2009年4月アーカイブ

ちょっと恥ずかしいけどカミングアウト。

さっそく申請した定額給付金だが、書類不備で戻ってきてしまった。

通帳と本人確認書類のコピーを添付してなかったとさ。

え〜っ そんなの必要だったのかぁ!! と、中野区の担当部署にコールイン。

そしたら、説明書の裏面に指示が書いてあったんだって(もう捨てちゃったから確認のしようがないのだが)。同じような人が他にもいたらしく、「わかりにくい書類で申し訳ありません」とひたすら平謝りの担当者。ものすごい勢いでクレームする人も多いんだろうな。

そんなこんなしてたら、どうやらこれは全国的な問題らしく、マスコミも取り上げ始めた。中野区も頻発地域の一つらしい。日経新聞の記事(2009/04/26)によれば、高松市では「初日に受け取った申請書120通のうち、七割の80通で不備が見つかった。多くが通帳コピーの入れ忘れだ」ったそうだ。

こんな数字を公表した高松市はある意味でアッパレだけど、正反応率33%はあまりに低い。そのぶん行政のコストもかさむし、支給も遅れる。喜ぶのは切手が売れる日本郵便くらいか。

これまでこのブログでは何回も提案しているけど、やっぱり行政にはぜひ「ユーザーテスト」の実施を義務づけて欲しい。そして正反応率がせめて90%以上になることを確認した上で、一斉実施すべきだと思う。

そんなに難しいことではないので、お願いしますよ。

Mybaguse

近所のスーパー(○ミット)には、レジの後ろの、客が商品を袋に詰替えるコーナーの上部に《当店のマイバッグ持参率》なるグラフが掲示してあって、前から気になっていた。

こうやって不特定多数の人の行動記録を公的にフィードバックすることを行動分析学では"public feedback"とか"public posting"といって、その効果が検討されてきた。

結果はまちまち。ショッピングセンターで顧客が高齢者の保養施設にクーポンぶんのお金を寄付する行動を増やしたり(Jackson, & Mathews, 1995)、制限速度をオーバーして運転する車を減らしたり(Van Houten, & Marini,1980)と成功例もあるが、エレベーターの利用頻度(Van Houten, Nau, & Merrigan, 1981)や灯油の消費量の削減(Seaver, & Patterson,1976)などの省エネ行動には効果が見られなかったという失敗例もある。昨年度のうちのゼミの卒論では前田くんが大学生の勉強行動のマネジメントに使ってみたが、単独では微力でケーキを好子に使った集団随伴性が必要だった。

《当店のマイバッグ持参率》がいつから掲示されるようになったかわからないので、グラフがマイバッグ持参率に及ぼした影響はここからはわからない。ちなみに○ミットではマイバッグ持参に2ポイント付加というインセンティブも併用しているが、その効果もこのグラフからは読み取れない(グラフは月ごとの前年度比という、こういうグラフにはよくある形式)。グラフからは2007年の9→10月、2008年の6→7月に若干のジャンプがあるようにも見えるが、もしかしたらそのあたりに何かしらの介入があったのだろうか。

自分の場合、家から直接買物に行くときにはマイバッグ持参率が高い。たぶん8割以上。ポイントのインセンティブで強化されているわけではなく(クレジットカード決算なので元々店のポイントがつかない)、カゴからプラスチック袋へ荷物を移す手間が省けるという嫌子出現阻止の随伴性が効いていると思う(だから、マイバッグをうっかり忘れたときには袋につめながらがっかりしている)。

2割はまさに"うっかり"忘れ。これは家の中のどこにマイバッグを置いておくかである程度改善できた(買物に出かける前に冷蔵庫の中をチェックするので冷蔵庫の上に置くようにしたらそれまでの6割くらから改善した)。

マイバッグ持参率が低いのは仕事帰りに立ち寄るとき。朝、仕事に出かけるときには帰りに買物に寄るとは考えていないので、マイバッグを仕事用の鞄に移さないのが原因。一時は超軽量のマイバッグを仕事バックに常駐させようとしたが、買物の後にマイバッグを仕事バックに戻す行動がマネジメントしきれず、今のところそのままにしてある。

スーパーのレジでは待たされること、荷物を詰替えることが嫌子になると想像できる。だから、たとえばマイバッグ持参者用のレーンを数多く設定してマイバックを持ってきていない人よりも早く流れるようにしたらどうだろう。この件では、ポイント還元や公的フィードバックよりも、その方が有効そうな気がする。

ちなみに上のグラフからは持参率の最近の平均は30%弱というところだが(データはやや古い)、自分が買物に行ったときに見回す限りでは10-20%がいいところ。時間帯によって異なるのだろうか? だとすれば、そこにもマイバック持参行動の制御変数に関するヒントがあるはずである。

Jackson, N. C. & Mathews, R. W. (1995). Using public feedback to increase contributions to a multipurpose senior center.  Journal of Applied Behavior Analysis,  28, 449-455.

Van Houten, R., Nau, P., & Marini, Z. (1980). An analysis of public posting in reducing speeding behavior on an urban highway.  Journal of Applied Behavior Analysis,  13, 383-395.

Van Houten, R., Nau, P. A., & Merrigan, M. (1981). Reducing elevator energy use: A comparison of posted feedback and reduced elevator convenience.  Journal of Applied Behavior Analysis,  14, 377-387.

Seaver, W. B., & Patterson, A. H. (1976). Decreasing fuel-oil consumption through feedback and social commendation.  Journal of Applied Behavior Analysis,  9, 147-152

パフォーマンス・マネジメント―問題解決のための行動分析学

このたび法政大学大学院ライフスキル教育研究所主催で、標記の特別セミナーを開催することになりました。

社会人を対象にした、企業や官公庁、病院、施設、教育機関などで、問題を解決し、目標を達成するための、パフォーマンスマネジメントの方法とその基礎にある行動分析学の考え方を学ぶセミナーです。

セミナーは1回の集合研修と全9回の研究会から構成します。集合研修で学んだことを、参加者それぞれのフィールドで実践していただき、研究会では、その経過や成果を発表し合いながら人を動かすスキルを深めていただきます。集合研修への参加は必須ですが、研究会への参加は任意です(毎回参加できなくてもokです)。インターネットの掲示板などを駆使し、参加者間の情報のやり取りや講師とのQ&Aの機会も設けます。

「職場でパフォーマンスマネジメントを実践してみたい」、「本で読んでやってみたけど、うまくいかない」、「人を動かす科学的な方法について学びたい」という社会人の方々、どうぞ奮ってご参加下さい。

 お申込みやお問い合わせは法政大学エクステンションカレッジからどうぞ。

【題目】
 法政大学エクステンションカレッジ特別セミナー:パフォーマンスマネジメント−人を動かす行動分析学ー

【日時】
 第1回:集合研修 2009年5月9日(土)9:00-17:00(必須です)。
 第2回-第10回:研究会 下記の日程の10:00-12:00(すべて土曜日。参加は任意です):2009年6月13日、7月25日、8月22日、9月12日、10月10日、11月14日、12月19日、2010年2月20日、3月27日

【場所】
 法政大学市ヶ谷キャンパスボアソナードタワー11F心理学実験室。

【講師】
 島宗 理(法政大学文学部心理学科教授)および大学院生のスタッフ。

【参加費】
 ¥50,000。

【定員】
 先着15名。

【事前課題】
 集合研修の前に取り組んでいただく事前課題があります(4/10前後にここに掲示します)。

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以前はネットを使った匿名のコミュニケーションも有効であると思い、重視していましたが方針転換しました。ネットにはびこる匿名性は言語行動の随伴性を大きく変えました。それがうまく機能する状況もあるでしょうが(たとえば正義の言語行動がそのままだと弱化される危険が大きい状況で告発行動を自発させるための手段としてなど)、全体としてはマイナス面が目立つようになってきたように感じています(ネットを使ったいじめはもちろんのこと、ネットの匿名環境で強化されたような言語行動が対面場面でも自発されるようになってはいないでしょうか)。

だからといって「ネットの匿名性反対!」といった狼煙をあげようとしているわけではありません。このブログではコメントやトラックバックを受け付けていなこと、ブログの記事などに関する個人的な匿名メールには返信していないことの理由としてご理解下さい。

追記:

「匿名のメール」ではわかりにくかったようです。お名前やご所属が書かれていても、個人的に面識のない方からのメールには、原則、返信していません。それだけの時間的な余裕もありませんし、それが私の仕事でもありません。ご了解下さい。

島宗 理

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