2005年12月アーカイブ

icplayer

来年のセンター試験から英語リスニングのテストが始まる。受験者一人ひとりにICプレイヤーとヘッドフォンが配布される。それでなくても全国一斉にカチカチのルールで実施されるセンター試験に、さらにカチカチのルールが山のように追加され、会場となる大学のスタッフはいまから戦々恐々だ。

ICプレイヤーは約2,000円でナント使い捨て(時代の流れに180°の逆行!!)。受験生は持ち帰ってもいいし、会場に残してきてもいい。持ち帰っても他に何か使えるわけではない(ものすごい無駄遣い!!)。

どんなものか見てみたい人はこちらからどうぞ。操作もできますよ(--;;)。

大学入試センターでは試行テストの結果を報告しているが、試行テストの目的は、おそらく試験の実施手続き(試験監督からの教示や学生によるICプレイヤーの操作、音漏れがないかどうかなど)がうまくいくかどうかの検討。成績については得点の分布だけが報告されている。

入試なんだから、これだけ大掛かりなことをして、各大学が自分の大学に欲しい!と思う学生が今までよりも取りやすくなるという選抜のメカニズムの精度がどれだけ向上するかどうかが重要評価点なのに、そういうデータは公表されていない(たぶん存在しない)。そもそも入試の成績というのは、大学入学後の成績や学業パフォーマンスを予測できないと意味がないんだけどなぁ。

リスニングの成績を入試判定に使うかどうかは各大学の裁量に任されているのだが、東大など一部の大学を除いて、右にならえ的に採用を決定している。大学で英語リスニングが必要な授業なんてほんの数%にも満たないと思うんですけど...

センター入試があれば受験生は勉強せざるを得ない。だから受験生のリスニングの力はこれによってアップするかもしれない。でも、それって入試システムの役割・目的ではないわな。

リスニング対策の教科書や教材を作成、販売する業者、そしてなによりもICプレイヤーおよびメモリーカードの納入業者(当然、機器にはブランド名などは書かれてありませんが、メモリーカードからすぐわかります)がホクホクする、新たな利権創出に終わりそうな予感です。

井上先生からバトンが回ってきました。ふだんはこういうチェーン的なやつは黒でも白でもぶったぎるんだけど、いつもお世話になっているのでリレーします。

1 17歳の時は何をしてた?
 まず「17歳」って言われてもピンとこなくて大ショック。17歳の頃は自分が17歳だなんて意識してなかったってことだなぁ。真央ちゃんの14歳とは大違い。
 んで、履歴書とか和暦・西暦変換ソフトとか駆使して(3分くらいかかって)、たぶん高校2年生の頃だったんだろうと算出しました。
 「高校2年生」-- これまた中途半端な時代だいねぇ(^^)。受験勉強もまだ始まらず、ナンパ目的で入部したギター部も退部して、たらたら帰宅部してた頃。3年生の先輩女子と合コンしたり、男友達連れ合って軽井沢まで女子大生をナンパしに行ったり、ゲーセンに入り浸ったり、そんなことばっかしてました。

2 17歳の時は何を考えてた?
 けっこういろんな事考えていた。人生とか友情とか恋愛とか。
 昔のノートとかを段ボールの箱にしまい込んであって、何年かごとに読み返したりするんだけど、「生きるってどういうこと?」や「自分の人生、これでいいんだろか?」みたいな落書きが6色ボールペンで殴り書きしてあって、コイツ大丈夫か?って、けっこう笑えます。
 一日に数冊のペースで本読むブンガク青年なところがあったし、今より100倍アタマでっかちだったことには間違いない。

3 17歳の時のイベントは?
 ガッコさぼっていろんな所に遊びに行きました。仲間4人で無賃乗車して鎌倉まで行ったりとか。修学旅行でクラス全員で酒飲んだのがバレて全員休学処分くらったり。大イベントというよりは、そういうイベントが毎週のようにあったなぁ。

4 17歳のときにやり残したことは?
 部活。中学のときの反動で、無意味な(知能指数が低いと当時は思ってた)体育会系・先輩後輩の上下関係だけはまっぴらだったんで、それだけを理由に、入りたかったテニス部に入らなかった。
    
5 17歳のときに戻れたら?
 テニス部に入るかな。でもやっぱアホな先輩に腹立ててやめちゃうかも。ナンパな高校生活も十分に楽しかったから、またおんなじように過ごすことでしょう。  

6 17歳のときに失敗したことは?
 思い当たりません。あの頃から失敗しないように立ち回ることがうまかったのかも。

7 17歳の時、いい恋してた?
 日曜日に後楽園球場に行って、なぜか隣の住宅展示場を見て回るような恋愛してました。別れてから彼女の家に押し掛けて(別れ話を切り出したのはこっちだったけど)、彼女のお母上と妙にしっくり話をしたりしてました。恋っていうのがよくわからなくて、ほんわかしたり、逆上したり、考えまくったり、あきらめたりしてました(これは今も一緒やね)。

8 次に17歳に戻ってもらいたい1人は?
 せっかくこうやって回ってきたんで、心理学者bloggerシリーズとして、望月先生にお願いします。

blogの更新

先週の更新回数は{2}回でした。

北海道クリスマスボードツアーで満喫。4日連続ピーカン。突然の腰痛に襲われたにも関わらず楽しく滑ってきました。

Human Performance Technology. Dr. DONALD TOSTI (International Society of Performance Improvement)

Vanguard Consulting というコンサルティング会社を率いるTosti先生の招待講演。プログラムでは所属がISPIになっていたけど、なぜだろう?(ISPIはパフォーマンスマネジメント関係の学会)。

ローカル(中国からの参加者)向けにOBMの初歩を話してくれっていう依頼があったのだろう。最初はベーシックな話からスタート。中国語の同時通訳もついていたけど、会場に通訳の必要な中国人参加者がいなかったのと、HeadsproutのGregが「もちっと具体的な話をしてくれないか?」とリクエストしたことで、話が一気に面白くなった。

破綻していた British Airways に雇われて「No.1エアライン」を目指したコンサルティングを展開したときの話とか、GMに提供したリーダーシップトレーニングの話とか、ナマナマしい話が続出。ゴーンさんの下で日産の建て直しにも参画してたそうですよ。

「強化やフィードバックより、まずは経営者のリーダーシップだ」なんて、素直なご意見が爆裂(確かにそぉなんだけどさ)。

基礎の話をしてたときは、つまんねぇおっさんだなぁと思って欠伸してたけど、こういう話をしだしたらまったくの別人。生粋のコンサルタントなんですね。

組織行動マネジメントの研究が方法論的に難しい理由の一つは、介入効果とか、そもそも介入が始められるかどうかに、コンサルタント自身が持つ変数(話術、容貌、身だしなみ、人間関係などなど)が大きな影響を与える可能性があるから。

成功しているコンサルタントには確かにそういう“魅力”がある。論文にするのは難しい変数だ。

でもこれって、臨床研究におけるセラピストの変数にも同じことが言えるんだよね。

子どもの頃、こんな遊びしませんでした?

「ひざって10回言ってみ」
「ひざ、ひざ、ひざ、ひざ....」
「(肘をさしながら)ここは?」
「ひざ」  {゜゜}"

先週の徳島ABA研究会では行動的慣性(behavioral momentum)を活用した指導法について情報提供しました。

物理学における慣性の法則と同じような法則が行動についても成り立ちそうだというのが行動的慣性です。

学校教育では子どもが先生の指示にスムーズに従うことが授業や指導の成立条件になっています。

うまくいっていない授業を観察すると、必ずといっていいほど、子どもが先生の指示に従っておらず、それにもかかわらず先生は同じような指示を繰り返しています。

行動的慣性の法則を適用すると、子どもにとって従いやすい指示をぽんぽんぽんと出しておき、その慣性で、その後に出す従いにくい指示でも従えるようになるという指導法が生まれます。

研究会では就学前の高機能自閉症児への対面指導場面と、通常学級での全体指導場面で行われた2つの研究を紹介しました。資料は徳島ABA研究会のHPにアップしてありますので、興味のある方はご覧下さい。

blogの更新

先週の更新回数は{5}回でした。

厚生労働省の第4回21世紀出生児縦断調査によれば、三歳半の子どもの3人に1人が毎日3時間以上テレビを見ているという(概況)。習い事(水泳、英語、幼児教室など)に通う子どもも増えているようだ。

テレビを見ること自体にはそれほど問題はないかもしれない。でも、テレビに時間を取られるぶん、他の活動をする時間が減ってしまうことは見逃せない問題だ。

他の友達と遊んで泣いたり泣かせられたり、土や虫をいじったり、大人に褒められたり叱られたり... その時間(週21時間、年1000時間以上)があればできたであろう、そういう自然にある随伴性や社会にある随伴性にもまれる機会が少なくなってしまうことこそが問題だろう。

習い事にも危機感がある。たいていは、大人が調整して“構造化された”場面で、他の子どもとのトラブルができるだけ起きないように過ごしているだろうから、子ども同士のケンカとか、その後の仲直りとか、そういう“構造化されていない”場面では自然に形成されていく行動レパートリーの獲得が阻害されてもおかしくない。

さらに同報告書は、子どもが悪いことをしたときの“しつけ”に関して、以下のように報告している。

このシリーズ(No.1 No.2 No.3 No.4)の最終回はたぶん一番難しいテーマ。教えるのも難しいし、教えられたかどうかを確認するのも難しい「〜を楽しむ」という指導目標の話。個別の指導計画の話からはかなり逸脱します。

「〜を楽しむ」という指導目標を考える場合、まず大切なのは、「子どもが楽しんだかどうか」ということと「子どもに楽しむ行動を教えられたかどうか」とを区別すること。

授業中の子どもの表情とか態度を主観的に評価したり(「子どもの目が輝いていました!」)とか、授業後のアンケートなどで子どもに楽しめたかどうか感想を聞いたりするのは、前者についてのかなり大ざっぱなアセスメントである。

これに対して、授業後に子どもの趣味が広がったかどうか(休み時間に授業で取り上げたことについての本を読むようになったとか、休日に親に美術館に連れて行ってもらうように頼むようになったとか)など、子どもが楽しむ行動を獲得していれば現れそうな副次的な行動を測定して評価するなら、後者の達成にも関連した、もう少し有意味な評価になる。

でも、どちらも「楽しむ」という行動を直接的に測定し、評価しているわけではない。

早稲田アカデミー、2007年春にも教員養成大学院を設立 学習塾大手の早稲田アカデミーは主に中学・高校の教員を養成する大学院大学を2007年春にも設立する方向で準備に入った。学生や現役教員を対象に受験対策など学習指導方法を教える。中学・高校への講師派遣などの引き合いも増えており、学習塾以外の教育事業を広げる(日本経済新聞 2005.12.13)。

他にも学習塾の栄光が都内に「日本教育大学院大学」を開設するという。

教師という職業には確かに高い専門性が必要だ。もしかしたら医者よりも高度な専門性が必要なのかもしれないと最近は考えている。なぜなら教師の力量が伸びることで、子どもがぐんと変わってくるから。

ただ、それじゃぁ大学院を作って修士をだせば専門性が高まるのか?と言えば、話はそんなに簡単ではない。鳴門教育大学・兵庫教育大学・上越教育大学という、いわゆる新構想大学院では、現職教員を対象に修士レベルの教育をしてきたが、果たしてどれだけ効果があったのか? あるいはどういうプログラムに効果があって、どういうプログラムに効果がなかったのか? そういう詳細な検討がなされずに、ただただ大学院の新設ラッシュが進むことには懸念を覚える。

もちろん、いろんな機関が参入することで競争的市場が形成されれば、いつかは大学院教育の質も上がるのかもしれないが....  そのためには、各地自体から現職教員を派遣するさいに、派遣される本人に大学院選択の幅が与えられるようにすべきだろう。

北京の前にソウルで遊んできたので、飛行機のルートは関空→インチョン→北京(Korean Air)。

インチョン−北京便の乗客は、ほとんど韓国人か中国人だったと思う。驚いたのは着陸後、まだ飛行機が停止してもいないのに、機内のあちこちから携帯の電源をonにした音が聞えてきたこと。中には通話を始めた強者もいる。

日本の国内便なら直ちに乗務員からクレームがつくところだけど、まったくお咎めなし(ちなみに羽田ー徳島線で、到着後、席から立ち上がって搭乗口に歩いていくところ(2mくらい手前)で電源を入れて怒られたことがある)。

最初は、なんだこの韓国人たち、常識がない!と怒りに近い感情を抱いてしまったけど、よくよく考えると、ほんとに危険なら乗務員も止めるはず。もしかして着陸後には携帯を使っても運転に支障はないのかな。

だとすれば「常識」だと思っていたルールも万国共通の常識とは言えなくなる。日本の国内線であそこまで厳しく叱るのは、もしかして他人の迷惑にならないようにというエチケットのためなのかも(だとすれば少々大げさな気もしないでもない)。

異なる文化や社会に住む人たちの行動だけを見て、それをその人たちや国の「性格」として自分勝手に評価するのは慎むべきだろう。特にそれだけで卑下したりするのは最悪だ。異文化の行動の差異の裏には、必ず行動随伴性の違いがあるはず。それを見つけていくのは楽しいし、相互理解にもつながるだろう。

中国人の路上での「つばはき」にもきっとそれなりの行動随伴性があるはず。

北京の前にソウルで遊んできたので、飛行機のルートは関空→インチョン→北京(Korean Air)。

インチョン−北京便の乗客は、ほとんど韓国人か中国人だったと思う。驚いたのは着陸後、まだ飛行機が停止してもいないのに、機内のあちこちから携帯の電源をonにした音が聞えてきたこと。中には通話を始めた強者もいる。

日本の国内便なら直ちに乗務員からクレームがつくところだけど、まったくお咎めなし(ちなみに羽田ー徳島線で、到着後、席から立ち上がって搭乗口に歩いていくところ(2mくらい手前)で電源を入れて怒られたことがある)。

最初は、なんだこの韓国人たち、常識がない!と怒りに近い感情を抱いてしまったけど、よくよく考えると、ほんとに危険なら乗務員も止めるはず。もしかして着陸後には携帯を使っても運転に支障はないのかな。

だとすれば「常識」だと思っていたルールも万国共通の常識とは言えなくなる。日本の国内線であそこまで厳しく叱るのは、もしかして他人の迷惑にならないようにというエチケットのためなのかも(だとすれば少々大げさな気もしないでもない)。

異なる文化や社会に住む人たちの行動だけを見て、それをその人たちや国の「性格」として自分勝手に評価するのは慎むべきだろう。特にそれだけで卑下したりするのは最悪だ。異文化の行動の差異の裏には、必ず行動随伴性の違いがあるはず。それを見つけていくのは楽しいし、相互理解にもつながるだろう。

中国人の路上での「つばはき」にもきっとそれなりの行動随伴性があるはず。

アメリカ合衆国政府(教育省)と民間の企業団体が協働で進める「Data Quality Campaign」という巨大プロジェクトが立ち上がった。

民間側の資金は主にマイクロソフトのビル・ゲイツ(夫妻)からの個人的な基金によるものらしい。

上記のHPにあるプロジェクトの概要書を読むと、

・教育を改善していくためにはデータを元にした政策決定が欠かせない。
・現在は政策決定に使える有効なデータが収集されていない。
・行政はこの問題に気づいてはいるが、単独で解決するだけのリソースを持っていない。
・そこで、教育システムの改善に役立つデータを各州で収集し、かつ全国的に相互に利用できるような情報システムを民間が開発して提供する。

とある。

目標は2009年までに50州でこのシステムが運用されることだそうだ。

blogの更新

先週の更新回数は{5}回でした。

chinaABA2004gtomdojos
An Investigation of the Relationship Among Fluency, Application for Multiplication, and Divergent Thinking in Japanese Fifth-Graders. Dr. SATORU SHIMAMUNE (Naruto University of Education) and Dr. Richard M. Kubina, Jr. (Penn State University)

手前みそですが、自分たちの研究のポスター発表。

小学校5年生の、(1)数字を書く、(2)九九、(3)2桁のかけ算、(4)拡散的思考という4つの行動の正答スピード(rate)を測定し、その相関関係を分析した研究。

数字を書く、九九、2桁のかけ算の間には高い相関が見られたが、拡散的思考との間には相関がなく、こうした力を教えるためには別に指導プログラムが必要であることが示唆された(同様のデータは大学生を対象として実験でも得られて、今年の日本行動分析学会で発表した)。

また、日米の小学生のデータを比較したところ、九九、2桁のかけ算ともに、日本の小学生の方が正答率、正答スピードともに有意に高かった。正答率を比べるとどちらも95%以上で天井効果によって教育的には大きな違いにならない(ただし統計的には有意)。しかし、正答スピードを比べるとこの差がもっとはっきりする。さらに、九九よりも2桁のかけ算で差が広がることもわかる。スキナーが提唱したように、行動の頻度を指標とする方が、正答率よりも、より感受性が高いといえる。

それにしても、なぜ、ここまで九九の正答スピードに差が出るのか?

バイオロギング 生物にカメラやセンサーを取り付けて、行動や生態を調べる学問。(中略)日本はこの分野をリードしており、南極のほか、ロシアのバイカル湖、中国の揚子江などで共同調査を実施している。
 データロガーと呼ぶ計測装置は1990年初めは、温度など1種類のセンサーしか搭載していなかった。現在では温度や加速度、進度など複数の情報を同時に測定できるようになり、詳細な行動の解析が可能になった(日本経済新聞 2005.12.4)。

ペンギンなど自然に生活する動物の行動を24時間観察記録することで、たとえば、餌を採りに一緒に潜るペンギンの群れの中には20mくらい潜る個体と30mくらい潜る個体がいて、「どのように意志疎通して潜る深さを決めているか興味深い」(高橋晃周先生@国立極地研究所)など、今まではわからなかった動物の生態が客観的なデータとともに浮かび上がってくるところが面白い。

学会のHPもある(日本バイオロギング研究会)。

ペンギンどころか、自分に取り付けて、自分の行動をグラフ化してみたくなった。

「バイオロギング」という命名もいい(「行動ロギング」より予算もつきやすいのかも)。

ゼミ所属のパパさんたちがご自慢の料理に対する家族からの評価をめぐって盛り上がっています。

カレーと言語行動@徒然なる随伴性日記「もしかして、『おいしい?』って田中さんが聞いて『おいしい』って子どもが答えるのは、エコーイックなのかな?」「いや、もしかしてイントラヴァーバルの可能性も?」

タクト、マンド、イントラバーバル....など、スキナーによる言語行動の分類は、あくまで「機能」の分類であることに注意しましょう。「タクト」や「マンド」という行動が存在するわけではありません。

確かに「この行動はタクト」「あの反応はマンド」という言い方をよくしますが、正確には「この行動はタクトの機能を持っている(タクトの機能が強化されている)」「あの行動はマンドの機能を持っている(マンドの機能が強化されている)」ということなのです。

それに、日常生活では一つの行動が複数の機能を持っていることがほとんどです。逆に純粋なタクトや純粋なマンドを見つける方が難しいほど。

スキナーは一つの行動が複数の機能を持っていることを「多重制御」と呼んでいます。

たとえばカレーを食べて確かに旨いと思ったとき、「おいしい」と聞かれて「うまい!」というより「おいしい!」と答えるようであれば、おそらく味のタクト以外にエコーイックの制御もあるでしょうし、「おいしい?おいしい?おいしい???」としつこく聞かれて「おいしい」と答えることでパパを黙らせることができるのであればマンドの機能もあるかもしれません。

何も聞かないうちに「おいしい!」と自発したからといって、純粋なタクトとは限りません。そのことでパパが嬉しそうにするのを見て強化されるマンド的機能も持っているかもしれないし、「あとでおねだりするのに役に立つかも」というルール支配行動の一部かもしれません。

言語行動の機能を分析することで、「意図」や「気配り」などの詳細な分析が可能ですが、わかったことを相手に伝えすぎると嫌がられますので要注意ですよん(^^)。

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Studying Fluency: Applications in Mathematics and Environmental Education. DR. PHILIP CHASE (West Virginia University)

行動の頻度を高める指導をすることで流暢なパフォーマンス(fluency)が得られる--というのがPrecision Teachingの考え方だ。「流暢なパフォーマンス」とは保持され(retention)、妨害刺激などからの耐性が強く(endurance)、安定していて(stability)、応用がきき(application)、その行動や他の流暢な行動を組み合わせた、より複雑な新しい行動を生み出す(adduction)とされ、こうした特性の頭文字をとってRESAAを目標とした指導プログラムが組まれている。

Precision Teachingは行動分析学のメインストリームとはやや独立した形で発展し、現場の教師を中心にした独自のコミュニティを形成している(Standard Celeration Society)。ジャーナル(Journal of Precision Teaching)も発刊している。

Chase先生は実験的行動分析学の立場から、流暢性トレーニングの効果について実証的研究を進めている。今回の発表ではそのレビューからいくつか問題提起をされていた。

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教育支援アドバイザー派遣で阿南養護学校へ行く途中でみかけた花畑。名前も知らない花だけど、こういう風景を見ると気持ちが和むように感じる。

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こちらは万里の長城。幾重にも重なった山々と稜線上に連なる壁。こういう風景も同じように気持ちを和ませる効果がある。

日常生活に自然環境があるということは、そうした視覚刺激を見るという単純な行動が高頻度で強化されているということだ。来年4月からの強化率低下が若干心配。

blogの更新

先週の更新回数は{5}回でした。

bigbillp

中国の人は細身の人が多い。これに比べると米国人は肥満だらけ。日本人も気をつけないとたいへんなことになる。
(ちなみに自分は出張中毎晩のように飲んで食べていたのに体重を3kg落とし、帰国後すでに2kgリバウンドした。中国4000年の歴史は奥深い)

なんて話を旧友のBill Potterとしていた。あまりにしつこく感じたのか、そんなに言うならダイエットするから協力しろということになった。

帰ってからすぐにメールが届いた。本気らしい。

Hi Satoru! Hope the trip back was a good one - mine was long but uneventful, except for some turbulence. So, I have weighed myself, and it comes out to 210.6 lbs, or 95.53 Kg. Yikes! I should probably weigh in the area of 190, so about 20 lbs overweight. I will check in occasionally and you can prompt me. I am trying to incorporate a bit of exercise in my daily schedule, and to cut out the sweet stuff.

海を越えてのセルフマネジメントサポート。はたしてうまくいくかどうか。

とりあえずベースラインです。

Motivational Procedures for the Treatment of Autism 自闭症治疗的激励程序  (プログラムにあるように中国語を併記してみました)

Chair: Karen Sze (University of California, Santa Barbara/加州大学, Santa Barbara分校)

Promoting the Development of Intervention for Children with Autism in Southeast Asian Countries (Service Delivery).

  促进东南亚国家对自闭症干预的发展

XIUCHANG HUANG, Dr. John Wheeler, Jie Zhang, and Yanhui Pang (Tennessee Technological University/田纳西科技大学)

Understanding Speech Acquisition in Nonverbal Children with Autism Using the Pivotal Response Treatment Approach (Applied Behavior Analysis)

通过关键反应治疗途径使无语言自闭症儿童获得语言(应用行为分析)

KAREN SZE, Dr. Robert L. Koegel, Amanda Mossman, and Dr. Lynn Kern Koegel (University of California, Santa Barbara/加州大学 Santa Barbara分校), Lauren Brookman-Frazee (University of California, San Diego/加州大学, 圣地亚哥分校), and Yvonne Bruinsma (University of California, Santa Barbara/加州大学 Santa Barbara分校)

北京ABAが開催されることになったのは一本の電話から。米国在住の中国人ビジネスマンで、自閉症児の息子が応用行動分析の療育支援を受け、めざましく回復したことに感動し、「これは中国本土にぜひ持ち帰らなければ!」とMaria Malott事務局長に連絡したのだ。

「自閉症」という発達障害の社会的認知が遅れた中国では、年々、自閉症と新しく診断される人が増え続け、現在では40 万〜 50 万人という推定もあれば(呂暁)、180万人という記事もある。

ところが診断されても療育が受けられるとは限らず、ほとんどは適切な指導が受けられていないのが現状らしい。

XIUCHANG HUANGさんによれば、ようやくTEACCHやABAの手法が導入されつつあるところだという。

香港にはKeller School などと同じ、コロンビア大学のGreer先生たちが提唱するCABASモデルの学校もでき、ABAの導入スピードというか加速度は、もしかしたら日本よりも早いかもしれない。

KAREN SZEさんの発表は、ケーゲルらの研究グループのピボタル(Pivotal Response Training)の概略の紹介と、それに行動的慣性(momentum)の知見を組み入れた事例研究の紹介。

行動的慣性(立命大学の武藤崇先生は「行威」と訳している)はけっこう面白い行動現象だし、臨床的にも役立つと思うので次回の徳島ABA研究会で紹介することにしよう。

追記:望月昭先生(立命館大学)が北京の自閉症ABA療育をリードする星星雨教育研究所を見学してこられたらしい。詳しくは望月先生のブログでどうぞ。

dickmasaya
Cultural Versus Biological Determinism

Chair: Dr. Masaya Sato (Teikyo University)

Are Women, People of Color, Asian's, and Southern European's Inherently Inferior to the Rest of Us? (Theory). DR. RICHARD W. MALOTT (Western Michigan University)

East is East, West is West: A Behavior Analysis of Cultural Difference (Theory). DR. MASAYA SATO (Teikyo University)

両者とも持ち味を十分に発揮したお話でした。

私的(わたしてき)ハイライト:

「知能テストで測定されるIQは、本来その人の行動の測度であり、記述的概念でしかないのに、ちょっと油断したスキに、知能指数が低いから〜できないというように説明概念として誤用・濫用されてしまう」(Malott先生)。

まったくその通りだと思う。「運動能力」「集中力」「問題解決能力」など、世の中にはこの手のエセ心理学的概念がはびこりすぎだ。

「日本と米国では、名刺や手紙の宛名における名前や所属の位置関係が異なり、それが両者の文化の違いを示している」(佐藤先生)

行動随伴性の違いから生まれる文化的習慣や言語のこうした分析は佐藤先生のお手のもの。お見事としか言いようがない。米国人の聴衆にはブッシュが「私が世界の中心」と叫ぶスライドがウケてました。

(画像は日大の眞邉一近先生からいただきました)

スパムの嵐

トラックバックスパムが止まらない。

お知らせ」によれば Niftyも対応に苦慮しているようだ。スパムの増加によって夜中はほとんど更新できなくないくらいスローダウンしている。

やはり、管理者の許可がないと反映されないようにするしかないのではないだろか。

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