2006年6月アーカイブ

江戸しぐさ

Edosigusa

地下鉄の構内でよくみかける「江戸しぐさ」のポスター。公共広告機構によるマナーアップキャンペーンだ。

雨の日にすれちがうときには「傘かしげ」、長いすなどに座っているときに後から人がやってきたら腰をうかして空間をつくる「腰浮かし」など、ぎくしゃくしがちな都市生活を気持ち良く過ごすためのマナーが紹介されている。

調べてみると、江戸時代、人口が爆発的に増加した江戸の街を過ごしやすくするために、商人のリーダー達が考案したマナーで、その数は八千以上あるらしい(ただいま資料を取り寄せ中)。

江戸っ子の「粋」を守るために、あえて文章化はしなったというから、いったいどうやってこのルールを普及させ、行動をマネジメントしたのか(ほんとうに庶民の行動がこのルールの支配下にあったのかどうかも含めて)、とても興味深い。

でも確かに自分が子どもの頃にはまだこうした粋な習慣が残っていたように思う(そんなに昔じゃないけど)。

イライラしてすぐにキレる人が多く、街で出会う人と人の関係が殺伐としている現代、ぜひこの江戸しぐさを復活させたいなぁと思う今日この頃です(巨大パフォーマンスマネジメントプロジェクト)。

Edosigusa

地下鉄の構内でよくみかける「江戸しぐさ」のポスター。公共広告機構によるマナーアップキャンペーンだ。

雨の日にすれちがうときには「傘かしげ」、長いすなどに座っているときに後から人がやってきたら腰をうかして空間をつくる「腰浮かし」など、ぎくしゃくしがちな都市生活を気持ち良く過ごすためのマナーが紹介されている。

調べてみると、江戸時代、人口が爆発的に増加した江戸の街を過ごしやすくするために、商人のリーダー達が考案したマナーで、その数は八千以上あるらしい(ただいま資料を取り寄せ中)。

江戸っ子の「粋」を守るために、あえて文章化はしなったというから、いったいどうやってこのルールを普及させ、行動をマネジメントしたのか(ほんとうに庶民の行動がこのルールの支配下にあったのかどうかも含めて)、とても興味深い。

でも確かに自分が子どもの頃にはまだこうした粋な習慣が残っていたように思う(そんなに昔じゃないけど)。

イライラしてすぐにキレる人が多く、街で出会う人と人の関係が殺伐としている現代、ぜひこの江戸しぐさを復活させたいなぁと思う今日この頃です(巨大パフォーマンスマネジメントプロジェクト)。

blogの更新

先週の更新回数は{2}回でした。

「行動療法と行動分析学ってどう違うんですか?」--- よく聞かれる質問、いわゆるFAQ(Frequently Asked Questions)です。

で、これまで何回も回答してきているから、ブログなりwebのコンテンツなり、どこかに書いたものが残っているはず、と探しまくったけど見つからない。そーいや、毎回こうやって探して、見つからず、その場その場で回答をでっちあげているような気もします(まるでmixiの「すぐモノをなくす」コミュネタじゃん)。

googleして引用できそうなものがないかどうか探したけど、ぴったりくるのがなかったので、ここで簡単に解説します。ただし、私見ですよ。

久しぶりにいい脚本に出会ったのでここで引用します。

山崎努演じる父親が一人息子にボクシングを教えるシーン。

GO左腕まっすぐ伸ばしてみな、boy。
そのままぐ〜と一回転しろ。
よし。いま、オマエの拳がひいた円の大きさが、だいたいオマエという人間の大きさだ。
言ってることがわかるか、boy。
その円の真ん中に居座って、手の届く範囲のものだけに手をだしてりゃ、オマエは傷つかずに生きていける。そういう生き方をどう思う。
(だせぇ)
はは。
ボクシングとはなんぞや。その円を、己の拳で突き破って、外から何かを、奪い取ってくる行為だ。
外には手ごわい奴がいっぱいいるぞ。
そいつがオマエの円の中に入り込んでくる。
殴られるのもいてえし、殴るのもいてえってこった。
それでもやんのか? 円の中にいる方が安全だぞ。
(やる)
はじめるぞ。

どんな生き方をしようと、すべてうまくいき、楽しいことばかりなんてことはない。生きていれば、苦しいときは苦しい。そして、どう生きるかは自分次第だ。

あるがままのことを正直に伝え、選択肢を提示し、その選択を尊重する。

こういう骨太の教育者を目指すべし。

GO
GO窪塚洋介 柴咲コウ 大竹しのぶ

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blogの更新

先週の更新回数は{4}回でした。

行動分析学の最もメジャーな学会誌である Journal of Applied Behavior AnalysisJournal of the Experimental Analysis of Behavior のバックナンバーがほとんどすべて無料で読めるようになりました。

これまでも各雑誌の抄録検索サイト(JABA / JEAB)から一部の論文のPDFをダウンロードすることが可能でしたが、このたびバックナンバーがアメリカのNational Institutes of Health (NIH)が運営する PubMed Central (PMC) に収録されたことにより、近々6ヶ月の最新号以外は無料で本文をダウンロードできるようになったのです。

試しに1968年に刊行されたJABAの創刊号を見てみると、

・Effects of teacher attention on study behavior. (授業中、教員が児童の課題従事に注目を与えることで課題従事が増えることを示した研究)

・Modification of a child's problem behaviors in the home with the mother as therapist. (母親を療育者として訓練することで、子どもの暴力行動を減らせることを示した研究)

など、現在でも役に立ちそうなテーマの論文が満載です。

1958年に刊行されたJEABの創刊号で面白かったのは、スキナーが書いたこの論文。

Diagramming Schedules of Reinforcement.

さまざまな強化スケジュールをダイアグラムとして視覚的に表現することを提案した論文ですが、正直言って、初めて見ました。ウケなかったんですね (^^;;)。

行動分析学やっている人はかつて「スキナリアン」と呼ばれたことがありました。確かに教科書や論文に「スキナーが○○と主張した」とか「○○はスキナーによって提唱された」という記述が目立つのは事実でしょう。

でもスキナーが提唱したことがすべて無批判に受け入れたわけではもちろんありません(宗教じゃないんだから)。この論文はそのことを表していると思いました(ご本人からすれば少々寂しいかもしれませんが)。

「1.25ショック」--しばらく前にメディアを騒がした2005年の出生率である。

でも、そのとき、急速に進む少子化よりもっとショックだったのが各種の統計データと政府によるその取り扱いだった。

・人口を維持するには出生率が2.07以上でなければならないそうだが、日本ではすでに1975年に2.0を下回っていた。

・1992年の国民生活白書では当時1.5台だった出生率にすでに警鐘がならされていた。

約15年、30年前から少子化を示すデータはあったのだ。しかもそのデータが意味することもわかっていた(何しろ、日本という国は世界になだかる統計国家である。毎年莫大な税金をつぎこんでさまざまなデータが収集されているのだから)。

ところがせっかくのデータも、それを元に行動を起こさなければ何の意味もない。

少子化に関しては政府が何をしてもあまり効果がないだろうという話もあるが、むしろ注意すべきことは、他にもこのように放置されている重要なデータがありはしないか?ということだ。

データをとることと、データを元に行動することはまったく別のことである。役立てて行動しないなら、データ収集だけのために莫大な税金を投入しないで欲しい。投入するなら、しっかり活かしてタイムリーな介入を実施して欲しい。

そのための一つの方策:

HPを一つ用意する。現在、いろいろな統計は各省庁のHPのしかもどこかわからないところに散在してしまっている。国の健全度や幸福度などを示す指標をたとえば100選ぶ(GDPのような経済指標から、出生率、食料自給率、自殺率など)。そしてこれら各指標の経年変化をグラフで示す。検索され、参照された順にランキングをつけ、上位10が常にトップページに表示されるようにする。そういう意味では100にこだわらず1000でも2000でもいい。でも、参照数が下位にくる統計は、果たして税金を投入して計測する必要があるかどうか再検討されるべきだろう(するなとは言わない。再検討する)。

各統計にコメントやトラックバックできるようにすれば国民の声も反映されるだろう。政党や各種団体は、それに混じって、自分たちが世間に注目して欲しいデータが検索されるように、たとえば自らのHPから誘導すればいい。

政治家や官僚がデータを元に行動することを支援するシステム--誰かつくりませんか?

児童虐待を発見したら、疑いの段階であっても、児童相談所などに通告しなくてはならないことが児童虐待防止法で定められている。ところが、小中学校の教職員の3割以上がこのことを知らなかったことが、文部科学省の調査でわかった(日経新聞, 2006.5.30)。

通達義務を知っていても半数の事例で通告がされていなかった。通告をしなかった理由としては「校内で対応可能と判断した」「虐待の程度が軽いと考えた」「虐待という自信がなかった」「家庭のプライバシーを侵害する」など。

教職員だけを責めるのは問題解決につながらない。通告をすれば速やかに必ず虐待がなくなる(児童が救済される)保証がなければ、学校側も動きにくいだろう。逆に、虐待がエスカレートしたり、保護者と学校との関係が悪化する危険もある。

札幌市のこのケースのように関係機関の連携が欠かせないだろう。

地球温暖化警鐘も、ダイオキシン汚染を防ごうとする政策も、琵琶湖のブラックバス退治も、すべて地球や環境に優しいフリをした新しい利権構造であると断じた本。

論理は明確だし、“小学生に英語を教えるな”論争本にありがちな、主張(思想?)ばかりでデータがないということはない。一応、データだらけである。

“一応”と書いたのは、参照しているデータがあまりに豊富だから、コトの真偽にいくら興味があっても、元データにすべてあたるなんで無理な話だから。このへんが科学ジャーナリズムの難しいところだ。そもそも自然科学の方法論は権威主義とは相容れないはずだけど(偉い人が言ってることが正しいと信じたりはしないってこと)、科学のことを世の中の人に正確に伝えるためには、自分の言ってることが事実であると説得しなくてはなず、そのためにはなにかしらの“権威”が必要になる。

著者の池田清彦先生は「構造主義生物学」というのがご専門だそうだ。ここまで行政を批判していたら(この本では特に環境省を痛烈に批判してる)、たとえば科研とか取りにくくならないのかななんて余計な心配をして、さらに科研データベースで検索までしてみた。どうやら科研はほとんど取られていないようだ。

でも科研は申請しないとあたりもハズレもしないから、もしかしたら申請されていないだけかもしれない、とさらにググってみたら、こんな文章が見つかった。

西條剛央のブログ:構造構成主義 一九八八年から九二年にかけて『構造主義生物学とは何か』『構造主義と進化論』(共に海鳴社)、『構造主義科学論の冒険』(毎日新聞社)、『分類という思想』(新潮社)の四冊の理論書と、ネオダーウィニズムをボロクソに貶したエッセイ集『昆虫のパンセ』(青土社)を出版し、気分は爽快であった。日本の関係学界の主流は当然、私の理論を無視したが、私は別に気にしなかった。私は学会を牛耳るつもりもなければ、エラくなるつもりもなかった。何よりもステキだったのは私の研究(理論構築)にはお金が全くかからなかったことだ。科研費などビタ一文もらえなくとも全く困らなかった。これを世間では無敵という。『科学の剣 哲学の魔法−構造主義科学論から構造構成主義への継承』の「はじめに」から

なるほどそれなら確かに無敵だろう(妙に納得)。

「すべての自然物に生きる権利があるなんて考えは、物事を深く考えたことがない倫理学者の妄想に決まっている」と池田先生は言い放つ(p.149)。その根拠の一つはごくごく単純明快だがほとんどの人は考えないだろうアナロジーである:クジラやトキやヤンバルテナガコガネなどを「自然保護」の名の元に守ろうとする人たちも「もしライオンが地球上に百億頭もいて、毎日何十万人もの人間を餌にしていたら」ライオンを保護しようなどというわけはないし、現在でも「エイズウィルスや破傷風菌にも生きる権利があるなんて思ってる人はまずいない」。

生物学の知識がなくても、元データにあたる時間はなくても、この論理の判断はできる。というか、こういう想像力に基づいた論理的思考こそ、ほんらい論理学で教えるべきことなのではないだろうか。

真偽のほどは別にして考えさせられる本でした。おすすめ。

環境問題のウソ環境問題のウソ
池田 清彦

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先週の更新回数は{4}回でした。

家庭紙のイロハ@日経新聞(2006.6.8)ティッシュペーパーの五箱パック商品。安さにつられて購入する消費者も多いが、よく見ると一箱当たりの枚数が違うことに気づく。価格に目が行きがちな消費者心理を突いて、メーカー各社が枚数の少ない商品を増やしてきた結果だ。

気づかなかった....

箱が薄くなったのは、かさ張らないようにパッキングする技術など、テクノロジーの進化によるものだと思い込んでた(確かにそういう商品もあるそうだが)。

知覚心理学では色や形の恒常性というのがあるが、ティシュペーパーの枚数にまで恒常性が効くとは。

行動分析学的には見事な刺激フェイディングと言えるけど、g単価表示が慣例の肉とかでは同じ現象は起きないだろうね。

ひどい....

研究室からオートロックで閉め出される“うっかり”ミスを防ごうと始めた介入計画

Stolen_cardfolder_1

うまくいっていたのに、きのう出校したら、カードキーの上にぶらさげておいたネームタグがなんと紛失していた!

盗難??

幸い予備があったので、今日からは研究室に入ってすぐの内側にぶらさげておくことにする。

心ある盗人なら黙って返しておきなさい。

先週「死人テスト」について調べていたときに、Lindsley先生の業績リストの中に気になる文献を見つけたので読んでみた。

Lindsley, O. R. (1962). A behavioral measure of television viewing. Journal of Advertising Research, 2, 2-12.

Nathan, P. E., & Wallace, W. H. (1965). An operant behavioral measure of TV commercial effectiveness. Journal of Advertising Research, 5, 13-20.

一つめの論文はTV視聴行動をオペラント的に評価する仕組みを考案した研究。映像と音声の提示(画面の明るさ・ピント、音声の音量)をそれぞれのオペラント(ペダル踏み)に随伴させる実験装置を使う。ペダルを踏み続けないとテレビが観れないようになっていて(画面がぼんやり暗くなってきたり、音が小さくなってくる)、放送の内容が強化的であればオペラントの頻度も高くなるはずだから、番組の感想をリッカード尺度で評定してもらうより直接的で信頼性のある測定になるはずだというのがポイント。

二つめの論文ではそのオペラント的TV視聴行動測定システムを使ってコマーシャルの効果を評価している。ある地域で実際にTV放映されたCMがどのくらい視聴者の記憶に残っているかを調査した大々的なマーケティングリサーチを行い、その結果と実験室でのオペラントのデータがほぼ一致することを示している。

この時代、このような研究があと何本か論文になっているけど、残念ながら業界のスタンダードにはならなかったようだ。

30秒とか1分という限られた時間の刺激提示で行動変容を促すというのがTVコマーシャルの役割だから、行動分析学の知見はもっと活用できそうだ。ちょっと考えてみよう。

PECS(Picture Exchange Communication System)は、B.F.スキナーの言語行動論に基づいて、Bondy博士らが開発した、絵カードを交換することによるコミュニケーションシステムです。近年、自閉症児に自発的コミュニケーションを教える効果的な指導法として、米国のみならず日本でも注目されています。今回は大学院の授業の特別講師としてBondy博士をお招きし、PECSの概略と最新の研究成果についてお話しいただきます。講演は日本語で解説しますので、英語が苦手な方も臆せずご参加下さい。

場所は法政大学市ケ谷キャンパスです。教室の位置がわかりにくいかもしれません。参加される方はここから地図を印刷されてくることをお勧めします。

参加ご希望の方はあらかじめメールで、お名前とご所属を心理学科稲垣助手までご連絡下さい。

自閉症児にコミュニケーションを教える指導法
〜 PECSと言語行動論 〜
講師:Andy Bondy ,Ph.D 〔Pyramid Educational Consultants, Inc.〕
日時:2006年7月7日(金)18:30〜20:00
場所:856教室(法政大学・市ケ谷キャンパス、58年館5階6番教室)
解説:島宗 理(文学部・心理学科)

パンフレットはこちらからダウンロードできます。

blogの更新

先週の更新回数は{5}回でした。

昔、某大学の学長のPCが「I Love You ウィルス」に感染し、彼のPCからその大学の教職員にウィルスメールが配信されてしまったことがある。Macユーザーの自分は冷ややかに傍観していたが、次世代のMacは“インテルはいってる”になり、Windowsまで動いてしまうから、うかうかしてはいられなくなる。

大手企業や自衛隊や警察などでファイル共有ソフト Winny に潜むウィルスによる個人情報の流出事件が相次ぎ、官も民も対応を迫られている。ネット銀行などを装ったフィッシング詐欺の被害も増えている。ダウンロードしたら危険なファイルへのリンクをクリックしてしまったり、個人情報を入力してはいけないサイトで実名や生年月日、住所やクレジットカードの番号まで入力してしまう人が後を断たない。

人はなぜクリックしてはいけないものをクリックしてしまうのだろうか?

駐車違反の取締に民間監視員が導入された。同時に駐車違反のルールも変わり、違反はその場で処分されることになった。30分以内に移動させればセーフというのは、もう過去の話だ。

ニュースでは主に配送業者からのクレームが報道されているが、大手配送会社は、近くの駐車場から台車で荷物を運んだり、同乗者のアルバイトを雇ったりと、いろいろ準備をしていたようだ。

そのぶんコストがかかってしまうというが、報道されているように路上駐車の数を圧倒的に減らすことができれば、渋滞が緩和され、駐車スペースを見つけるのもこれまでよりはるかに早く、楽になるはずだから、コストを回収できる可能性もある(ただし、個人的には、都市部の渋滞の緩和に関してはかなり疑問を感じる。渋滞が減れば、渋滞を理由に電車やバスを使っていた人たちが自動車を使うようになるからだ)。

いずれにしても、どうしてこういうことを事前テストなしに一斉にしてしまうんだろう?という疑問が今回も残る。

都市や地域を限定して、運送業者や小売店など、関連する人たちと協働で、新しいシステムがうまく機能するかどうか、どういう問題が生じ、どのように解決できるかを見いだす作業が欠けている。

そういう事前テストをしておけば、たとえば業者側は回収見込みのあるコストの範囲内での対処法を考えることができるし、行政側もシステム運用のパラメータ(たとえば、必要な民間監視員の数や取り締まりをトラブルなく執行するためのノウハウなど)を調整できる。

2〜3地域でのテスト結果を参考に改善したシステムを、もう少し広い範囲や都市で再テストし、さらに改善してようやく全国展開、くらいのステップは踏んで欲しいと思う。

官僚の研修というか再教育が必要です。

「死人テスト」について茅野一穂先生(明星大学)から質問をいただいた。

「死人テスト」とは「死人にもできることは行動ではない」という簡易なルールで、たとえば「静かにする」とか「廊下を走らない」などを標的行動(指導目標)としてしまう過ちを減らそうとする試み。

我々のオリジナルではなく、『行動分析学入門』でも紹介しているように、もともとは Ogden R. Lindsley先生が1965年に提唱された考えである。

茅野先生にはLindsleyの出典をリクエストされたのだが、残念ながら、これといった論文はない。

1965年というのは Lindsley先生はハーバードからカンザス大学へ異動された年であり、その動機は実験室で積み重ねた行動分析学の知見を学校教育へ活かすためだったと聞いている。

ちょうどこの頃が Precision Teaching(PT) という手法が確立されていった時期であり、想像するに、現場の先生たちと共同で子どもの指導に取組むうちに、先生たちが指導目標を適切に設定できるように考案したのではないだろうか?

つまり、教員のための思考支援ツールである。

裏付けとなる資料には、たとえばこんなものがある。

・Lindsley先生の業績一覧

・ABAのwebページにあるLindsley先生への追悼論文集

PTの人達が書いた文献。たとえば、

Burton, J.K., Moore, D.M., & Magliaro, S.G. (1996). Behaviorism and instructional technology. In D.H. Jonassen (Ed.), Handbook of research for educational communications and technology (pp. 46-67). New York, NY: Simon and Schuster.

・行動分析学のオンラインプログラムを提供しているカナダのAthabasca University のPTに関するコース

幼児に手話を教える「ベビーサイン」というのがあるらしい。

アメリカの発達心理学者による研究がベースになって開発された幼児教育のメソッドらしい。

元論文は読んでいないので評価はできないのだが、ベビーサインを教えることで長期的にIQに差がでるというのは少し怪しい気がする。言語が健常に発達すれば、IQの差は多少あっても長期的には縮まるか無くなるのではないだろうか。

むしろ、主に要求の手話(マンド)を教えることで、赤ちゃんが何を欲しがっているか、何を嫌がっているかを、母親やケアテイカーがわかりやすくなって、育児不安を減らす効果の方なら意義がありそうだ。

それにもし自閉症などの発達障害を持った幼児であれば、発達のごくごく初期段階で他者との円滑なコミュニケーションを築くことで、言葉かけが嫌子化したり、拒否の要求をかんしゃくで表現することを誤学習してしまうのを防げるかもしれない。

今後の研究動向に注目したい。

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