『超常現象の心理学−人はなぜオカルトにひかれるのか』

我々、心理学者の多くは、マスコミやメディアで面白半分に取り上げられるオカルトや超常現象、占いや血液型性格判断に関して無関心か嘲笑というスタンスをとっている(と思う)。しかしながら、実は、社会的、人権的な大きな問題になりうるのだと、本書の著者は敢えて声を大きくして警鐘している。テレビに出演して、占い師と対決してしまうというエピソードもなかなか面白い。

著者は(私も)、決して“超常現象”や“未確認飛行物体(UFO)”の存在を否定しているわけではない(後者に関しては、定義からすれば何の不思議もなく存在するわけで、むしろ飛躍しているのは、そこに未知の惑星からやってきた宇宙人が乗っているという主張にある)。いわゆるオカルト派の人たちは、不思議な現象を立証するための科学的な手続きや論理の組み立て方があまりに未熟であるというのが一つ。それから、霊魂や宇宙人の存在を仮定しなくても、より自然に説明できるのに、無理な説明をしていることも多いというのも主張の一つだ。

心霊写真に関していえば、写真の中に霊がいると報告するタクトを制御している変数は、おそらく実験室の中で再現可能だと思う。残念ながら本書ではそうした心理実験が紹介されていないが、あまり行われていないのかな。興味がある学生がいれば卒論でやってみてもいいかも。

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菊池 聡

平凡社 1999-12
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