2005年10月アーカイブ

少し前になるが、日経新聞のコラムでプルースト効果のことが取り上げられていた。

匂いが記憶を呼ぶ現象を「プルースト効果」という。名前の由来はフランスの文豪の大作「失われた時を求めて」だ。主人公の「私」は、紅茶で湿らせたマドレーヌを口にした途端に、まるでページを繰るように過去の自分を取り戻した。人間の脳内で、嗅覚が情報の倉庫を鍵を握っているのは間違いないらしい(日経新聞(春秋)2005.10.17)。

フランス文学は読んだことがないが、この「プルースト効果」についてはスキナーの著書 Verbal Behavior でも取り上げられている。

なぜ、大昔の記憶が匂いによって突然蘇ることがあるのか? スキナーは、この現象を稀に複合する複数の条件刺激が誘発するレスポンデントとして解釈している。

紅茶の味や温感、マドレーヌの食感など、それぞれの刺激は日常的に繰りかえされることが多く、そのたびに他の多くの刺激と対提示される。ということは以前対提示された刺激は対提示されないということで、レスポンデントの消去が起こる。

ところが、ある温度の紅茶とそれにしっぽり濡れたマドレーヌの食感という組み合わせがとても稀で、他の刺激と組み合わされる機会がなければ消去も起きない。

だから、何年かたってからその組み合わせが再び提示されると、昔に対提示されたレスポンデントが消去されておらず誘発されるというわけだ。

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先週の更新回数は{4}回でした。

keizaisihyo

『新版 経済指標を読みこなす』朝日新聞経済部 (編集) 講談社現代新書 (1993/07)

先頃実施された国勢調査に関しては、その手続きや利用価値に関する疑問や批判が全国あちこちでわきあがった。

政府は国勢調査以外にも莫大な予算を投じてさまざまな統計をとっている。しかしながら、時代のニーズにあっていなかったり、重複が多かったり、効率が悪かったりと、大幅な見直しを求められているところである。

この本では政府が統計をとり公表しているさまざまな経済指標について、その意味(捉え方)や問題点を解説している。ただ、「新版」とはいえ、すでに10年前に出版された本なので、データは古く、改訂を期待する。

講談社現代新書からは この他にも『金融指標を読みこなす』という本がでているのだが、ぜひ『教育指標を読みこなす』とか『行動指標を読みこなす』なんて本も出してほしいな。

最強のファイナンス理論』で紹介されている認知心理学の知見の一つ。“リンダ問題”と呼ばれる課題を引用して、行動分析学から解釈してみよう。

ここにリンダという名の女性がいるとする。彼女は31歳。独身で非常に知的で、はっきりものを言う女性である。大学時代は哲学を学び、学生の頃は社会主義と差別問題に関する活動に深く関わっており、核兵器反対のデモにも参加した。さて、あなたが、この女性の今を推測する場合、以下の二つの選択肢のうち、どちらの可能性が高いと考えるだろうか。

(1)彼女は銀行員である。
(2)彼女は銀行員で、女性運動で活動している。

正解は(1)。一つの条件を満たせばいい場合(1)と二つの条件を満たさなければならない場合(2)とでは、前者の方が可能性が高いからだ。

ところが、この課題では(2)と答えてしまう人がかなりいる。これが“連言の誤り”と呼ばれる。そして、認知心理学からの解釈は以下のようになされる。

UFJ銀行のATMに隠しカメラが仕込まれていた事件。

ATMには防犯カメラがあるのにもかかわず、リアルタイムでは監視されていないということが、全国的にバレてしまったという点で大問題だと思うのは私だけだろうか。

防犯カメラの映像から、引き出しや記帳など、通常のATM利用行動以外を自動的に検出し、警備会社に連絡したり、そのATMに警告刺激を提示する(「どういたしましたか?」のような音声を流すとか)システムは開発できないのだろうか?

コンピュータに無理ならハトに観察させたらいい。ヒトの存在を検出させる実験とか、絵の描画スタイルを区別させる実験など、曖昧で抽象的な刺激クラスの弁別を教えられることがわかっているのだから。

今こそ実験的行動分析ラボの出番だ!?

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画像は「言葉の通じない動物に、どうやって教える?」から。

「最強のファイナンス理論」とは、“ノーベル経済学賞に輝いた理論を生みの親とする新しい経済理論であり”(p.3)、その正体は、“心理学の知識を使って、金融市場の動向を解析しようとする”『行動ファイナンス理論』だ!というところを立ち読みして即購入。

もしかして坂上貴之先生(慶応義塾大学)が研究している「行動経済学」のこと?と思って飛びついたのだが、ここでいう「心理学の知識」とは、主に認知心理学の知見だった。

初頭効果、親近効果、プライミング効果、アンカーリングなど、十年以上前に学生時代に勉強した昔ナツカシの概念で投資家の行動にあてはめて解釈するのが中心。

こういうのは一つひとつの現象は確かに面白くて、50へぇ〜以上が連続するんだけど、じゃぁどうして人はそういう意思決定や選択の誤りを犯してしまうのか?という問いにはうまく答えていないような気がする。

「だってそういうスキーマがあるんだから」じゃ答えになってないと思うんだけど。

たとえば.... は今度時間があるときに。

本書の巻末に坂上先生・広田すみれ先生らの共著『 心理学が描くリスクの世界—行動的意思決定入門』が紹介されていたので、Amazonで注文。どちらも大学院の先輩です。

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先週の更新回数は{5}回でした。

徳島ABA研究会に関西学院大学から道城裕貴さんがゲストスピーカーとして登場。

神戸市が取り組んでいる、地域の大学と小学校の連携による通常学級への特別支援事業についてお話ししていただいた。

詳しくは徳島ABA研究会のHPに資料がアップされると思うのでそちらをご覧頂きたいが、現在、神戸市内の253の小学校のうち、56校が参加し、各学校に近隣の大学から学生・院生が3人、週1〜2日、大学の教員の指導のもと、現場のニーズにあった支援を研究をしながら行なうというモデルは魅力的だ。

うまくいっているところもあれば、そうでもないところもあるという話だったが、事例を積み上げて、うまく連携するための条件が明らかにされていけば、他の自治体で同じような取り組みをするときにとても役に立つ情報になるだろう。

ちなみに道城さんは関西学院大学大学院博士課程在籍(D3)。松見淳子先生の元で、行動分析学・臨床心理学を学んでいる。来年には博士論文を提出して修了予定とのこと。研究者志望ということだが、こういう貴重なトレーニングを積んだ若きPh.D.たちが活躍できる機会が増えるといいと思う。

dojo_20051021

懇親会の写真です。そーいや人間ポンプの親分として一芸披露してもらうのを忘れてました。
また次の機会に (^^) 。

友達や友達の子どもが任天堂のDSに夢中だ。

ペンで操作するというところが新しい。ボタンを押す代わりにペンでタッチするというだけでは、どちらも selection-based な弁別反応で新鮮味がないのだが、たとえば多岐選択の場合、カーソルで移動してボタンで選択するよりは圧倒的に簡単に素早く反応できるというところが強化的なのだろう。それに、中にはなぞり行動なでる行動を引き出すゲームもあり、もっとtopograph-based な弁別反応を使うソフトがでてくれば面白さも倍増するのではないかと思う。

先日、友達に借りて大爆笑したのが、やわらかあたま塾のこのゲーム。

DS

天秤にかかっているキャラクターのうち最も重いものを選ぶ。最初は天秤が一つで単純だが、だんだん天秤が増えていく。

A < B で B < C なら、A < C  .... なんて、Hayes & Barnes-Holmes もびっくりの Relational Frame Theory だったりする。

しかも、上の画像にあるように = もあるし、< > の向きも変わってくるから、めちゃくちゃ複雑になってくる。

キャラクターもいろいろあるから、Horne & Lowe の Naming Theory が必要になってくるし、どうしたって直感的には正答できず、 Palmer が指摘するように、「えっと、これはこれより重くて、こっちとは同じだから...」といった中間的なタクトやイントラバーバルが内言どころか外言したりする。

ABAへ持っていってプレゼンしたら大ウケ間違いなし。

hokkyodai-kiyo

北海道教育大学旭川校・特殊教育特別専攻科(情緒障害教育専攻)の研究紀要。

主に卒業生や修了生でつくる北海道教育大学情緒障害教育学会の研究誌でもあり、近隣の学校で行われた事例研究がふんだんに掲載されている。

TEACCH の構造化の考え方や応用行動分析学を取り入れた事例も多く、特に学校の先生たちには参考になると思う。

詳しくはこちらから。

学校教育の質を継続的に向上させていくためには、このように、教師が研究にもとづいた実践を続けていけるような構造が欠かせない。大学や大学院を卒業・修了後の支援こそ、教員養成系の学部や大学院が力を入れるべきところではないだろうか。

「卒業生の教員就職率」と「大学院生の定員充足率」の2つのみに評価の重点が置かれている近視的な現状の改善が望まれる。

discretionaryeffort-ADI

去る7月の日本行動分析学会で開催された、ダーネル・ラッタル(Darnell Lattal)先生の公開講座で話題になった『自発的努力(Discretionary Effort)』 についてのフォローアップ。

『自発的努力』とは、いわゆる正の強化には「やりたいから自分から進んでどんどんする」というプラスの効果があるが、負の強化には「やりたくないけど、最低限必要なことだけをする」というマイナスの効果があるという考え方だ。

公開講座のときにフロアからの質問にラッタル先生が答えていたように、科学的に証明された厳格な法則というよりは、経営者や管理職などに正の強化の大切さを伝えるためのプレゼンツールであると考えた方がいいだろう。

この図はわかりやすくてインパクトがあると思ったので、引用できる文献について後でラッタル先生に質問したのだ。

そこで判明したこと。

『自発的努力』の考え方やこの図は、オーブリーダニエルズ・インターナショナル社(以下、ADIと略記)が著作権と商標を獲得しており、ADIに無断で商用利用することはできないようになっている(ライバルのコンサルティング会社がたびたび同社の知的財産権を侵害することをしたためこのような措置をとったらしい)。

ADIは行動分析学やパフォーマンスマネジメントの考え方が世の中に広まっていくことにはもちろん積極的である。ラッタル先生のご好意で、以下の情報をいただいた。『自発的努力』の概念や図を引用する場合には参考にしていただきたい。

各学校でコラボレーションプロジェクトの事例研究がスタートしている。今年は10の学校で60事例が展開中。進め方は各学校それぞれだが、教育支援アドバイザー派遣制度を活用し、午前中は授業観察を行ない、午後に事例検討会をするというパターンが定着化しつつある。

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事例検討会では対象児の実態、指導目標の妥当性、記録の取り方、指導の手だてなどを話し合い、その後は掲示板やデータベースを使ってネットを使った遠隔支援をしていく。

授業観察というのは時間も拘束されるし、私にとっては疲れる仕事なのだが、事例の他にもいろいろ面白いことを発見できるので、けっこう楽しんでいる。

ピーコの辛口ファッションチェック並みに、教材や指導方法や授業展開にツッコミを入れるので、観察される先生たちにとってはハラハラもんだろうが、私にとってもいい勉強になるので、実はたいへん感謝しているのだ。

ただ、その場その場でコメントするだけで終わってしまうので、後に何も残らない。もったいないので、できるだけブログに書き留めておくことにする。

今回は養護学校などで「自立課題」としてよく使われている「1対1対応」課題。下のような教材で、アイテムを一つずつ置いて行く作業だ(写真は国府養護学校の教材データベースから借用したもので授業観察したものとは違います)。

one2one

これができるようになれば、たとえば、給食の準備をするときに、お盆に一つずつ牛乳パックを置いて行くといったお手伝いができるようになる...という目論見だそうだが、そうそううまくいかないこともある。

自立課題で「1対1対応」ができているのに、お盆に一つずつ牛乳パックを置けない(数個をいっぺんに一つのお盆に置いてしまう)児童の学習場面を観察した。

そこで発見したこと。

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先週の更新回数は{5}回でした。

「総務省がネットの匿名性を排除しようとしている」 -- ある新聞記事をきっかけにブログ界に広がった反響。総務省が「ネットに匿名性は不可欠」と弁明のようなコメントをだしたことで落ち着いたようではあるが、いろいろ考えさせられた。

というのも、ここ数年、コラボネットやこのブログをみて相談のメールを送ってくる人たちの中に「匿名」がとても増えているからだ。

掲示板での質問やブログへのコメントならまだわかる。でも、わざわざメールだして相談したり、質問したりするのに、どこの誰だか明かさないというのは、なんだか不思議な気がする。

たとえばの話だけど「ぺこりん」とかいうハンドルの人、電話してきて「こんにちは、ぺこりんですけど」って、ヘンでしょう? はっきり言って、失礼だと感じてしまう(←加齢現象か?)。

ネットでの匿名性は保障されるべきだが、匿名性に慣れてしまって現実社会でのソーシャルスキルが低下しないといいのだが...

ちなみに、オンライン=バーチャル(仮想)、オフライン=リアリティ(現実)という、メディアがとる区分は単純すぎ。このブログだって本人が実名だしてやってるわけで、ほんまもんの世界で勝負してるんだからさ。

子どもの学力向上に役立つのは塾や予備校と回答したのは70.1%。学校の方が優れているとしたのは、わずか4.3%。

現在の学校教育について満足しているのは13.0%。不満であるという回答は43.2%。

という新聞報道を読んで、文部科学省もようやくまともな調査と公表をするようになったなぁと思ったら、なんとこれは文科省ではなく、内閣府の規制改革・民間開放推進会議による調査報告だった。

同会議のHPを見てみたら、他にも「文部科学省への質問状」として、

大学における単位取得等を基本とした現在の教員免許制度は効果的に機能していると判断しているか。その場合、その判断の根拠を、実証データがあればそれも含めご教示いただきたい。

など、とても鋭い質問を投げかけている(現時点では未回答)。

過去には教員養成分野における専門職大学院について質問と回答のやりとりが掲載されているが(6月)、文科省からの回答は会議資料の開示に終始していて、内閣府からの質問(現在の教員養成課程の上に専門職大学院を作ることで、他領域から多様な専門性を持った人が教師になる可能性を狭めてはしまわないか)には答えていないように思われる。

こんなところでこんなバトルが繰り広げられているとは.... 注目です。

面白いサイトを見つけた。

konnichiwa-bokumetsu
『こんにちわ』撲滅委員会とは「こんにちわ」表記撲滅のために戦い「こんにちは」表記を広く普及させようという趣旨のもとに設立された団体である。【2002年8月13日開設】

友だちとのメールのやりとりでは年甲斐もなく絵文字・顔文字を多用しているせいか、ときどき仕事のメールを書いているときに、あれ(・・?) こんにちハだっけ?こんにちワだっけ、なんて混乱することがある。

上のサイトはあくまでシャレだそうだが、それにしてはマジな反響が多かったみたいでけっこう笑えた。

今は亡きLindsley先生が「アメリカでもインチ(inch)やフィート(feet)をやめてメートル法だけ使うようにすれば学校で2重に教える必要がなくなり、授業時間の短縮になり、子どもの混乱も少なくなる。どっちにしろ2つのシステムをマスターしている人は少ないんだから」と嘆いていたのを思い出した。

「こんにちわ」に関しては自分ではどっちでもいいような気がする。でも、やたら杓子定規で、「こんにちわ」を見るたびに「小学校の教育も受けていないのか!」とシャレもわからず感情的に反応する人たちを遠めに楽しむのもオツだから、このままがいいかも。

何年か前に話題になった本。

「すべての富のうち6人が59%をもっていてみんなアメリカ合衆国の人です」など、50へぇ〜くらいの豆知識情報本だが、世界を測るいくつかの指標をプレゼンしている本としてとらえたら面白い。

「○○党のマニフェストにはこれからの日本の在り方が見えてこない」とか「○○総理にはビジョンがない」といった批判があるが、社会のビジョンとか“在り方”を表現する方法はなかなか難しい。お題目になってしまっては意味がないしね。

たとえば、日本の現在と未来の姿を、この本で取り上げられている指標や、もっと重要だと思われる他の指標を使って記述してみたら、とてもわかりやすいプレゼンになるのでは?

国だけじゃなくて、○○大学や(株)○○産業のような各種組織の理念を具体的にイメージするのにも使えるかもよ。

世界がもし100人の村だったら世界がもし100人の村だったら
池田 香代子 C.ダグラス・ラミス

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コラボをしている国府養護学校ではすでに個別の指導計画に通知表の機能を持たせることにしたそうだ。附属養護でも検討中らしい。

これらの養護学校では、学期初めに個別の指導計画を作成するのに多大な時間と労力をかけている。児童・生徒の実態把握、保護者とのミーティングの積み重ね、学年や学部での話し合い... だから、学期毎に評価し、保護者とコミュニケーションする手段としては、従来の通知表よりむしろ適切だと思う。

ただ気をつけなくてはならないこともある。個別の指導計画には、あくまで重点的な指導目標のみが掲載される。学校で行われるすべての指導について記載されるわけではないから、この点について保護者との同意が必要だろう。

指導目標をできるだけ具体化し、達成の程度を客観的に評価することはもちろん重要なのだが、そうすることで指導の効果《だけ》が評価されるようになってもいけない。

子どもが授業や授業以外の学校生活をどのくらい楽しめたか、また、保護者が指導方法や活動をどのくらい適切だと感じたかも重要な評価の観点だからだ。

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先週の更新回数は{7}回でした。

のび太が自閉症?という流言の元かもしれないと思って読んでみたのが、このシリーズの第4弾−−『のび太・ジャイアン症候群4 ADHDとアスペルガー症候群—この誤解多き子どもたちをどう救うか』司馬 理英子・加藤 醇子・千谷 史子【著】主婦の友社。

ところが、のび太をアスペルガー症候群として書いてあるのはたった一箇所。なんだこれ?(←怒り半分、あきれ半分)。

仕方ない。乗りかかった船だ。シリーズの1から3も読んでみた。

のび太・ジャイアン症候群4 ADHDとアスペルガー症候群―この誤解多き子どもたちをどう救うかのび太・ジャイアン症候群4 ADHDとアスペルガー症候群―この誤解多き子どもたちをどう救うか
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珍品お宝発掘隊第3弾。

林 義樹(1990)教育工学に関する基礎的研究 : 第2章スキナーとティーチング・マシーンの理論化 中村学園研究紀要(人文・社会科学編), 22, 65-73.

スキナーの生い立ちから、ティーチングマシンを開発するにいたった経過まで解説している論文を発見。

娘の授業参観に行ったとき、その授業があまりにひどかったので、ラボに帰ってさっそくティーチングマシンの開発に取りかかったというエピソード。

つまり、当時の学習心理学からわかっていた教えるためにすべきことはほとんどせず、すべきではないことばかりしていたという、学校教育における研究と実践のギャップがきっかけだったという話。とても興味深い。

j-aba2005voting

日本行動分析学会の理事選挙の開票速報が送られてきました。

選挙によって10名が選出され、残りの10名を互選することになります。ですので、最終的な顔ぶれは10/23(日)に明らかになります。その後、会員の皆さまには事務局から正式なお知らせがなされるはずです。

ここでは一足先に最終投票率をどこよりも早くスッパ抜きます(??)。

投票率は33.6%(投票総数142/有効投票総数423)。これは前回よりも11.2ポイントのアップです。

夏の衆院選の盛り上がりがキャリーオーバーしたのでしょうか。参加型学会(←勝手にそう呼んでます)の面目躍如ですよ。

上の図はJ-ABAニューズの過去記事から投票率を抜粋したものです。今回、投票行動がジャンプしたことがわかりますよ(拍手)。

この調子で、次回は年次大会での懇親会参加率レベル(90%以上?)を目指しましょう!

青い財布は「金が流れていく」そうだ。テレビで風水の人が解説していた。私の財布はモンベルのブルー。どおりで貯金ができないわけだ。ちなみに赤い財布は「お金を燃やす」そうで、こちらもお金は貯まらない。貯めようとしたら黒い財布に変えるべきらしい。

バカな話。と一蹴するのは簡単だが、よくよく考えてみると、効果がまったくないとも断言できない。

血液型性格説にしろ、風水にしろ、こういう迷信的なルールを信じている人は、ふだんからルールについて考える頻度が高いはず。

買い替えた黒い財布を片手に夕食のおかずを買いに行くたびに「そうそう。黒い財布に変えたんだから、もう無駄遣いはしないわよ」(←主婦をイメージして下さい)とルールを自発し、これまではついつい無駄に買って腐らせていた安売り商品の購入を控えるかもしれない。

青い財布は「金が流れていく」そうだ。テレビで風水の人が解説していた。私の財布はモンベルのブルー。どおりで貯金ができないわけだ。ちなみに赤い財布は「お金を燃やす」そうで、こちらもお金は貯まらない。貯めようとしたら黒い財布に変えるべきらしい。

バカな話。と一蹴するのは簡単だが、よくよく考えてみると、効果がまったくないとも断言できない。

血液型性格説にしろ、風水にしろ、こういう迷信的なルールを信じている人は、ふだんからルールについて考える頻度が高いはず。

買い替えた黒い財布を片手に夕食のおかずを買いに行くたびに「そうそう。黒い財布に変えたんだから、もう無駄遣いはしないわよ」(←主婦をイメージして下さい)とルールを自発し、これまではついつい無駄に買って腐らせていた安売り商品の購入を控えるかもしれない。

待望の新書判『行動分析学入門』登場!

望月昭先生(立命館大学)が評するように、まさに“1日で読める行動分析学の基礎テキスト”としてお奨めの一冊。

一つだけ気になったこと。

副題のとおり、本書では行動随伴性の考え方を“ヒトの行動の思いがけない理由”として紹介している。

たとえば、メガネをかけるのは目が悪いからではなくで、メガネをかければよく見えるから(強化されるから)というように。

それを説明するのに次のような図を使っているのだが、これが初学者にとって誤解の元にならなければいいなぁと、少々心配している。

行動分析学入門―ヒトの行動の思いがけない理由行動分析学入門―ヒトの行動の思いがけない理由
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このところ、教員研修の講師をするたびに、過去1ヶ月で仕事のための本を何冊読んだか、参加者の先生たちに尋ねることにしている。

特別支援教育コーディネーター研修とか自閉症など軽度発達障害に関する研修が多いので、そういう関係の本なら何でもいいという条件で質問するのだが、5冊以上読んでいる人は数パーセントしかいない(150人くらいの会場で2-3人)。

1-2冊という人が半分くらい。残りの先生は本を読んでいないことになる。

最初は驚いて何かの間違いだと思っていたけど(遠慮して手を挙げないとか)、親しい先生たちに聞き取り調査をしてみると、あながち不正確な統計でもないようだ。

聞き取り調査から類推される要因は以下の通り。

たまたま見つけた珍品論文(?)。お宝発掘隊第2弾。

橋本茂(1994)心理学者B.F.スキナ-との対談 明治学院論叢, 542, 63-83.

社会学者のG.C.ホーマンズによるスキナーへのインタビューの邦訳。オリジナルは Homans, G. C. (1977) A conversation with B.F. Skinner, Psychologist. Harvard Magazine. ということだが、まず、雑誌記事の翻訳文が論文になっていることに驚いた(こんなのあり?って感じで)。

内容は、もし人間行動が「自由意志」ではなく遺伝や過去の学習や現在の環境などによって決まるなら「責任」の所在はどこにあるのか?とか、“ウォールデンツー”のようなユートピアは実現可能なのか?とか、利他的行動はどのように生まれるのか?など、哲学的な話題に関する会話がほとんどで、まとまりはない。

ですます調とである調が混在した訳文もフシギな雰囲気を醸し出している。

スキナーが自らの愛児を「エアクリブ」というベビーベッドで育てたことに対する誤解や根拠のない噂話のこともでてきて、トリビア情報としては面白かったかな。

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先週の更新回数は{5}回でした。

通常学級に在籍する軽度発達障害児への支援に学校をあげて取り組んだ東京都文京区駒本小学校の研究報告書。

校内委員会をいかに機能させるか、そして個々の子どもたちをいかに支援するか、チェックリストや指導内容(教育課程)、指導方法など、先生たちがすぐに使えそうなツールが満載で、これから同じような取り組みにチャレンジしようとしている小学校には重宝しそうな本である。

学校という組織には、学校教育という文化のせいなのか、なんでもかんでも自分たちで一からやろうとする悪癖があるような気がする。うまくいっているところの真似から始めて、自分たちの学校にあうように改良していった方が早道なのに...と思うことが多い(ボソっ)。

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