『統計でウソをつく法-数式を使わない統計学入門』

現職教員のゼミ生たちには、ときどき(頻繁に? ^^;;)、「え、こんなこともわからないの?(汗)」と驚かされる。行動分析学のことじゃなくて、一般常識や語彙だったり(たとれば「アナロジー」という言葉を知らなかったり)、修論のデータの分析に関わることだったりする(難しい計算ではなくて、代表値の算出や棒グラフの作成)。実際、ゼミの時間の半分以上が、行動分析学以外の指導に費やされることも珍しくない。

一般常識や語彙に関しては私も人のことは笑えない(その他のいろいろなことでも私は人のことは笑えないのだが、とりあえず笑ってしまうのは不徳の致すところなのでお許しを)。

データの分析については、たとえば、ある指導の前後で生徒の行動を測定し、その指導に効果があったかどうかを検討するためのグラフを描くときにつまづいたりする(具体例を出すと話が長くなるので、ここでは省略するけど)。

よくよく話を聞き、ゼミ生たちの行動を観察していると、どうやら数字(統計)の意味を把握したり、意味ある数字(統計)を考え出すところでつまづいているようだ。大学で扱う“統計”の教科書だと、検定とか多変量解析とか、かなり高度になってしまう。彼らがつまづいているのはもっと下位行動のようである。

そこでゼミ生の協力のもと小・中・高の教科書や問題集をざっと調べてみた。すると、グラフの読み方などは算数や理科、社会で教えるものの、グラフの描き方--というか、グラフにプロットするための集計の方法についはほとんどカバーされていないことがわかった。

これだと、新聞や雑誌、研究論文で提示されるグラフを読み取ることはできても、自分で作成するのは難しいし、他人が作成したグラフの妥当性や信頼性を疑うという、とても重要な行動は未習得なまま成人してしまう。

というわけで、研究にとっても、市民としてより賢く生きるためにも重要な数字(統計)に関する知識を学んでもらうための本を探すことにした。

とりあえず一冊目はこの手の本の古典中の古典。引用されている例も“キンゼイ・レポート”とかルーズベルトが選出された選挙戦の話とか、いにしえの感が否めないが、それをのぞけば、読みやすく、わかりやすい本である。

ゼミ生の皆さん、まずはこれを読んでみて、どう思ったか教えて下さい(知っていたことばっかりだったか、目からうろこ系か)。

統計でウソをつく法―数式を使わない統計学入門統計でウソをつく法―数式を使わない統計学入門
ダレル・ハフ 高木 秀玄

講談社 1968-07
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