2016年11月アーカイブ

「PTGの可能性と課題」が刊行されました

お知らせです。「PTGの可能性と課題」が、金子書房より刊行されました。

本書は、宅香菜子先生(オークランド大学)が精力的に編集され、専門書でありながら、とても読みやすい希有な書となっています。

「PTG」とは、「ポストトラウマティックグロウス」の略語で、「心的外傷をもたらすような非常につらく苦しい出来事をきっかけとした、人間としてのこころの成長」(本書P 2:Tedeschi & Calhoun, 1996)のことです。

PTGは、心理学において近年注目されている概念です。近年、PTGは、出来事が「トラウマティック」かどうかではなく、大きな衝撃を与えるようなものとして経験された全ての出来事を含めた概念として扱われています(本書P 4:宅,2016)。

先生方の文章は、どれもすばらしいものばかりだと感じます。ご自身が車いすユーザーでいらっしゃる開先生の非常にリアルな文章や、コツの獲得とPTGを関連づけた中込先生の文章など、唸らずにいられない珠玉の文章ばかりです。

私も「大きなストレスを経験している人にこそスポーツを」というコラムを書かせてもらっています。最新のスポーツ心理学の研究を引用した後、「スポーツどころではない」と思っている人々にこそ、スポーツを行って欲しいこと。そして、私たちが暮らす社会が、「スポーツどころではない」と思い込んでいる人々にスポーツを促し、「スポーツどころではない」人々こそが、スポーツに親しむことのできる社会であって欲しいというメッセージを書かせてもらっています。

このようなメッセージを書くことができたのも、ひとえに宅先生の懐の広さによります。宅先生に、心より感謝申し上げます。

日本スポーツ心理学会で発表しました@札幌

また、ひさしぶりにブログを書いています。

昨日まで、日本スポーツ心理学会第43回大会で発表してきました。札幌は季節外れの大雪で、飛行機のダイヤが乱れる中、何とか帰京できました。

今回は「ギャンブルを⾏うアスリートはメンタルが強いのか?」というタイトルで発表させてもらいました。

現在、とても注目を集めているテーマということで、多くの方にお越しいただくことができました。そして、たくさんのご意見・ご質問をいただくことができました。みなさまに感謝申し上げます。

結論だけ申しますと、ギャンブルをやっていても、いわゆるメンタルの強さは、ほとんど変わらないということです。このデータだけを見れば「ギャンブルをすることでメンタルが鍛えられる」という俗説は否定されるべきであると言っていいでしょう。

一方で、ギャンブル経験者は協調性に関する自己効力感が高い可能性も示されました。つまり、チームメイトとコミュニケーションを取る能力が高いアスリートほど、ギャンブルを行っているわけです。これは、「チームメイトに対し過度に従順・依存的になってしまう」可能性を示していると考えられ、「チームメイトによって、ギャンブルに引きずり込まれる」ことを示唆しているかもしれないと、私たちは考えています。

私の研究はほんの小さな一歩に過ぎません。これから、多くの研究者のみなさんが、この研究テーマに取り組み、成果を示してくださることを期待しています。

この研究を発表するにあたり、飯⽥⿇紗⼦先⽣ (秦野市役所⼦ども育成課) から多くの示唆をいただきました。感謝申し上げます。

そして、末筆になりますが、大会運営スタッフのみなさまに、心よりお礼申し上げます。とても充実した3日間でした。

発表スライドを以下に添付しておきます(^^)

2016スポ心口頭発表:荒井弘和.pdf

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