2009年3月アーカイブ

通勤時間の有効利用法の模索として、iTunes Storeでオーディオブックを購入。

最初はまだ映画化されていないHarry Potterの最新作にしようと思ってたのだが、モーレツな高価格(¥9,100)に降参。

Harry Potter and the Half-Blood Prince (Book 6)

そこで昔懐かしい筒井康隆の『時をかける少女』と、宮沢賢治の『虔十公園林』を購入。

元SF少年としては、原田知世出演の映画版より、NHKの『タイムトラベラー』の方にノスタルジーを感じるわけで、オーディオブックにもそれを期待していたのだが、これはハズレ。

ゆかなという人が朗読をしているのだが、芳山和子役はともかく、深町一夫や浅倉吾朗は中学生という設定(のはずだが)にしては幼すぎる、まるで小学生のような演技で興ざめしてしまった。途中で撤退。

時をかける少女

宮沢賢治は小学校と大学でリサイクル読破した、安部公房に並ぶマイフェイボリット作家。こちらの方は朗読が自然で聴きやすく、最後には、バスの中で聴いていたにもかかわらず(予想通り)涙してしまった。

虔十公園林

悪評であれ定額給付金も出たし、ハリポタ買っちゃおうかなぁ...

去る3/15(日)にキャンパスプラザ京都にて学会企画ワークショップ『「こころ」との新しいつきあい方としてのACT(あくと)』が開催されました。立命館大学の武藤崇先生とGeorgia State University の Akihiko Masuda先生に講師をお願いし、ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)の基本的な考え方を、事例や治療で使われるエクササイズの紹介も交えながら研修していただきました。参加者は一般会員が18名、学生会員が7名、一般非会員が19名、学生非会員が34名の計78名でした。ACTが、行動分析学を土台にした一般臨床モデルとして、また、第3世代の行動療法として、学会内外から高い関心を集めていることが実感できました。フロアーからは行動分析学会の重鎮の先生方からも、臨床的、理論的に、かなり突っ込んだ、そして多様な質問やコメントをいただきました。講師の先生方もそれに対して真摯に、たいへん丁寧に回答していただき、おかげさまでとても質の高いワークショップになりました。

個人的には“嫌な気持ちをなくそうとせずにそのままにしておく”というような、昔、自己啓発セミナーにハマっていたときによくやっていたエクササイズが頻出するACTは、怪しげながら興味深く、いつか理論的な分析をしっかりしてみようと思っています。今回は、もしかしたら、ACTとは、行動分析学を専門とするセラピストの行動レパートリーをクライアントに形成する試みとして捉えることができるかもしれないと思いました。嫌な気持ちを観察し、それを引き起こしている刺激や状況を観察し、これらを手がかりにした自らの逃避/回避行動(いわゆる“体験の回避”と言われているものですね)を観察する。“観察する”は“言語化”するとは別行動ですが、“言語化”を強化すれば、その前提行動である“観察”も自然に強化されるのだと思います。“観察”や“言語化”は、嫌な気持ちを引き起こす刺激と行動の関係がレスポンデントだったり、確立操作であれば、それに影響するとは考えにくいですが、逃避/回避行動には、それ以外の行動の弁別刺激や確立操作になるかもしれないという点で影響するかもしれません。つまり、“嫌な気持ちがするから〜する”という随伴性だけではなく、“嫌な気持ちがするけど〜もできる”という別の随伴性に“気づける”可能性があるということです。随伴性に“気づく”というのもトリッキーな表現ですが、つまり、随伴性は元々そこにあるのに行動が自発されないので強化されることがなかったのが、行動してみたら強化された、という感じです。仕事の失敗を厳しく叱られてから、できるだけ顔を合わせないようにしていた上司に、嫌な気持ちがするけど挨拶してみたら優しい言葉をかけてもらった、というような状況です。おそらくこれがACTの“コミットメント”のパートではないでしょうか。そして、もし、このように逃避/回避行動の代替行動が自発され、強化されるようになれば、条件反応としてのレスポンデントは暴露法的に消去される可能性もあります。上司の顔を見るだけで嫌な気持ちになっていたのが、そうならなくなるということです。もちろん、世の中はそんなに甘くなくて、そういう上司はまた厳しく叱ることでしょうから、条件反応が完全に消去されることはない。でも、自動的に逃避/回避行動が自発される他に、「あ、また同じこと(体験の回避)をやっている」「この気持ちはそのまま受け取ってみよう」「気持ちはこのままでこんなこともできるかも」といった具合に、他の、もっと適応的な行動を誘発する言語行動が自発されるようになるかもしれません。おそらくこれがACTのコアとされる“心理的柔軟性”(Psychological Flexibility)なのではないでしょうか? このように考えるとわかるように、ACTは不安症やうつ、あるいは糖尿病のように、特定の精神病理の治療を目的としているわけではないことも理解できます。Masuda先生による、ACTは“問題を取り除くことだけに翻弄するあまり、それ以外の事に手がつかなくなっている”状態に陥った人すべてを対象するという解説も納得できます。そして、そのような膠着状態は、程度の差こそあれ、私たちすべてに起こりえる、とても一般的な課題であり、それをマネジメントできるようになることは、人生を幸せに生きるための、基礎的なライフスキルなのではないかと思います。

以上、個人的感想でした。ふ〜。

8/26-28に立命館大学で開催される第73回日本心理学会では、ACTをつくりあげたSteven C. Hayes博士の招待講演と、武藤先生他、行動分析学会会員によるシンポジウムが予定されているそうです。興味がある方は、ぜひこちらにもご参加下さい。

Universaldesign200903

先週末は徳島へ出張。

土曜の午前中は阿南市の富岡小学校にて「通常学級の気になる児童をクラブ活動で支援する!」と銘打った実践研究の報告会にスーパーバイザーとして参加。このプロジェクトは、とくしま特別支援総合サポート充実事業の一貫として徳島県立阿南特別支援学校と阿南市立富岡小学校が共同で推進している実践研究。"チャレンジクラブ"という部活動を新しく設置し、そこで「姿勢よく座る」とか「話をしている先生をみる」などの課題にチャレンジしてもらい、目標達成を賞賛して自信をつけ、通常学級で成果を発揮してもらうという主旨でシステムを開発中。プロジェクトの成果は7月の行動分析学会で発表する予定です。

研究会では、鳴門教育大学の島岡くんと富岡小学校の田中先生が研究を発表し、その後に、ユニバーサルデザインの考え方を活用して授業改善によって気になる子どもだけでなく学級全体・学校全体を変えて行くという話をしました。参加者アンケートによれば、発表はわかりやすく、力づけられたと感じて下さった先生方や、自分たちの取り組みが整理されてすっきりしたと感じた先生方が多かったようです。島岡くんも田中さんも素晴らしい発表で、この1年間の努力が実った瞬間だったと思います。

午後は徳島ABA研究会による「春の特別講座」に参加。今年のゲストは上越教育大学の道城裕貴先生。元気いっぱい、若さあふれる講演の後、好例のポスター発表。今年も県内で行われた32件の実践研究が報告されました。残念ながら、時間が足りなくてすべての発表をみることができなかったのが心残り。来年こそ、全発表者と話をすることを目標にします。ただし、事例研究はこちらのデータベースでも閲覧できます。そういえば道城先生のお話でも「ユニバーサルデザイン」の考え方が紹介されていました。偶然のようですが、実は(私のプレゼンでは紹介しましたが)、元々、立命館大学の武藤先生の下記の論文がネタになっています。道城先生も私も、この武藤先生の論文を中心にした行動分析学研究の特集号にからんでいた経緯があります。興味がある方はぜひこの特集号をお読み下さい。

武藤 崇  (2007).  特別支援教育から普通教育へ : 行動分析学による寄与の拡大を目指して  行動分析学研究, 21(1), 7-23.

夜は先生方と懇親会。研究の話、実践の話、来年度のプロジェクトの話、マチピチュの話など大いに盛り上がり、夜中の1時を回っても、誰も帰らない。とうとう「もう終わりにしましょうよ」と水を差しました(だって眠かったんだもん)。

関係者の皆さん、お疲れさまでした。こんな熱心で楽しく、正直な先生方と一緒に成長できる子どもさんはとても幸せです。来年度もまた頑張りましょうね。

Oitahover2009

少し前になりますが、大分県教育委員会に依頼され、研修会の講師をやってきました(2/13(金)@大分県教育センター)。

こうした研修会のご依頼は9割9分お断りしているのですが、今回は、

  1. 高校の先生たちが県をあげて「授業力」の向上に取り組んでいるということ(生徒の「学力」ではなく、教員の「授業力」であるところがミソ)。
  2. 国の指定研究ではなく、県が独自の予算で、年度をまたいで継続的に推進していること。
  3. 「PDCA」(Plan-Do-Check-Act)のサイクルにコミットしていること。
  4. こうした取り組みに「インストラクショナルデザイン」の考え方を導入したいという担当者の意向が感じられたこと。

などの理由でお引き受けしました。

ただし、「講演」形式ではなく、実際に研究授業を担当された先生方とやりとりをしながらのシンポジウム形式で、事前に「指導事例集」を読ませていただき、先生方への質問をお送りし、それを元にQ&Aをしながらコメントしていきました。

この研修会を通して考えさせられたこと:

(1) これまで、学校教育における、いわゆる"授業改善"は、教科ごとに、教科学習の枠組みから取り組まれることが多かったのではないかと思いますが、学習目標、授業案、評価の記述方法を工夫して標準化すれば、教科を超えた改善が可能であり、そこに教師の"指導力"のコアとなる力が見いだせそうなこと。

(2) 研究授業(にあたってしまったからという)のための単発的な取り組みではなく、日々の授業で継続して改善していける活動に焦点をあてられそうなこと(例:授業をする前に評価テストを作成する、評価テストに関連した活動を授業に取り込む、生徒に学習目標をわかりやすく伝える、などなど)。

(3) (1)(2)を進めて行くことで、第三者(管理職でも指導主事でも同僚の教員でも、あるいは授業をしている本人でも)が授業を観察しながらチェックし、改善のためのフィードバックを簡単に、かつ客観的に提供できる"授業力チェックリスト"みたいなものが作成できそうなこと。

などなど。

懇親会では関サバ・関アジのお造りをごちそうになりました。とても美味しかったです。帰りは大分市内から空港まで、ホバークラフトに乗船(写真)。子どもの頃に佐渡島で乗って以来のホバーに大興奮。残念ながら別府温泉に立ち寄る時間はありませんでしたが、有意義な二日間でした(ごちそうさまでした&お世話になりました)。

Shiraumegakuenmenu20090304

白梅学園短期大学心理学科の金子尚弘先生から研修会のご案内をいただきましたので、ご紹介します。

三菱財団から助成を受けて、小平市を中心に、東京西部での発達障害支援に係る地域連携ネットワークを構築中とのことです。

「特別支援教育とICT」「運動が苦手な子の指導」「動物トレーニング」と、バラエティに富んだメニューになっているようです。今後も「子どもの在宅医療支援」など、幅広い分野の専門家からお話をお聞きできる機会が提供されるようですので、楽しみですね(しかも参加費はすべて無料のようです)。

興味ある方は、ぜひ参加してみて下さい。

「特別支援教育実践連続講座のご案内」はこちらから。

法政大学ライフスキル教育研究所では下記の研究会を開催します。

今回は、JKYB(Japan Know Your Body)ライフスキル教育研究会でご活躍されている、西岡伸紀先生をお招きし、青少年の「意志決定」や「自己主張コミュニケーション」についてご講演をいただきます。

興味のある方はぜひご参加下さい。

題 目:青少年のライフスキル育成の方策と実際 −意志決定,自己主張コミュニケーションを中心に−

講 師:西岡伸紀先生(兵庫教育大学)
日 時:2009年3月27日(金)10:00-12:00
場 所:法政大学位市ヶ谷キャンパスボアソナードタワーBT11心理学実験室

参加費無料です。学外から参加を希望される方は、hosei.psy@gmail.comまでご連絡下さい。そのさい、メールの件名に「ライフスキル教育研究所:研究会参加申込」とご記載下さい

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