2006年3月アーカイブ

現職教員のゼミ生たちには、ときどき(頻繁に? ^^;;)、「え、こんなこともわからないの?(汗)」と驚かされる。行動分析学のことじゃなくて、一般常識や語彙だったり(たとれば「アナロジー」という言葉を知らなかったり)、修論のデータの分析に関わることだったりする(難しい計算ではなくて、代表値の算出や棒グラフの作成)。実際、ゼミの時間の半分以上が、行動分析学以外の指導に費やされることも珍しくない。

一般常識や語彙に関しては私も人のことは笑えない(その他のいろいろなことでも私は人のことは笑えないのだが、とりあえず笑ってしまうのは不徳の致すところなのでお許しを)。

データの分析については、たとえば、ある指導の前後で生徒の行動を測定し、その指導に効果があったかどうかを検討するためのグラフを描くときにつまづいたりする(具体例を出すと話が長くなるので、ここでは省略するけど)。

よくよく話を聞き、ゼミ生たちの行動を観察していると、どうやら数字(統計)の意味を把握したり、意味ある数字(統計)を考え出すところでつまづいているようだ。大学で扱う“統計”の教科書だと、検定とか多変量解析とか、かなり高度になってしまう。彼らがつまづいているのはもっと下位行動のようである。

そこでゼミ生の協力のもと小・中・高の教科書や問題集をざっと調べてみた。すると、グラフの読み方などは算数や理科、社会で教えるものの、グラフの描き方--というか、グラフにプロットするための集計の方法についはほとんどカバーされていないことがわかった。

これだと、新聞や雑誌、研究論文で提示されるグラフを読み取ることはできても、自分で作成するのは難しいし、他人が作成したグラフの妥当性や信頼性を疑うという、とても重要な行動は未習得なまま成人してしまう。

というわけで、研究にとっても、市民としてより賢く生きるためにも重要な数字(統計)に関する知識を学んでもらうための本を探すことにした。

とりあえず一冊目はこの手の本の古典中の古典。引用されている例も“キンゼイ・レポート”とかルーズベルトが選出された選挙戦の話とか、いにしえの感が否めないが、それをのぞけば、読みやすく、わかりやすい本である。

ゼミ生の皆さん、まずはこれを読んでみて、どう思ったか教えて下さい(知っていたことばっかりだったか、目からうろこ系か)。

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11年前。トラック1台に荷物をぎゅうぎゅうに積み込んで、不安と期待で到着した徳島港。同じフェリーに同じような気持ちで乗り込んで、東京に向けて出発です。

鳴門教育大学では、学校教育における問題を解決するための思考力やコミュニケーションをテーマにして、現場の先生たちと一緒に数々のプロジェクトに取り組みました。

協力的な学校と熱心な先生たちに恵まれたおかげで、特別支援教育というジャンルには限定されますが、一人ひとりの児童生徒への指導の改善、学校全体での専門性向上、そして県レベルでの研修体制への確立と、とても充実した研究生活を送ることができました。

いずれ何らかの形でこうしたプロジェクトを総括することになると思いますが、一言で言えば、「学校は(教育は)改善できる」ということになると思います。そしてそれはカリキュラムの改訂とか、法律の改訂とか、教員の“自覚”をうながす研修によってではなく、改善に必要な問題解決的思考とコミュニケーションの方法を、直接、先生たちの日常的な指導の場面で教えることで実現するということです。

もちろん、こういう改善には時間がかかります。企業ならトップダウンで半年でできそうなことでも、学校という組織では、教員や管理職の先生たちや保護者の合意を得ながら、かつ、事例研究を積み重ねながら、数年単位の継続が必要になります。11年前の若かりし頃なら私もすぐにあきらめてしまって「学校は変わらない」と早々に結論づけてしまったかもしれませんが、今は違います。時間はかかりますし、学校や教育業界特有の文化とか風土にあわせる工夫が必要ですが、継続すれば、学校は変われます。

9.11以来、警備が厳しくなり、空港のゲートが混雑することも多くなった。

長い列に並ぶのが苦手なのでイライラしながら行動観察していると、まず不用意にブザーを鳴らしている人がかなりいる。留め金のついたベルトのような隠れアイテムならまだしも、鍵とか携帯電話で鳴らす輩もいる。

混雑時にはゲート前に係員が立って、大声を張り上げて警告していることもある。でも、どうもこれにはあまり効果がなさそう。連れとお喋りしていたりして、話を聞いていない人もいるからだ(そういう人に“うっかり八平”も多いような...)。

ポスターなどで視覚的に訴える方が有効と思うが、残念ながら掲示の位置や見やすさが弱く、知らぬうちに通り過ぎてしまう人もいる。

ようやくゲートに来てからパソコンをバッグから取りだしたりして余分な時間がかかっている場合もある。物理的にもう少し構造化して、たとえばちょっとした段差をつけたり、あるいは回り込まないとならないようなカーブのところにわかりやすい写真やイラストでポケットの中やバッグの中を点検させるプロンプトを仕組んだらどうだろう。

それから、あの探知器がいくらするかは知らないが、余裕があれば無人のゲートを手前にいくつか用意するというのも手かもしれない。そこを通り抜けた人だけが係員のいる本番ゲートへ進めば手間が省けるし、列を止めないで済む。

パソコンなどをバッグから出す必要のある人のレーンと、レントゲン検査を通す必要がほとんどない人のレーンを分けてしまうのも手かもしれない。そうすれば、やたら手荷物を持ち込む人も減るかもしれないし。

blogの更新

先週の更新回数は{3}回でした。

引越準備や送別会の連チャンで多忙を極め、さすがに更新回数も減ってます。落ち着くまでは、しばらくゆるりとしたペースになるのもイタシカタナシ。

我々、心理学者の多くは、マスコミやメディアで面白半分に取り上げられるオカルトや超常現象、占いや血液型性格判断に関して無関心か嘲笑というスタンスをとっている(と思う)。しかしながら、実は、社会的、人権的な大きな問題になりうるのだと、本書の著者は敢えて声を大きくして警鐘している。テレビに出演して、占い師と対決してしまうというエピソードもなかなか面白い。

著者は(私も)、決して“超常現象”や“未確認飛行物体(UFO)”の存在を否定しているわけではない(後者に関しては、定義からすれば何の不思議もなく存在するわけで、むしろ飛躍しているのは、そこに未知の惑星からやってきた宇宙人が乗っているという主張にある)。いわゆるオカルト派の人たちは、不思議な現象を立証するための科学的な手続きや論理の組み立て方があまりに未熟であるというのが一つ。それから、霊魂や宇宙人の存在を仮定しなくても、より自然に説明できるのに、無理な説明をしていることも多いというのも主張の一つだ。

心霊写真に関していえば、写真の中に霊がいると報告するタクトを制御している変数は、おそらく実験室の中で再現可能だと思う。残念ながら本書ではそうした心理実験が紹介されていないが、あまり行われていないのかな。興味がある学生がいれば卒論でやってみてもいいかも。

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遠隔ゼミをやってみた。自宅ではiMacG5、大学(セミナー室)ではEpsonのNotePC(XP)を使用。Skypeを使い、セミナー室側ではNEXPHONEというハンズフリーのマイクとスピーカーを利用した。参加者はM1の3名。

最初はハウリングして聞取りにくかったので、iMacG5側にヘッドセットを追加。これでハウリングはほとんど解消。セミナー室では私の声が問題なく聞き取れたようだ。私の方でもゼミ生の声はほぼ問題なく聞取れた。ただ、元々声が小さい人には多少頑張って話してもらわないとならないようだ。

それでも電話ほどクリアではないので(このあたりまだまだ細かな調整が必要なのだろうか)、完全に対話形式にすると、ストレスがたまりそう。なので、ゼミ生側でゼミを進行させ、それにコメントしていく構造化を採用。話し合いの要点をあらかじめ掲示板で決めておくことも重要になりそうだ。

とりあえずこのまま何回かやってみてノウハウを蓄積する予定。

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研究室と実験室の荷造りを2日間かけてようやく完了した。11年の年月はさすがに長く、出てきた資源ゴミの量は笑えないほど大量だった。

今回の教訓

・クリアファイルはできるだけ使わない:
 研究会やプロジェクトの資料などを保存していたのだが、ファイルして数年たっても再利用しない資料がいっぱい(ほとんど?)だったので、今回すべて処分した。そのとき、フォルダーから書類をいちいち抜き出す作業がとてもたいへんで、結局、バイトを雇った(さんきゅう、まなぶ)。
 今後はクリアフォルダは定期的に閲覧して、入れ替えるような資料(住所録とか連絡先一覧など)に限定しよう。

・クリップもできるだけ使わない:
 会議資料など、ことごとくクリップ留めしていたので、これをはずす作業もたいへんだった(さんきゅう、まなぶ)。会議資料などは後から読み直すことも少ないので、最初からクリップをはずして箱に地層式に積み重ね、日付を示す仕切りだけを紙で挟み、数年後に必要がなくなったらそのまま廃棄できるうようにしよう。

・論文にならないデータ:
 三年以上論文にならないデータはきっといつまでたっても論文にならない。思いきりよく捨てよう。

・論文につながらない文献のコピー:
 いつか役に立つだろうと思ってコピーした文献も堆積していた。今は電子ジャーナルも充実し、研究室のどこかに埋まっているコピーを発掘するよりオンライン検索した方が圧倒的に速いはず。文献コピーは執筆中の原稿に使うものにできるだけ限り、その他の文献は読み終わって、使い終ったら迷わず廃棄しよう。


以上。

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先週の更新回数は{4}回でした。

GDP(国内総生産)などのマクロな経済指標を国の成長の目安とするのは果たして適切なのだろうか?

日経新聞(2006.3.11)の「大機・小機」という囲み記事に興味深い指摘があったので、そのまま引用する。


内外の経済学者の研究によれば、1970年代前半ころまではGDPの拡大と人々が実感する「幸福度」の間には密接な関係が見られたようだ。しかし、その後は環境破壊や犯罪、事故などの「社会的費用」を考慮すると、少なくとも先進国ではGDPと社会的な厚生(幸福度)の間に乖離が生じ始めているという。

たとえ自然破壊が続いてもGDPは上昇するし、ボランティアする人や家庭での団らんが増えてもGDPには影響しない。そういう幸福度と関係が薄い指標を国の施策の中心に置くことは再検討する必要があるという主張だ。

パフォーマンスマネジメントでは何を指標とするかという焦点化(pinpoint)が最も重要だとも言われている。それは国政でも同じだろう。

国政に使えるレベルの幸福度の指標の開発は、まさに心理学者に期待されている仕事のような気がする。

分かりにくい標識やマニュアルなど、世の中には分かりにくいインストラクションがたくさんある。本書は、書き手の意図を正しく伝える方法を豊富な具体例で解説してくれる良書だ。

現職教員ゼミ生の作る資料はとても分かりにくく、いつも不思議に思っているのだが(分かりやすく教えるのが仕事の人たちなのに)、Tさん(あえてイニシャルトーク)によれば、学校で配布する資料(アンケートや書類など)は前年まで使ってきたものをその年の担当者がそのまま使い回すことが多く、読み手とか読者のことを配慮するような発想自体がそもそもほとんどないそうだ。

これってまさに“公務員体質”ですね。公務員の身分を守りたければ「民間にできることは民間に」と言われる前に、自助努力でサービスを改善しましょう。そのための視点として役に立つ本です。

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このブログで「アフィリエイト」を始めることにしました。

アフィリエイトとは、たとえばこのブログで本を紹介するときに特定のオンラインショップへのリンクを貼っておき、それをクリックして購入した人がいれば、売り上げの数%が紹介料として私に支払われるという仕組みです。

世の中には化粧品やダイエット商品などを紹介し、月に十数万円も稼ぎだすツワモノもいるようです。ここではせいぜい図書の紹介くらいなので、おそらく年に数千円にもならないと思いますが、

(1) このブログの運営費(年間1万円くらい)は研究費ではまかなわれていないので、その足しにする。
(2) 興味のある人にはその図書を買いやすくする。

が目的です。

オンラインショップにはAmazonを使うことにしました(Amazonのアフィリエイトについての説明はこちらから)。

営利目的ではありませんから、万が一、アフィリエイト収入がブログ運営経費を上回ったときには正直に報告して、何らかの使い方を考えることにします(ブログで紹介する図書の購入費だけに充てるとか、ユネスコに寄付するとか)。

Amazonで図書を買うことを強制しているわけでも、お願いしているわけでもありません。たまたま興味があって、ご自身のご判断と責任で購入される場合にのみお使い下さい。

日本の高校生は“享楽的で、「人並み」意識が強く、意欲が少ない----。こんな日本の高校生像が、日本、米国、中国、韓国の4カ国の高校生の生活意識に関する調査結果から浮かび上がった”(asahi.com)。

少し前に新聞や雑誌を騒がせたこの調査の集計結果を読んでみた。『高校生の友人関係と生活意識−日本・アメリカ・中国・韓国の4ヶ国比較ー』(財団法人・日本青少年研究所)から単純集計結果がダウンロードできる。

報道されたように「あなたは(ママ)現在、大事にしていることは何ですか?」という質問項目では、「(1) 希望の大学に入学すること」 に○をつけた高校生が日本、米国、中国、韓国では、それぞれ、29.3%、53.8%、76.4%、78.0%、「(2) 成績がよくなること」に○をつけたのが、33.2%、74.3%、75.8%、73.8%と、日本とそれ以外の3つの国では大きな差が見られている。

別の質問項目でも、たとえば、「あなたは次のことにどのくらい関心がありますか?」という質問で「勉強や成績 」に「関心がない」か「あまり関心がない」とした生徒の割合が、日本の26%に対し、米・中・韓ではそれぞれ、12.1%、6.5%、11.8%だったり、「宿題が出されたら必ず完成すべきだと思うか?」という問いに「全くそう思わない」か「あまりそう思わない」との回答が日本の19.8%に対して、米・中・韓ではそれぞれ、4.8%%、12.8%、22.2%だったり(韓国は意外にも日本と同じくらい高い)、総じて、学校における勉強行動への低い強化率、あるいは強化の機会さえも設定されていない様子がうかがわれる。

今の高校生って、いわゆる「新しい学力観」で育った世代だと思うのだが、テストの得点などで成績をつけなくなったせいで、頑張って勉強すれば成績も上がって誉められるし、自分も嬉しいという“体験”が減ってしまっていないだろうか? スポーツの世界も同じで、運動会のかけっこで順位をつけなくなったという話を聞くたびに、この国の教育はどこへ向かって行くんだろう?と暗澹な気持ちになってしまう。

日本の高校生に“意欲”がないように見えるなら、それは環境が彼ら・彼女らの意欲を促進していないからだ。個人攻撃の罠に陥ることなく、どこに問題点や改善点があるのか、見つけていなくちゃね。

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先週の更新回数は{6}回でした。

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テニス部の追いコンに、追い出される側として参加しました。

鳴教では学部のゼミは担当してなかったんで、テニス部のみんなとのつながり(主に♂だけど)は、学生さんと関わる貴重な機会でした。

とは言っても、実は教員というよりは同じテニスを楽しむ仲間として接していたし、練習に参加してきたんで、4年生の4人(レナさま、きゃん、ふっちぃ、なおき)と一緒にメデタク送り出されるという事態も、何だか驚くほど自然でした。

秋田町での胴上げには感動したぞ!(思わず、ホロッと...)。

みんなありがとう。I love 鳴教テニス部です。

正月太りから回復するためのパフォーマンスマネジメント。この期間(1〜3月)は季節的にまだまだ太りやすい時期だし、今年は送別会などのヘビィな飲み会がたてこんでいる。ダイエットにとっては、まさに二重苦。そんな悪環境を敢えて乗り越えるために、次のプログラムを導入中。

(1) 体重を測定(できるだけ毎日)。
(2) 通常の食事以外に摂取した間食やお酒の量をポイント数で毎日記録。
(3) 毎日の運動量を記録。
(4) 次の飲み会までの目標体重を設定し、達成しなければその飲み会ではお酒が飲まないという自分への約束。
(5) (1)から(3)までをグラフにして経過を見る。

飲み会で酒が飲めないなんて、自分にとっては地獄のような状況。これを回避するために飲み会の日以外はほとんど間食をやめられている。下のグラフの赤い線が運動量で、黄色い線が間食量だ(飲み会の日は無制限勝負なので記録はなし)。

pm-diet-points-0603

そして、そのせいで体重も減少中。下のグラフの赤い線が体重で、黄色い線が目標体重である。

pm-diet-weight-0603

テニスやクライミングするにも、カラダが軽くなってきて、とても動きやすくなっている。いいカンジ。このまま理想体重まで落とし、維持プログラムへ移行するのがもくろみです。

パフォーマンスマネジメントのデータベースで体重を入力していたら何かの拍子でいきなり画面が縮小した。

このデータベースではカレンダー形式で日々のデータを入力するんだけど、標準だと日曜から金曜までしか表示されず、土日ぶんは横スクロールしないとならなかった。

ff_normal

それがなぜかすっぽり画面に収まった。

ff-small

調べてみたら、Firefoxのキー操作でAppleキー(⌘)を押しながらマウスのスクロールホイールを回すと、画面が自在に縮小・拡大することがわかった。

これは便利!

そろそろ老眼が入ってきて、夕方になって疲れてくるとパソコンの文字サイズを大きくしたくなる今日この頃に、ぴったしのナイスな機能です。

(すんません。Windowsでは未確認だけど、⌘の代わりにWinキーではないだろか?)。

山梨学院大学附属小学校トワイライトスクールの渡辺平太先生から、同学校の取り組みを伝えるDVDを送っていただいて鑑賞した(地元のテレビ局が取材し放映した番組集)。

「トワイライトスクール」とは山梨学院大学附属小学校の放課後解放事業だが、基礎学力の復習や補習だけでなく、虫取り教室や将棋道場、音楽、美術、スポーツなど、さまざまな活動を通して、一人ひとりの子どもの『夢』を見つけるサポートを提供しているという。とにかく選択肢が多く、その道の専門家の指導も受けられるとあって、TVゲームで遊ぶくらいしかないような近ごろの子どもたちの遊び環境からすると、ほんとうに贅沢な学習環境である。どんな子にも何か打ち込める特技がある。それを見つけて伸ばすのが教師の仕事だ!という正道をそのまま実践されているところが素晴らしい。

小学校のカリキュラムも同じである。TT(チームティーチング)やオープンルームなどは、先進校にはありがちな取り組みだし、よく指摘されるように、附属小学校というものは選抜の時点ですでに能力が高く家庭環境が豊かな子どもがスクリーニングされて入学してくるので、子どもたちが高いパフォーマンスを示すことには驚かない。

それよりなにより感動したのは、先生たちがほとんどゼロから授業を作っていること。これはとてつもなくたいへんな仕事である。それにも関わらず、先生方がそれを十分に楽しんで取り組んでいるところだ。

一人ひとりの子どもたちにどんな力をつけるべきか、どんなところを伸ばそうか、そのためにはどんな指導をすればよいだろうか、うまく指導できているかどうかはどうやって確かめられるだろう??

これが学校の先生の本来の仕事だ(と私は思う)。そして、これが教師という仕事の一番面白いところだ(と私は思う)。ところが公立学校の多くでは、決められた教科書を決められたペースで、だいたい同じように進めることがフツーになってしまっている。教師の仕事の醍醐味を味わえないでいる先生たちがいるのはとても残念な話だ。

この小学校にはオハイオ州立大学で学位を取られた遠藤清香先生も所属されていて、今後、特別支援教育のモデル事業も進めていくという話である。附属学校は地域の進学校の一つになってしまって、障害を持った子どもたちには縁遠い存在になってしまっていることがある。しかしこれは逆に言えば、子どもたちから障害を持った子どもたちと一緒に学び、遊ぶ機会を奪ってしまっていることになる。

山梨学院大学附属小学校の今後の展開に期待したい。

人の力

先週の土曜日には鳴門教育大学特別講座『学校でここまでできる!一人ひとりの子どもを伸ばす特別支援教育』が開催されました。

前年度を大幅に超える170人の教員が参加し、千葉県発達障害者支援センターの土屋立先生のご講演をお聞きし、37件の事例研究についてポスター発表が行なわれました。

土屋立先生のお話で印象的だったのは千葉県全域(人口:600万人以上)の発達相談をわずか1.3人のスタッフ(土屋先生常勤1名+非常勤0.3人)で受付けているということです。年間のケース数は900以上に及ぶそうです。確かに自閉症だけも発生率からすれば県全体で1万人以上の方がいらっしゃるわけで、あたりまえといえばあたりまえなのですが、たいへんな仕事です。

県民のニーズに応えるために、千葉県では来年度から専任のスタッフを県予算で1名増員するそうです。これも全国では珍しいそうで(県から委託されている法人の持ち出し予算でまかなっているところが多いから)、福祉・教育サービスを充実させる行政として他県でもぜひ見習って欲しいと思いました。

もちろん、単に頭数を揃えたり、ハコモノ行政的に立派な建物だけに予算をかけても仕方がないわけで、仕事ができる人の確保が最重要事項でしょうね。土屋先生のお話では、たとえば自閉症スペクトラムの問題を社会全体の問題としてとらえるための枠組みをまず考え、それをもとにデータを集め、地域の福祉や教育のシステムとして、どこに改善の余地があるのかを見定めて行く、システム志向的な視点からの分析が欠かせないと思われます。そして、TEACCHの構造化なり応用行動分析といった個人への支援手法がそれに上乗せされて行くという構成です。

徳島県にも発達支援センターが設置されるようです。千葉県に負けない素晴らしいシステムになるといいですね。

blogの更新

先週の更新回数は{6}回でした。

勤務中に競艇の情報案内を聞いていたという岡山の小学校校長が停職になったそうな(日経新聞,2006.2.21)。2005年4月から今年の1月まで計32回も。

通話記録がないと(まさか盗聴?)こんな情報はでてこないだろうから、たぶん内部告発なんだろうな。ということは、この校長先生、競艇以外にもいろいろ問題があったのかもしれないな(じゃないとわざわざ通話記録とか調査して告発する人もいないだろうから)なんて思いつつ、うちの大学の話。

最近は仕事のコミュニケーションはメールか掲示板が中心で大切な要件の電話はほとんどない。それでも定期的にかかってくる電話がある。資産運用のためのマンション販売営業電話だ。うちにはそんな資金はないし、マンション運用に興味ないし、そもそも勤務中にそんな話をするヒマはない。

だから、何も言わず電話を切ったり、怒鳴ったり、相手の電話番号と上司を聞き出してもうかけてくるなとお願いしたりしているが、この手の業者の数が多いのか、きりがない。

そもそも大学の教員に電話して強化されることがあるんだろうか?と疑問に思い、この間、「こんな電話してうちの大学で商談につながることあるんですか?」とふってみた。すると「はい。何人かの先生にお世話になっております」との返事。まじっすか。

営業トークであることを信じたい。あるいは大学をあげて、「鳴門教育大学では勤務中の営業電話を受け付けておりません」と声明を出して、業者からの電話を自動的にシャットアウトしてほしい。

というわけで、現在、研究室の電話は常時留守電になっております。ご迷惑をおかけしますが、お名前とご連絡先、ご要件を留守番電話にお残し下さい。こちらからおかけなおします。

行動療法学会行動療法コロキウムに招かれて、応用行動分析学におけるアセスメントについて話をしてきました。持ち時間が30分しかなかったんで、自閉症の早期発見・早期療育を例にして、スクリーニング、指導目標とする標的行動を選定するための網羅的スキルチェック、生態学的アセスメント、機能的アセスメント、指導の効果を評価し改善するための測定、指導が立案どおりに行われたかどうかのチェック(treatment integrity)、社会的妥当性、地域の療育システムのパフォーマンスアセスメントなどを、まくしたてました(早口でごめんなさい)。

フロアーから「ASSQ」についてご質問があったのですが、その場でお答えできなかったので、ここに関連する情報をアップしますね。

ASSQは「The high-functioning Autism Spectrum Screening Questionnaire」の略で、高機能自閉症・アスペルガー症候群の診断をするための27項目からなるチェックリストです。元論文はこれです。

Ehlers S, Gillberg C, Wing L. (1999) A screening questionnaire for Asperger syndrome and other high-functioning autism spectrum disorders in school age children. Journal of Autism and Developmental Disorders, 29(2), 129-141.

日本では若林明雄先生(千葉大学)や東條吉邦先生(国立特殊教育研究所)たちが、自閉症スペクトラム仮説に基づいて、自閉症得点(AQ)を求め、さらに“健常”と自閉症の境界線がどのあたりにあるかを調べる研究をされています。

ASSQは成人を対象としておらず自己回答式ではないということで、若林・東條先生はケンブリッジ大学のBaron-Cohen先生らが開発したテスト(成人版と児童用)を日本語化し、その性能を検証されています。

成人版については以下の論文に発表されています。

若林明雄・東條吉邦・Baron-Cohen・Simon (2004)自閉症スペクトラム指数(AQ)日本語版の標準化-高機能臨床群と健常成人による検討 心理学研究, 75(1) ,78-84.

私も自己回答してみましたがAQは15で思ったより低かったです(カットオフは33)。

児童用AQについては国立特殊教育研究所のHPに研究経過やチェックリストが公開されていますので、参考にして下さい。

ggearthmacosx

Windows版しかなかったgoogle earthMacOSX版が登場(まだbetaだけど)。

パソコンの画面上で地球がぐるんぐるん回る。富士山を360度から見回せるし、一挙にニューヨークまで自動運転もできる。これは面白い。退屈しません。

CDC_Checklist

鳥インフルエンザの感染拡大から新型インフルエンザが出現する危険性が声高に叫ばれている。発生すれば日本でも64万人の死者がでるという試算もあるそうだ。

ウィルスの変異は自然現象であり、まさに自然と人間との戦いだ。感染拡大を防げるかどうかは人々の行動にかかっている。

コトが起きたら、鎮静するまでは外出や他の人との接触を控え、自宅で生活することが望ましいそうだ。

となれば、自宅でしばらくは生活できるだけの食料や水、医療品、その他の生活必需品を備蓄しておかなければならない。

備蓄行動の頻度を上げるための手段の一つとして、米国の疾病対策センター(CDC: Centers for Diseases Control and Prevention)では、こうした家庭用備蓄品リストを公開している。シリアルとかピーナッツバターとかクラッカーとか、とてもアメリカらしい。日本なら感染症情報センターあたりが日本版をつくるべきでは?

CDCでは学校用の対策支援ツールを準備中らしいので、公開されたら紹介したい。

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