お二人の共著論文「日本で用いられてきた握力計・背筋力計の歴史とその現存品」、とてもおもしろい論文でした。
歴史・変遷を顧みた論文なのですが、原著論文で掲載されているところもすごい。
1933年には、すでに、日本の各学校に握力計が備えられていたこと。
1964年の東京オリンピックで思うような成果が上がらなかったために、早くから潜在能力のある子どもを発掘しトレーニングする方針が打ち出されたこと(やろうとしていることは今と変わらないですね)。
なるほどー、そうなんだーの連続です。
読み物としても大変おもしろく、一気に読んでしまいました。このストーリーで論文を書けるお二人のセンスに脱帽。私には絶対に書けません。
おわりに、「力量計」の話が出てきます。握力計も背筋力計も、いわば力量計なわけですが、心理学の領域でも早くから力量計が導入されていたことが記述されています。
吉村先生(心理学がバックグラウンド)と林先生(体育学がバックグラウンド)というお二人のコラボレーションは、「力量計」がもたらしたものと言えるのでしょう。なんだか、感動的ですね。
吉村先生のホームページから、原文が読めます(^^)