ゲームで自閉症になる? -- トンデモないです

tetris_03

自閉症の特性として「注意の範囲が狭い」「シングルフォーカス」「見通しがきかない」などが上げられることがある。

これって、どんな感覚なんだろう? って想像してみた。たとえば、雨や霧で視界が悪いときに時速60kmで運転をしていると、ふだん100m先まで見えるのが、十数メートル先しか見えなくなったりする。もちろん、怖くてスピードを下げる。次に何が起こるのかわからないのはとても不安な状況である。

霧の中の運転みたいな状況をもっと安全で楽しく作りだせないか?と考えるうちに、そうだ「テトリス」はどうだろう?と思いついた。「テトリス」のようなゲームだと、先行きの見通しが苦手だとうまくプレイできない。だから、もしかして自閉症の子どもたちは「テトリス」が不得意ではないだろうか?  それでも、即時強化があるTVゲームやパターン化した型はめみたいなのは好きな子どもたちも多いから、もしかしたら「先を読む」行動の学習教材として利用できるんじゃないかな? なんて思ってネットサーフィンしていた。

すると自閉症児のお父さんのサイトで、テトリスが得意なお子さんがいることがわかった。学習教材として使える可能性が確認できた。

ところが、同時にとんでもない情報もどんどん見つかった。曰く「ゲームで自閉症になる」という話。

どうやら「ゲーム脳」というコンセプトで話題になった日大の森昭雄氏の発言があちこちで取り上げられていて、「ゲームで自閉症になる」もその一つのようだ。

もちろん、これはありえないトンデモ説。この件に対する日本自閉症協会東京都支部のコメントがこちらに掲載されている。

森氏は講演などで、テトリスはロシア(旧ソ連)で兵隊の(殺人)訓練のために開発されたゲームであるとも発言しているらしい。

え〜まじで? そんなことがホントで暴露しちゃったら、旧KGBに暗殺されちゃうのでは?と心配しながら、ネットでいろいろ調べたが、そんな話はみつからない。ちなみに開発者の一人による解説はこちら

ゲイムマンのコラム“トンデモ”という言葉を世に広めた「と学会」の定義によると、“トンデモ本”というのは、「著者が意図したものとは異なる視点から楽しめるもの」、具体的に言うと、「著者の大ボケや、無知、カン違い、妄想などにより、常識とはかけ離れたおかしな内容になってしまった本」のこと。
である。

2年前、岡山大学の長谷川先生をお招きして「論理的思考講座:トンデモ世界のリテラシー」なるものを開催したことがある。トンデモ世界に惑わされずに本質を見抜くための論理的思考を身につけましょうというのが狙いの講座であった。長谷川先生の講演はこちらから。

ちなみに「ゲーム脳」関係について、批判的な情報はこちらのサイトで閲覧できる。このサイトにも散見されるように、世の中の多くの人は、大学の先生や「医学博士」が言っていることに間違いはないだろうと、素朴に信じてしまう傾向になる。

自分もこのweb日記で新たなトンデモ説を作りだしたりしないように注意したいと思う。

トラックバック(3)

私が、成澤達哉である。 - 理解あるブロガーたち (2005年3月 8日 23:50)

森昭雄という人をご存知だろうか。  日本大学の教授で、「ゲーム脳の恐怖」をことあるごとに主張する人である。  氏の主張は「テレビゲームをやることによって、... 続きを読む

ロテ職人の臨床心理学的Blog - 本日のゲーム脳 (2005年3月16日 08:14)

2/27のエントリー、ほんとにもうどうしようもないねで、『ゲーム脳』なんてアフォなことを言っている人が公演で「ゲームが原因で自閉症になる」というトンデモ発言をし... 続きを読む

後藤和智事務所 -若者報道と社会- - 俗流若者論ケースファイル07・森昭雄 (2005年3月24日 11:03)

長らくお待たせしました、今最もホットな曲学阿世の徒、日本大学文理学部体育学科教授・森昭雄氏の登場です。森教授といえば、2002年に著書『ゲーム脳の恐怖』(NH... 続きを読む

アーカイブ

法政心理ネット