2010年6月アーカイブ

せっかくページを作っていただいたのに、しばらく更新しておりませんでした(反省...)。

6/2(水)の日経朝刊に、京都大学の依田高典先生が「科学研究、定量的な評価を」という記事を書かれていました。いわゆるCOE(現在はGCOE)の成果を精査されています。

依田先生は、COEは研究の量的増加には効果があったが、質的向上には効果があったとはいえないと結論づけています。依田先生は、競争的資金制度によって、研究者の競争意識は高まったものの、リスクの伴う研究は敬遠され、確実に成果が得られる研究への思考が高まっている可能性を示唆しています。

とはいえ、短期間で研究の質的向上を評価することは困難でしょう(依田先生もこのようなことを示唆なさっています)。もしかしたら、量的増加の先に、質的向上が待っていたということになるのかもしれません。そういうデータが示されれば、研究支援体制を構築する際の重要な根拠となるでしょう。

もし関連が見られたとしても緩い関連でしょうし、もしその関連が見られるようになったとしても、それはおそらく、数十年後のことだと思います。研究もまさに、100年の計だと思わずにはいられません。

それに、COEで短期的に(任期付きで)雇用される研究員が増えれば、その研究員は論文の質よりも量を稼ごうとするのは当然だと思います。少なくとも自分が研究員だった頃(COEで雇われていたわけではありませんが)はそうでした。質を上げようと思ったら、以下のような施策が求められるのかなと思います。

「研究の質を高めるかもしれない施策」

■研究者と研究者以外の間で、研究の質の定義について議論を深める
■大学には、高額でなくてもかまわないから、継続的かつ安定的な支援を行う
■若手研究者には、キャリアパスが広範囲かつ連続して展開できるような支援を行う

とくに、若手研究者支援(と書くとなんだか偉そうですが)については、私自身のテーマだと思っています(勝手に)。体育の科学という業界誌に「体育・スポーツ科学領域において、若手研究者のキャリアパス支援は必要か?」という原稿を掲載してもらったこともあります。学会で若手研究者支援のラウンドテーブルを企画したり、若手研究者支援のシンポジウムに登壇したことも何度かあります。

関心がおありの方は、資料などすべて差し上げますのでおっしゃってください。

こういうことをしていると、ごく一部のベテランの先生方から、「力のない若者が悪い」「そもそも若者に就職するつもりがないじゃないか」「そういうことを言っているから偉い先生方に嫌われておまえは就職できないんだ」とか、いろいろな意見をもらいます(もらいました)。

そういう意見をいただけることはありがたいことです。反応があるのは、ありがたいこと。

僕自身は、幸運にもちゃんと就職することができましたので、「体育・スポーツ科学」や「心理学」の若手研究者支援は、これからもライフワークとして続けます。

とくに、就職できている若手研究者の方、いや、それ以外の方々も(いてくれたらとてもこころづよいです)、一緒にやりませんか?

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