今年の年次大会は小樽で開催されます。昨年と同じように,会員でなくても参加できる公開講座が開催されます。以下,その情報を転載します。北海道で行動分析学会の年次大会が開催されるのは,1999年北海道医療大学以来です。近隣・近郊にお住まいで興味がある方はぜひ奮ってご参加下さい。

行動分析学会 公開講座

タイトル:応用行動分析学アプリケーション -子育て・発達支援からメンタルヘルス・リハビリまで-
日 時:2019年9月1日(日) 13:00~16:30
場 所:小樽市民会館一号室
定 員:100名(申込先着順)
参加費:3,000円(年次大会参加者は2,000円) ※会場にて徴収
お申込:reoncounseling@gmail.comまで①氏名②ご所属③連絡先アドレス④電話番号を記入の上でお申し込みください。

この公開講座の案内はこちらから

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 大人買いした沢山の本から,初心者向けにどれか一冊選ぶなら,これですかね。『独学プログラマー --Python言語の基本から仕事のやり方まで--』 Pythonの大枠をざっくり学べます。読みやすいし,見やすいし,例も豊富です。

 Kindle版を購入したのも大きかったかもしれません。まずはiPadでざっと読み,その後はMacでプログラミングしながら,わからないところをMac用Kindleで検索して調べられるので便利です(即時強化 & 高強化率)。オライリーなどのバイブル本も買ったし,一時的にKindle unlimited契約して,山とでている入門書もぱらぱら見ましたが,結局はこの本かネット検索かで落ち着きました。

 とはいえ,本のレイアウト(文字の大きさや書体,ページレイアウト)や執筆スタイルなどに関しては個人的な好き嫌いがけっこう影響するでしょうから,やはりお薦めはお金があれば大人買い,お金がなければ書店や図書館などで何冊もぱらぱらめくって,これ!という参考書を探すという昔ながらの方法だと思います。文章が読みやすく(短文),コードのサンプルが多く,ただし,複雑なプログラムを作るような長いコードではなく,コマンドごとに最小の(最短)のコード例が複数あるものが最初は使いやすいでしょう。そして可能な限り,その電子版を購入しましょう。

 なお,Kindle unlimitedで読める低価格の本は内容もそれなりというものが多かった印象があります(なので私はすぐに解約しちゃいました)。

  • Althoff, C. (2017). The self-taught programmer: The definitive guide to programming. Triangle Connection LLC. Professionally (コーリー・アルソフ 清水川貴之・新木雅也(訳) (2018) 独学プログラマー --Python言語の基本から仕事のやり方まで--日経BP社)

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 PythonとKivyで実験制御プログラムを開発していくときに便利なのがIDE(Integrated Development Environment)と呼ばれる統合開発環境システムです。
 開発するプロジェクトごとにプログラミング言語やそのバージョン,組み込むモジュールなどを設定した仮想環境を構築でき,言語ごとのコーディングルール(予約語や字下げなど)も表示に反映されるエディターも完備されているパッケージです。
 「python(もしくはお使いになるプログラミング言語) IDE」で検索すれば無料,有料版ともに色々なシステムの情報が得られることでしょう。自分はPyCharmのCommunity Editionを使っています。こんな優れものが無料で使えるということに驚きますし,cを秀丸で書いていた自分にとっては時代の流れを感じます。
 RをRStudioで使うと10倍楽になるとすれば,PythonのプログラムをIDEありで書くと100倍楽になる感じです。
 IDEをインストールし,まだインストールしていなければPythonとKivyをインストールすれば,プログラム開発準備が整います。
 そしてここからさらに時代の流れを感じることになります。学習方法に関してです。昔は,プログラミング言語の教科書や解説書が必須でした。オームやオライリーにはほんとうにお世話になったものです。
 今回,PythonとKivyと学ぶにあたっても,Amazonで教科書を大人買いしたのですが,結局,プログラミングを始めると,本にあたることはほとんどありませんでした。なぜなら,ほとんどすべての情報はネットのどこかにあるからです。たとえば「python 文字列 削除」で検索すれば,コーディングに必要なルールや,何よりサンプルが大量に見つかります。それをコピペして試し,期待通りに動作すれば,自分の用途にあわせて使うし,期待通りに動かなければ他のサンプルを試したり,コードの一部を変更してみます。動くようになるまで繰り返していくうちに,文法やモジュールに関するルールも学べ,コーディング(プログラミング行動)もシェイピングされていきます。
 ちなみに,昨年(2018年)のゼミ合宿では,R, RStudio, tidyr, ggplotを使ってビッグデータを解析する実習をしたのですが,宿のネット環境が悪く,課題は遅々として進みませんでした(学生さんたちには申し訳なかったです)。
 そうです。時代の大きな流れの一つは,今やプログラミングはネット上の情報を検索し,活用しながら進める行動だということなのです。
 そうした学習を支援するシステムもあります。たとえばQiitaは「プログラミングに関する知識を記録・共有するためのサービス」で,ユーザーが様々な言語やモジュール,システムなどに関する情報を提供し,公開しています。

 プログラミング教育が来年から小学校で必修化されます。教材や指導方法などに関し,すでに色々な試みが始まっているようですが,的はずれな議論が多いと感じています。とにかく,少なくとも一斉授業や講義などで教えようとしないで欲しいと思います。
 プログラミングは言語行動です。基本的にはコンピュータに対して命令するマンドとマンドを詳細に作用させるオートクリティックから成り立ちます。英語など,第二言語を習得しようとしたら,その言語が話されている場所で暮らすのが手っ取り早いわけですが,これはその言語で話す行動を強化する言語共同体があり,随伴性があるからです。この点,プログラミングは言語共同体がすでにそこに存在します。コンピュータに対して正しく命令すればその通りに動きますが,間違えれば動きません。しかも,上述のように,正しい命令の見本(モデリング)はいくらでも手に入ります。言い換えれば,プログラミングは留学せずに第二言語を学べるようなものなのです。
 同じことは実は他の教科にも言えるのですが,たとえば,数学における言語行動はタクトもしくはイントラバーバルが多く,強化するには教育的強化,すなわち教え手による付加的随伴性が必要です。化学や物理学などの自然科学は,あるいは一部の社会科学は,実験や調査という方法論を学べば,タクトやイントラバーバルが仮説とデータとの一致といった事実で強化されるようになるので(つまりこれが研究行動),教え手が不在でも学習が進むようになるのですが,そこに至るまでの下位行動の教授にはやはり教え手が必要です。
 これに対し,プログラミングはコンピュータが強化随伴性を提供してくれます。それも,学び手の個々の行動に応じ,即時に提供してくれます。だから,他の教科と同じような意味での教え手は必要ないのです。母語の学習に専門の教師が必要ないのと同じです。留学して外国語環境にさらされてしまえば,外国語教師は必要ないのと同じです。

 プログラミングは,まずプログラミングの言語(文法など)を完全に習得してからでないと学べないというのも間違った思い込みではないかと考えています。日本語を母語とする我々も,日本語の文法を学んでから話し始めたわけではありません。せっかく海外に留学したのに,ネイティブと話をする自信がないからといって図書館やカフェで英文法の本を読み続けることはナンセンスですよね。それに,英会話なら,発音や語を間違えたら,レストランで注文を間違えたり,友だちを怒らせたりするといったリスクもありますが,プログラミングにはそれもありません。間違えてもエラーがでるくらいです。昔は無限ループやメモリ浸食でPCがフリーズすることもありましたが,昨今のシステムは頑健ですから,そんな心配もいりません。完全に安全な空間でいくらでも誤反応でき,正反応率を高める材料があちこちにあるのです。
 長くなりましたが,まとめます。
 PythonとKivyを使って実験プログラムを開発してみようと思ったら,

  1. まず, PyCharm などのIDEをインストールし,開発環境を整えましょう。
  2. プログラミングはまったくの初体験なら,初心者向けの本をざっと読みましょう(でも,それは,書いてあることを「理解」するためではなく,今後,ネット検索するときのキーワードを知るためと割り切りましょう)。たぶん,いくらわかりやすい教科書でも,読むだけでは本当の意味で"わかる"ようにはならないので。
  3. なんでもいいので,簡単なプログラム(動いたら楽しそうなもの,コードが数行の短いもの)をネットで探し,それをそのまま自分の環境で実行してみましょう。
  4. 動いたら,おめでとうございます! 他のサンプルで遊んでみましょう。
  5. 動かなかったら,コードのどこかをいじって試してみてもいいし,それはさっさとあきらめて他のサンプルを試してみてもいいでしょう。
  6. 自分の環境で動くサンプルをみつけたら,そのコードのどこかをいじってカスタマイズしてみましょう(たとえば,色を変えたり,大きさを変えたり,位置を変えたりなど)。このとき,一度にどこか一箇所だけを変えるようにしましょう。複数を一度に変えると動かなくなったとき,どこに問題があったのかわかりにくくなるからです(シングルケースデザイン法の考え方と同じですね)。
  7. エラーがでたら,そのエラーでgoogle検索してみましょう。あなたがぶちあたる問題のほとんどは他の誰かもぶちあたり,そして誰かが解決策を見つけているものです。

 自分の開発環境を動画で公開しています。参考までに。

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 5月8日放送の『水曜日のダウンタウン』,改元特別企画はキングオブコント2016年で決勝進出をはたした"ななまがり"をゆるやかに拉致し,世間との接触が一切ないように監禁。新元号が発表された後,5分に一回,新元号を推測して習字し,当たるまで脱出できないという,新元号をネタにしたまさかの言語行動シェイピングゲームでした。

 最初はヒントもフィードバック(強化)もないベースライン条件。スタジオでは2136ある常用漢字2文字の組合せは456万2496通りあるという解説が流される中,イニシャルT,S,Hを避けるくらいしか戦術がないななまがりは絶望状態。
 そこへ,指定された読みで画数の多い漢字を回答すれば,その画数に応じた得点が与えられ,得点に応じた様々な物品と交換できるというボーナスゲームとトークンエコノミーによる介入が開始されます。
 そしてトークンと交換できるアイテムには,梅・竹・松の三段階のヒントも!
 元号発表から5日が経過してようやく入手した「松」の中身は電球でした。最初はそれが一体何なのか,ななまがりの二人もスタジオゲストにもわからないまま新元号当てゲームは進行していきます。そして,「世京」を発表した後に,電球が少しだけ点灯。ざわつく二人が考えた次の回答は「寛京」。でも光らない。
 少し後になってわかるのですが,電球が光るルール,すなわち強化基準は,a) 正解である「令和」と総画数が同じ, b) 頭文字(R)が同じ, c) 一文字が一致の3つでした。そして,この順に電球が光るときの明るさが大きくなるのです(そうすると,複数条件適合したときに明るさの弁別が難しくならないか?と思ってみていたら,そのときには複数回点灯させていた模様)。
 電球の登場でようやく言語行動を分化強化する随伴性が設定され,行動はここから急速に変わっていきます。開始から98時間40分,921回目の回答で見事「令和」の文字が発表され,"平成"からの脱出に成功。瞬間,あわや泣きそうになりました。この番組ではたまにある,まさかの感動回でした。
 電球の点灯で強化されたのは,「令和」と書く行動ではなく,電球点灯に関する正しいルールのタクトです。授業や研修会などでシェイピングゲームをすると,"ハト役"と言っても正解を考えながらやっているのだから,ハトとは違いますよねという感想をもらうことがあります。ハトやネズミは,人のように随伴性をタクトしてそれも弁別刺激にしながら行動することはありませんから,これはこれでその通りなのですが,一方で,実はその"正解を考えながら"という行動もシェイピングされているというところに気づいて欲しいわけです。
 今回の新元号あてゲームは,回答機会が5分に一回と制限されていたこと(完全なフリーオペラントではなかったこと),電球を光らせる強化基準が固定されていて,行動に即して変えていかなかったことが,通常のシェイピングの手続きとは異なります。回答機会を制限せず,強化率が8割以上になるように,その時点時点での行動に即して強化基準をスライドさせていけばもっと早く脱出できたはずですが,それではバラエティ番組としては成立しないのかもしれません。
 ところで,電球による強化随伴性が投入される前と後では,ななまがりの様子が異なっていましたよね。ベースラインはほぼ消去です。表情は疲れて,活気がなく,落ち込んでいるように見えました。奇声さえ自発していました。強化随伴性が導入されると,二人の会話もはずみ,表情も生き生きしているように見えました。あれが強化の副作用です。逆にいえば,疲れて,沈んでいるのは消去の副作用です。トークンをタバコと交換する頻度が,電球システムの導入前後で変わったかどうか調べたら面白かったかもしれません。
BPO的に何かと物議をかもす番組ですが,もしかすると制作スタッフの中に行動分析学を勉強した人がいるのかもしれません。
 ななまがりのお二人,お疲れさまでした。これをきっかけに売れるといいね。

以下,転載します。

第2回行動ウェルネス研究会のお知らせ

開催日時:2019年6月8日(土)14時~19時(第1部・2部)
会 場:慶應義塾大学三田キャンパス 南館・地下4階ディスタンスラーニング室
定 員:100名
参加費:無料 ※19時からキャンパス内の学食にて懇親会(第3部)を開催します。立食形式として自由な討議ができる場として準備しますので1部2部と一緒にご検討ください。懇親会は4,000円(学生3,000円)の事前申し込み制です。

REONカウンセリング/高井クリニックの仁藤と申します。
標記の研究会のお知らせです。

1月19日に開催された初回に続き、第2回目を企画しました。
2回目からは本格的に研究会の特色である①精神臨床領域における事例検討、②論文投稿(現場からのエビデンスの発信)を実践するプログラムとします(添付ファイル)。

それぞれの発表に対して、特色の一つである山本淳一先生と奥田健次先生のコメントやミニレクチャーが随伴します。

さらに事例検討とは別枠で弁護士の清水元貴先生に臨床実践において直面する問題について20分のミニレクチャーをしていただけることになりました。実践家とそれに関わる法律の問題を解説していただきます。

プログラム(第1部)
・ 清水元貴(弁護士:宏和弁護士事務所)
演題:公認心理師時代における臨床家のための法律相談(臨床上の問題を法律家と考える)
・ 石川菜津美(東京大学附属病院こころの発達診療部)
演題:大学病院における早期療育支援の実際
・ 谷川智宏(品川区台場在宅介護支援センター)
演題:パニック障害のある高齢者へのエクスポージャー
・ 瀬口篤史(犬山病院/立命館大学大学院人間科学研究科)
演題:加害恐怖により買い物ができない高齢女性に対する介入と行動指標の活用
・ 仁藤二郎(REONカウンセリング・高井クリニック)
演題:査読者の"気持ちを理解する"-行動分析学研究への投稿を通して

この分野でご活躍の行動分析家の皆様、是非ご参加ください。
また職場の同僚の方などにお知らせいただければ幸いです。

申し込み先

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 畿央大学の大久保賢一先生による『3ステップで行動問題を解決するハンドブック』。4/25(木)に刊行予定ですが,さきほどAmazonをのぞいたら「Amazon 売れ筋ランキング: 本 - 1,357位」となっていました。なかなかの注目が集まっています(笑)。

 本書では,応用行動分析学の研究で効果が確認されているシェイピングやチェイニングなどの技法が,学校ですぐに使える手順として解説されています。単なるハウツー本ではありません。なぜ,どういうときに,どの技法を使うべきかを判断するための課題分析やABC分析の方法も,イラストやダイアグラムを交えて,わかりやすく示されています。

 小中学校(だけではなく,幼稚園や高校でも)で働く先生方が,子どもや親を責めず,そして自分も責めず(つまり,個人攻撃の罠から抜け出て),指導方法を見直し,改善していくのに便利そうです。

 それにしても行動分析学関係の出版が続いていますね。Amazon(日本)で「行動分析学」を検索すると,509件がヒットします(もちろん内容がかけはなれた本もひっかかってきます)。これは Amazon.comで "applied behavior analysis"を検索したときの807件にはかないませんが("behavior analysis"だと色々ひっかかりすぎて "over 3,000 results"),Amazon(ブラジル)で"Análise do Comportamento"を検索したときの171件を凌駕します。

 英語以外の言語で,しかも翻訳ではなく原著として出版されている文献の件数は,日本語がトップなのではないでしょうか(根拠はないです。誰かスペイン語とかノルウェー語とかで調べたら結果を教えて下さい)。

 著者の大久保先生ですが,ここ数年の間に,徳島県やその他の地域でスクールワイドPBSを普及させてきた立役者のうちの一人です。子どもたちの学習と成長を重んじ,現場の先生たちと一緒に汗を流し,苦労と喜びを分かち合うことができ,かつ,研究もしっかりできる,頼りがいのある仲間です。学校に違いをつくる仕事は簡単ではありませんが,あきらめず,少しずつでも前に進むことができることを身をもって示されています。そういう建設的な取り組みがさらに広がるのに本書もきっと役立つことでしょう。

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 今月は行動分析学関係の出版が続いています。日本大学の眞邊一近先生による『ポテンシャル学習心理学』は,学習心理学の基礎をまとめた教科書です。同じサイエンス社からは,恩師である実森正子先生と,同窓の中島定彦先生の共著『学習の心理』が出版されていて,私も自著でよく引用,参照させていただいています。そちらも改訂版がそろそろ出るという嬉しい噂を聞いています。
 本書は図表が多く,色使いがシンプルかつ明瞭で,とても見やすいです。図だけを眺めていても楽しく学べそうなくらいです。学習心理学の基礎を,授業でいえば導入のための概論から,実験計画を立てるための発展的科目まで使えるくらい,広く,丁寧に網羅されています。
 「はしがき」にもうたわれているように,もうすぐ刊行される『行動分析学事典』で整理された専門用語に準拠していて,"提示型強化"や"除去型強化"という表記が使われています。ちなみに,自著『WM(ワードマップ):応用行動分析学』でも『行動分析学事典』の推奨用語のいくつかは採用させていただきました(索引では複数の訳語を相互参照できるようにしました)。が,"提示型強化"や"除去型強化"は個人的には非採用です。理由はおいおい。なお,WMでは,こういう手続きの違いの記述より,手続きにどのような作用があるかを記述することに注力すべきと考え,そのような枠組みを提案させていただいています。
 本書を読んで最も驚いたのが学習の種類の分類です(図1.6, p. 11)。この図がそのまま章立てになっているのですが,この分類は眞邊先生オリジナルでしょうか。少なくとも私にとっては初見。詳しくは本書をお読みください。
 "連合学習"の位置づけについて,たとえば澤先生なんかはどう反応するだろうと興味津々だし,個人的には「観察学習やルール支配行動もオペラントではないのですか?」と眞邊先生にツッコミたいところです(笑)。

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 徳島県の教採応募要領が公開されています。

 応用行動分析学を学び,児童生徒の指導にすぐにでも活用したいと意気込む志望者の皆さま,ぜひとも阿波の国,徳島での受験をご検討下さい。

その理由

  • 徳島県の特別支援学校では十年以上前から応用行動分析学にもとづいた事例研究や指導が行われています。
  • 県外から応用行動分析学の専門家がアドバイザーとして派遣され,コンサルテーションをうける機会が提供されています。
  • 先の知事選で飯泉氏が再選され,今後,少なくとも4年間は,公約にもうたわれていたSWPBSの全県的展開が期待できるからです。これは小中学校の話です。

もちろん,その他にも(11年間徳島で暮らした個人的な経験から)

  • 東側はマリンスポーツし放題(波にのったり,潜ったり),西側には山あり,川あり(ホワイトウォーターカヤックできます)。
  • 去年は色々あった阿波踊りですが,ぜひ踊ってみて下さい。同じ阿呆なら踊りゃなそんそんです。
  • 東京だと公営テニスコートはそうそうと予約さえできませんが,徳島ならやろうと思えばほぼほぼ毎日テニスできます。
  • 魚は旨いし,仲間で飲む酒も美味しいです(大都市より人と人との結びつきが強いと感じます)。

上記の公式サイトから

  • 「教育への熱い思いと,子どもたちへの愛情あふれる皆さんのご応募をお待ちしています」

移住に関する情報はこちらから

 抗インフルエンザウイルス剤「ゾフルーザ」で株を上げたシオノギ製薬が,発達障害をゲームで"治療"する「デジタル薬」に関して,米国,Akili Interactive Labsと提携したというニュース(日本経済新聞, 2019, 3月7日)。

 "治療"は日経記者の解釈だから脇においておくとして,色々と興味深いので,ちょこちょこ文献を調べていた。でも,結局,よくわからないところが多い。検索しきれていないからなのか,特許に関わる重要な点はそもそも公開されないのか,そもそもが市場に向けた探索気球なのか。

 実はこの話,ずいぶん前に米国の友人から聞いていた。元はこのweb記事(Robbins, 2017)だったと思う。どうやらその後,Scientific American に転載されていたようだ(ここ)。飲みの席だったこともあり,そのときは「怪しいよね,でも全くない話でもないよね,万が一化けるかもね」くらいの酒の肴だった。

 でも,その後,ヘビなどに対する不安反応をヘビは見せずに消去するといった論文とかがでてくると(Taschereau-Dumouchel, 2018),何かしらの神経活動(行動)を,それを引き起こす他の行動を自発させることで変更させることが可能かもしれないと考えるようになり,「まさかね」が「ありかも」に変わってきた。

 公開されている情報(Davis et al., 2018; Kollins et al., 2018)によると,

  1. 介入はAkiliによって開発されたゲーム(AKL-T01),
  2. 統制群には類似のゲームを用い,
  3. 無作為化比較試験を行った。
  4. 実験群,統制群ともに,一日25分,1週間に5日,4週間にわたってゲームをしてその前後に事前事後テストを実施。
  5. 主たる従属変数はADHDの中核的症状といわれる注意や制御を測定するアセスメント(PCによるもの,だと思う),
  6. 他にも,より一般的で標準的な行動観察による評価指標(ADHD-RSなど複数)を副次的変数としてとっている。
  7. 群間で有意差が認められたのは主たる従属変数の方で,副次的変数の方には群間で差がない。

といったあたり。

今のところ怪しいなと思う点は,

  1. AKL-T01の仕様が不明(静止画は公開され,説明もあるけど,独立変数は実際のところわからない)。
  2. 統制群で使われたゲームの仕様が不明(アクションゲームとしか記述がないのでAKL-T01とどこが違うのかわからない)。
  3. 主たる従属変数で使われた課題と,AKL-T01,統制群で使われたゲームとの関係性が不明(当然,類似度が高ければ事後の得点は上がる)。
  4. "実行機能"といわれている神経生理学的なメカニズムに影響していると主張しているけど,神経生理学的なデータは出されていない。

 ADHDや自閉症の診断が出ているお子さん(に限らないけど)がゲームにはとても集中できるということは,保護者も教員も,関わっている人にはよくわかっていることだし,文献も多くある。ゲームを使って何を教えるという介入もたくさん行われている。

 ルールが明確で即時かつ高確率に強化される環境を用意すればゲームに"集中"して取り組める。そのような環境なら,文字を読んだり,記号を弁別したり,ルールの変化や条件性制御(「〜のときには〜だが,〜のときには〜」)への対応も学びやすくなる。逆にいえば,ADHDや自閉症と診断されるお子さんの中には,他のお子さんに比べて強化遅延や確率が行動に大きく影響してしまう特性を持っている子がいるということかもしれない(遅延による価値割引が急激に起こるということ,確かそういう実験もあったような...)。
"集中"して取り組める環境が見つかれば,その結果,ゲームをしていないときに(ルールが不明確で強化は遅延し,低確率になる環境で)問題行動が自発され,偶発的に,あるいは必然に強化されてしまう機会を減らせる。つまり,二次障害を発生させるリスクを低下させられる(個人的にはこの副次的効果には意味があると思う)。

 また,ゲームをする機会を好子として使い,そういう構造化された環境へのアクセスを,そこにもゲームのような随伴性を適用することで(例:トークンエコノミーや活動スケジュール,例:「宿題のドリル1ページ終えたらゲーム10分できるよ」),日常行動もマネジメントしやすくなる。

 果たしてこの「AKL-T01」にはそういう既存の介入を越えた効果があるのか。期待しながら経緯をみたい。

引用文献

  • Anguera, J. A., Boccanfuso, J., Rintoul, J. L., Al-Hashimi, O., Faraji, F., Janowich, J., ... & Gazzaley, A. (2013). Video game training enhances cognitive control in older adults. Nature, 501(7465), 97.
  • Davis, N.O., Bower, J., Kollins, S. H. (2018). Proof-of-concept study of an at-home, engaging, digital intervention for pediatric ADHD. PLOS ONE 13(1): e0189749. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0189749
  • Kollins, S. H., Bower, J., Findling, R. L., Keefe, R., Epstein, J., Cutler, A. J., ... & Faraone, S. V. (2018). 2.40 A Multicenter, Randomized, Active-Control Registration Trial of Software Treatment for Actively Reducing Severity of ADHD (Stars-Adhd) to Assess the Efficacy and Safety of a Novel, Home-Based, Digital Treatment for Pediatric ADHD. Journal of the American Academy of Child & Adolescent Psychiatry, 57(10), S172.
  • 日本経済新聞(2019, 3月7日). 発達障害をゲームで治療 塩野義、「デジタル薬」で米社と提携 Retrieved from https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42160300X00C19A3TJ2000/ (2019年3月30日)
  • Robbins, R. (2017). Could this be the first prescription video game? New data show it helps kids with ADHD. statnews. Retrieved from https://www.statnews.com/2017/12/04/first-prescription-video-game-for-adhd-from-akili (2019年4月6日)
  • Taschereau-Dumouchel, V., Cortese, A., Chiba, T., Knotts, J. D., Kawato, M., Lau, H. (2018). Towards an unconscious neural reinforcement intervention for common fears. Proceedings of the National Academy of Sciences, 115, 3470-3475; DOI: 10.1073/pnas.

 Any MotionはNTTPCコミュニケーションズが開発した,人物の動画から骨格データを検出し,モデル(見本)との一致度を計算してくれるシステムです。

今なら無料で体験できるということで,さっそく試してみました。
 iPhoneでスクワットを自撮りし,クラウドにアップ,提供されている見本と比較させます。
動画の解析とデータの比較には20~30分かかりました。サーバーが混雑しているからなのか,やはりそのくらいの時間はかかってしまう負荷がかかる処理なのかは不明です。
 結果が上の画像。しっかり骨格が検出できています。技術革新に『下町ロケット』的な感動をおぼえます。
 解析結果を詳しくみていくと,左側からの撮影ですが,「部位別の一致度合い」のグラフには,右肘,右手首,右目のデータはないのに,右肩,右腰のデータがあります。見え隠れするごくわずかな画像を使っているのでしょうか。ちなみに,棒グラフってこういうときデータが欠損しているのか,0なのかわかりにくいのが欠点ですね。
 「部位別の一致度合い」に示されているデータの算出方法もわかりませんが,割合データをそのまま表示しているため,これだと,結局全部意識すべきとなってしまいますね。コーチングに使うなら工夫が必要そうです。
コーチングに関しては,「1回の動作が早すぎます。もう少しゆっくりと行いましょう」というコメントがついています。何かしらのAI("計算","プログラム"という意味での)によるものか,まさかの人力(?)によるものかは不明ですが,スクワットでよく注意される,膝が出過ぎている動作が視認できるので,この場合は,たぶんこっちの方が優先順位が高い標的行動となるでしょう。
 このシステムが凄いところは,動画の撮影だけで動作解析ができるところです。これまでは被撮影者の関節部位などにシステムが検知できるマーカーをつけて撮影しなければならず,かつ,そういうシステム自体がたいへん高価で使いにくかったわけですが,iPhoneの撮影だけで済むのなら,スポーツやダンスなど,動作のコーチングをする指導者には便利な道具になるはずです。
 あとは解析にかかる時間と価格ですね。
 いつまで無料で使えるかわかりませんが,卒論などで行動コーチングの実験に使っても面白い研究ができそうです。

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