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自閉症児に辞書の使い方を教える?

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西南女学院大学の服巻繁先生が、最近ご翻訳された以下の2冊を送って下さった。

『アスペルガー症候群と高機能自閉症−その基本的理解のために−』 メジボフ, G.B.・シェア, V・アダムス, L. W. 著 服巻繁・梅永雄二・服巻智子 訳 エンパワメント研究所 2003

『見える形でわかりやすく−TEACCHにおける視覚的構造化と自立課題−』 ノースカロライナ大学医学部精神科TEACCH部編 服巻繁訳 2004

後者にはワークシステムで使われる課題の例がカラー写真で紹介されている。

いくつか興味を引く教材があるが、中でも「絵による辞書」というのが面白い。

画像は30ページに掲載されている「左上の容器から、集める野菜か果物の数を示した指示書を1枚取り出し、左下の絵による辞書を参照しながら組み合わせる」課題。

「辞書を使う」という行動を系統だって教えるプログラムがこれまでどのくらい開発されているのかわからないが、こんな単純な教材でもうまく使えば教えられるのかもしれない。

おそらく、最初は実物とひらがなのマッチングができている組み合わせで練習し、セットの中に1つか2つくらい、実物は分かるが(見たことがあるが)ひらがな単語カードとのマッチングはできていない組み合わせを入れてみるというところから始めるのだろう。

でも、そうすると、辞書をめくるとか、見開きページの中から文字カードを同じものを同一マッチングで探すという行動が入るから、最初は辞書の「単語数」は少ない方がいいのかもしれない。

あるいは、知らないはずの組み合わせだけ、太い枠でくくっておくなど、プロンプトを使ってもいいかも。

「辞書の使い方をマスターした」というためには、実物も知らないし(見たことがないもの)、もちろん名前とのマッチングもできていない組み合わせが初めて提示されたとき、辞書を使って回答できることが必要になる。

事例研究として取り上げたら、なかなか面白い実践研究になるのではないだろうか?

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さっそく校内教材データベースで検索してみました。

 「辞書」で4件。「ディクショナリー」で4件。「絵andジグ」で12件ヒットしました。

 絵による辞書をうまく工夫したり、実際に活用している先生方は、けっこういるようです。

 島宗先生がかかれているところまで、意識して取り組めば、今後も役に立ちそうですね。実践研究のテーマの一つにもなりそうですね。

 校内データベースは、この本の英語版が元々のヒントになっています。

 項目で空欄になっているところに「課題の難易度」というのがありますが、この項目にジグのレベル(視覚的指示)や視覚的な組織化、明瞭性などをどなんぞして表記しようとしたのですが、そのままになってしまっているのです。どんどんデータが増えて追いつけていないのです。

 実践研究グループの今後の課題として残っています。が、どなたか、卒論とかで調査、あるいはレポートしてまとめてみたい方がいらっしゃったら協力するのですが。

そうですね。教材データベースはたくさんの例を蓄積することで、「こんな教材も使えますよ」と見本を示せるところが素晴らしいですが、できれば、この教材を使ったら、次はこれをやって、これをやって、これができるようになったら就労や余暇のこんな活動や課題ができるようになります...みたいな、課題間の関連というか連続性も示せたらいいですよね。

今週末に帝京大学で開催される、日本行動分析学会の年次大会で、徳島には共同研究を受け入れる学校がたくさんありますよ!と宣伝してきます。

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