差があります。自分で「やろう」と思い立ったことができないときにどのくらい"残念"に思うか(そんな状況を避けようとしてやるべきことをやれるか)、できたことを他の人から承認してもらえることがどれだけ"嬉しく"感じるか(そのために頑張れるか)は、生まれてこのかたどのような発達・学習をしてきたかによって、それからもしかしたらある程度は遺伝的にも、決まってきます。

 大事なのは、こうした個人差は「できないときにはもっと恥ずかしく思わなくては」と"反省"することで変わるものでないということです。"気持ちの持ちよう"で変わることでもありません。だから、逆に言えば、できないからといって自分を責める必要はありません。いくら責めても変わらないからです。

 目標が達成できなかったり問題が解決できないときに、それを人の能力や性格のせいにして他に解決のためのアクションをとらなくなってしまうことを《個人攻撃の罠》と呼んでいます。ダイエットがうまくいかないと「自分はだめなんだ」と"自己嫌悪"に陥ってあきらめたり、逆に過食してしまう人もいます。これも個人攻撃の罠の一つです。

 罠にはまったら(普通の人なら必ずハマります)、まず罠にはまったことを認識すること、そしてハマりながらも、同時に、能力や性格以外の要因を見つけていくことができれば、罠から抜け出すチャンスが見えてきます。

 行動分析学では行動の原因を (1) 遺伝、(2) これまでの発達や学習、(3) 現在の状況の3つの要因に分けて分析します。「能力」や「性格」と言われる特性は最初の2つによって形成されます。ここには気持ちの持ちようや少々の工夫で変わる余地はほとんどありません。何しろ遺伝は何十・何百世代前からの学習、過去の発達や学習も年齢ぶんの(45歳の私なら45年ぶんの)"実績"がありますから、そうそう簡単に覆せるものではないのです。「三つ子の魂百まで」という格言も、少し大げさだけど、部分的には真実なんです。

 ダイエットの記録を公開することによる"恥ずかしさ"や"誇らしさ"の強弱はまさにこうした不可侵領域にある特性の一つです。だから、"恥ずかしさ"が弱いことに自己嫌悪しても仕方ありません。できることは、自分で自分の特性に気づくことと、その特性をできるだけ活用することです。

 行動分析学的ダイエットの"コツ"第一弾では「記録から自分の傾向を知りましょう」と書きました。自分の行動を記録しながら、さまざまな工夫をして、成功と失敗を繰り返すことで、自分の行動を継続するために有効な要因とそうでもない要因が見えてきます。たとえば、Kzokuで記録をつけるだけでは不十分でも、Kzokuのダイエット日記にコメントを書込んでもらうように友達にサポートを頼んだらうまくいくのなら、あなたは不特性多数の人より、特定の友達にどのように思われるかの方が有効な要因だと言えます。友達の目があってもうまくいかないけど、自分で自分にご褒美を用意することで(たとえば、目標体重に達したら新しいiMacを買うことにするなど)、うまくいくなら、あなたには人の目よりも欲しいモノの方が有効ということになります。何が有効なのかは人それぞれ違います。私の場合は(どうやら自分で思っているよりも)人の目を気にするようです。

 自分の特性がわかってくると、どうすれば自分の行動を継続できるかも見えてきます。「三つ子の魂百まで」が部分的にしか真実ではないのは、自分の特性を知り、行動の法則にそれをあてはめて、上記の最後の砦である「(3) 現在の状況」を工夫すれば、《行動は変わる》からです。

 行動分析学的ダイエットの"コツ"、第三弾はこれ。

行動分析学的ダイエットの"コツ" ○体重や行動の記録を他の人に公開することで、うまくいったときの誇らしさやうまくいかないときの恥ずかしさを自分の行動継続に利用しましょう。

○ただし"誇らしさ"や"恥ずかしさ"がどのくらい有効かは人によって異なります。だから、継続に取り組みながら自分の特性を見つけて、それを活用しましょう。

 行動分析学的ダイエットの楽しさの一つには、ダイエットをしながら、自分でも気づかなかった自分に出会っていくことかもしれませんね。 

 そうそう。今週はKzokuからこんなメッセージが。

 こういうサプライズで継続を強化する試みも仕組んであるんです。

120kaikzoku

 

〈第4弾へ続く〉

これはすごい。小林先生と奥田先生のユニットというのも想像を絶するが(注)、内容に抱腹絶倒。

療育に関する54の問いに二人の臨床家がそれぞれわかりやすく、親御さんにとってはおそらくすぐに「やってみたい!」と思うであろうテクニックを紹介するという形式の本。

たとえば「Q36:洋服にこだわりがあって困ってます」という問いに対し(自閉症のお子さんではよくあることですよね)、小林先生は「うっかり法で慣れさせましょう」、奥田先生は「どさくさにまぎれて法で着せてみましょう」と答える(詳しい方法を知りたい人は本を買って読んで下さい)。

何がすごいかっていうと、臨床の職人技(もしくは芸)と行動分析学のサイエンスの境界線をいったりきたりする本であるということ。

行動分析学は発達臨床に役に立つテクノロジーを確実に開発してきたけれど、それだけだとプロの臨床の仕事はできない。自分は臨床家じゃないんで、かつ、たくさんの臨床家の人たちを観察する機会に恵まれてきたので、そのへんよくわかっているつもり。この本にはそのプラスαの一部分がもったいぶらずに公開されてます。

発達障害を持ったお子さんに関わる人、必読。



 
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(注)編集担当の人は苦労されたのではないかという邪推です。

冨安ステファニー先生から下記の訃報をいただきました。許可をいただきましたので転載します。

Bijou

(追記:Ed Morris先生から冨安先生経由でプレスリリースが送られてきましたので、ここに掲載します)

ビジュー先生は子どもの発達を行動分析学から研究したパイオニアです。キャンピングカーのような移動式実験室を使ってアクティブにデータ収集されいたというお話をお聞きしたことがあります(このホームページにその写真を見つけました)。

代表的なご著書である Behavior Analysis of Child Development は日本語訳もでています。子どもの典型的な発達を行動分析学から解釈したり、実験的に分析する一方で、子育て支援や発達障害を持った子どもと保護者のための支援プログラムを開発するなど、実験的・応用的・理論的に幅広く活躍された先生です。

ビジュー先生とはニューヨークのカンファレンスでご一緒させていただき、奥様と伴にランチをさせていただいたことがあります。

とても物静かで優しい笑顔が印象的で、どちらかというと奥様が主に話をされ、ビジュー先生は微笑んだり、うなずいたり、時折コメントされていました。

奥様が「最近の学生さんは先生もすぐにファーストネームで呼ぶようになるけど、私はDr. Bijouと呼ぶべきだと思う」と強く主張されていたのと(その瞬間からBijou先生に何と呼びかけていいか困りました)、日本でポーテージプログラムがどのように展開されているかを気にされていたのを覚えています。

猫がお好きだったんですね。

ご冥福をお祈りいたします。

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日経新聞の連載『やさしい経済学』が面白い。

しばらく前までは大阪大学の池田新介先生が時間割引について解説していた。

マクロ経済学の専門家だそうだが、8回の連載中なんと3回ぶんの記事で実験的行動分析学の研究を引用されていた。

それも、ハーンスタイン、エインズリー、マツール(メイザー(Mazur)先生のことあるね)の、ハトを被験体にしたマッチング法則やセルフコントロールの実験である。

限られた紙面への掲載なので引用元の情報がないが、おそらくいずれも Journal of the Experimental Behavior Analysis に掲載された研究論文だと思われる。

80年代終盤にヒットした法廷ドラマ L.A. Law (注) のエピソードの一つで、政府が無駄に出費している研究の例として、成人男性が一日にトイレのふたを開け閉めする回数を調べる研究とハトのセルフコントロールの実験がやり玉にあげられていた(ように記憶している)。

それが今ではノーベル賞を受賞するくらい社会的に認知された“行動経済学”の専門家がハトの実験を引用するのだから、基礎研究というものは将来どう化けるわからないものである。たとえそのときに重要性がわからなくても、やはり投資は続けるべきだ。

『やさしい経済学』では、池田先生の連載が終わった後、しばらくして、今は大阪大学の田中沙織先生が「神経経済学で脳に迫る」という題目で継続している。田中先生の記事では、行動分析学から発展した“強化学習”の理論が神経経済学でいかに援用されているかが紹介されている。

実はこのところ“教育経済学”の本を何冊か読んだのだが、その分析はまるで行動分析学的で驚いた。ものすごいパラレルワールドなのである。

学会間の連携は今のところないが、共同シンポジウムなんかを企画してみてもいいかもしれない。

(注)留学中によく再放送していて死ぬほど観たドラマ。スーザン・デイ演じるグレース・ヴァン・オーウェンが大好きだった(ホレぼれ)。

 今週から体重と体脂肪率と行動の記録をKzokuを使って再開しました。Kzokuでは「やること」をチェックリスト形式で登録し、こんなふうに毎日記録していきます。

Kzokutodolist20090612

 「やること」は自分で決めてもいいし、"プランNavi"を使って専門家が提供しているコースから選ぶことも可能です。「メタボ改善プラン」とか「モデル体型じっくりコース 」とか、50以上の様々なプランが用意されています。

 「やること」を記録していくと、やろうと思ったことがどれくらいできたかが表示されます。体重・体脂肪率とは別の棒グラフに。Kzokuではこれを"ヤッターモニター"と呼んでいます。いわゆる"視える化"の技術です。

Kzokuyattarmonitor20090612

 ダイエットの継続は、体重や体脂肪率が目に見えて減らないときが一番難しくなります。そんなときでも行動を記録してヤッターモニターで確認すれば継続しやすくなります。ダイエットのように、行動を継続していけば累積的な成果がでるのに1回の行動(たとえば腹筋を20回するとか、駅の階段を一気に駆け上がるなど)では目に見える成果がでない状況を"塵も積もれば山となる"型と呼んでいます。こうした状況では、その成果の重要性を頭では理解していても、そのための行動は継続されにくいことが行動分析学の研究からわかっています。

 わかっちゃいるのに続かないという問題があれば、その背景に"塵も積もれば山となる"状況があるとみて、ほぼ間違いないことでしょう。

 "塵も積もれば山となる"状況を打破する方法の一つが行動の記録を視える化すること、そして1回の行動によって記録が確実に変化するように記録の仕方を工夫することなんです。

 岡田斗司夫氏の『いつまでもデブと思うなよ』で話題になった"レコーディングダイエット"などは、このコツを活用している一例と言えるかもしれません。

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 ただし、継続するためには何がなんでも記録すればいいというわけではありません。記録することによって、行動が目に視える成果を生みだすように仕組むところが肝心です。

 そして、これはダイエットだけではなくて、会社で目標を達成するための努力をしたり、志望校合格のために勉強したり、CO2削減のために節電したり、幸せな家庭を築くために夫婦間で相手を思いやったりすることにも応用できる行動分析学のコツの一つです。

行動分析学的ダイエットの"コツ"、第二弾はこれ。

行動分析学的ダイエットの"コツ" ○ダイエットにむけて何か望ましい行動をしたら、それが目で見てわかる方法で記録を取りましょう。

 最近話題のインサイトやプリウスなどのハイブリッドカーにはエコ運転を促進するための行動支援システムがついています。ゆっくり発進したり、加速していれば「エコ」のライトが点灯しますが、急にアクセルを踏み込めばたちまちレッドカードを突きつけられます。エコ運転のフィードバックがなければ、急発進や急加速の結果は"塵も積もれば山となる"状況で燃費の悪化につながります。だからこうした行動はなかなか減らせないのです。ところが1回の急発進や急加速に、目に視える形で燃費の悪化やCO2の増加をフィードバックすることで行動は変わります。

 さて、私のKzokuプロジェクトです。今週はまずは記録をとることに専念しました。行動分析学では、問題を解決する前に現状を把握することを重視します。そして、そのために解決策を導入する前に記録を継続してとって分析します。これを"ベースライン"と呼びます。

Kzokuperformancemonitor20090612

 上のグラフからわかるように、この5日間、体重は減少傾向にあります。このプロジェクトを始めて、記録をつけ始めたことで、夕食後、寝るまでの間に食べていた間食が減りました。ところがこの成果に油断して、昨晩は23時過ぎにビール3本飲みながら、カラムーチョ、いかなんこつ、亀田の柿の種をたいらげました。さっそくのリバウンドです。今晩、体重計に乗るときにそれがわかるはずです。

 次週も引き続きベースラインを取り、現状分析をして、ご報告します。 

〈第2弾へ続く〉

 2年前から共同研究を進めてきたキー・プランニング社のダイエット支援サイトKzokuがあのlivedoorからも利用できるようになりました。

Livedoordiet

 過去1年間にわたる体重・体脂肪率のグラフがPCから見れたり、携帯からもグラフ表示やメッセージ受信、コメントの読み書きなど、PCとほぼ同等の操作が可能になるプレミアム機能の提供も始まりました(有料)。

 365日のグラフ見たさに、自分はさっそくプレミアム登録しちゃいました。

Kazoku200901

 今回はこうした正式サービスのスタートを記念した(不)連続シリーズで《行動分析学的ダイエットの"コツ"》をお届けします。(不)が取れるかどうかは、毎週〆切を守ってブログを更新できるかどうかにかかってます。ダイエットではありませんが、これもKzokuですね(Kzokuはケーゾク、継続のことです)。行動分析学が机上の空論ではないことを身をもってお伝えできればいいのですが...

 さて、上のグラフです。

 去年は真夏の一番暑い時期に炎天下でテニスをして、熱中症になりかけたんです(死ぬかと思った)。その後ずっと運動を控え、家でクーラーをがんがんにかけながらピザやスルメいかを食べていたことで激太りしました。

 そこで8月の終わりからKzokuを使ってダイエットを始めました。上のグラフからは、およそ3ヶ月かけて3kgほど落としたことがわかります(黄色い折れ線)。家庭で体脂肪率を正確に測定するのは誤差が大きくて難しいものですが、それでも長期的にみれば体重の低下に伴って下がっていったことがわかります(緑の折れ線)。

 今年は3月の終わりからダイエットを開始しました。自分の場合、いわゆる"正月太り"が2-3月くらいにあらわになります。腹回りがたるんできて、ズボンがきつくなり、テニスでも動きが鈍くなってきます。桜の開花宣言が西から次第にやってくるようにだんだんと、でも確実に。

 そのうち、いよいよ「これはヤバい」と思うようになります。これが連休前あたりです。夏までになんとかしようと思い、ダイエットを始めます。この季節周期は、もっと昔のデータも表示できれば、たぶん一目瞭然でしょうね(K社長、これまでのすべてのデータを表示する「ライフスパン」機能を追加して下さいよぉと、何気にリクエスト)。今年は1ヶ月でおよそ1kg落とした後、まさかの新型インフルエンザか?と案じた風邪をひいてしまい、ダイエットを中断し、今日に至ってます。

 せっかくなんで、この機会に再開するぞ〜

 行動分析学的ダイエットの"コツ"、第一弾はこれ。

行動分析学的ダイエットの"コツ" ○記録を取りましょう。
○記録を残しておきましょう。
○記録から自分の傾向を知りましょう。

 ダイエットに取り組む「オン」の時期と、ダイエットをしない「オフ」の時期があってもいいですから、ケーゾクし損ねても、また始めましょう。

 どういうときにダイエットできて、どういうときにダイエットできないか。ケーゾクし損ねたときの記録から自分を知ることが、のちのちプラスになってきます。

〈第2弾へ続く〉

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