体育の科学「スポーツにおけるネガティブ体験の価値」

昨夏の「体育の科学」において、「スポーツにおけるネガティブ体験の価値」という特集を組みました。

わが国には、ネガティブな面からは目を背け、ポジティブな面だけに注目しようとする風潮があるように感じています。一例として、「ポジティブシンキング (積極的思考法)」が大事という風潮が強すぎると感じることがあります。驚いたことに、アスリートにポジティブシンキングを強制するコーチさえいるようです。私はこの風潮を「ポジティブ原理主義」と呼んでいます。しかし、本特集で紹介されているように、ポジティブシンキングは必ずしも機能的ではないのです。

私たちは、スポーツが持つネガティブな側面に注目する必要があると感じています。そんなことを考えさせてくれる、珠玉の論考が揃っています。どの論考も印象深いのですが、個人的には、宅香菜子先生の「なぜアスリートにレジリエンスだけでなくPTGも必要か」という節がとくにおもしろかったです。

先生方、ご執筆ありがとうございました。皆さんぜひ、手に取ってご一読ください。