東京2020大会の開催直後において、開催都市である東京都民は、大会の開催をどう考えていたのか。大会直後に収集された貴重なデータを分析した論文が採択されました (「原著」ではなく「フォーラム」という投稿区分です)。

荒井弘和・樋口匡貴・伊藤拓・中村菜々子 (2022). 東京2020大会の開催直後における大会開催に対する東京都民の認知 スポーツ産業学研究, 32 (印刷中)

本文より:
40%弱の対象者が,開催後においても中止を望んでいた.大会が成功に終わったとしても,大会の中止を望む層が一定数存在し続けることは,将来のオリンピック・パラリンピック競技大会の招致活動に対して警鐘を鳴らしていると考えられる.

2030年に開催される冬季大会を、札幌市が招致する流れができていますが、オープンな議論を行ったのか、甚だ心許ないと感じています。本研究の知見が、招致について議論しようという流れに寄与することを願っています。

なお、私たちの研究グループでは、科研費や日本心理学会の研究助成を原資として、継続的にCOVID-19に関する研究を行っています。以下は、研究成果の一部は、以下のとおりです。

樋口匡貴・荒井弘和・伊藤拓・中村菜々子 (2022). 東京都在住者における新型コロナウイルス感染症の予防行動およびその関連要因の変遷:第1回緊急事態宣言および第2回緊急事態宣言期間中を中心とした検討 Journal of Health Psychology Research (印刷中)

樋口匡貴・荒井弘和・伊藤拓・中村菜々子・甲斐裕子 (2021). 新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言期間における予防行動の関連要因:東京都在住者を対象とした検討 日本公衆衛生雑誌, 68, 597-607.

荒井弘和・樋口匡貴・伊藤拓・中村菜々子 (2021). 東京2020大会の開催延期決定直後における大会開催に対する東京都民の認知 スポーツ産業学研究, 31, 261-266.

2022年4月26日にオンラインで開催した座談会「五輪は戦争を止められないのか?今後の五輪の行方は?」を荒井弘和チャンネルで公開しました。
戦争の時代、五輪はどうあるべきか。目の前のスポーツ現場で、私たちがやるべきことは何か。 三人で熱く語り合いました。ご登壇くださったお二人に感謝します!

【あらすじ】
24:15 今後の五輪の行方は?

【登壇者】
荒木 雅信(ソチ2014パラリンピック選手団・団長、日本福祉大学大学院招聘教授)
宮嶋 泰子(スポーツ文化ジャーナリスト、一般社団法人カルティベータ代表理事)
荒井 弘和(司会)

緊急座談会「北京五輪、歪んだ判定」

2022年2月24日にオンラインで開催した緊急座談会「北京五輪、歪んだ判定」を荒井弘和チャンネルで公開しました。
スポーツ界にまん延する「事なかれ主義」を一掃すべく、本気で語り合いました。ぜひ、ご覧ください。

【あらすじ】
02:16 試合の、歪んだ判定
12:35 ドーピングの、歪んだ判定
31:13 これから、どうしていくべきか

【登壇者】
舛本 直文(日本オリンピック・アカデミー副会長、東京都立大学・武蔵野大学客員教授)
山口 香(ソウル五輪柔道銅メダリスト、元JOC理事、筑波大学教授)
柄谷 雅紀(共同通信社、北京五輪を現地で取材)
荒井 弘和(司会)

2022年1月7日にオンラインで開催した緊急座談会「北京2022大会、やるべきか、やらざるべきか」を荒井弘和チャンネルで公開しました。
北京2022大会を、あらゆる選手のための大会にするために、本気で語り合いました。ぜひご覧ください。

【あらすじ】
01:31 北京2022大会、やらざるべき?
25:54 北京2022大会、やるべき?
34:46 結局、どうすべき?


【登壇者】
來田享子 (東京2020大会組織委員会の理事、中京大学教授)
杉本龍勇 (バルセロナオリンピック4×100mリレー6位、法政大学教授)
荒井弘和 (司会、法政大学教授)

2021年10月7日にオンラインで開催した座談会「オリパラとコロナの功罪:東京2020から北京2022へ」を荒井弘和チャンネルで公開しました。皆様、ぜひご覧ください。

【あらすじ】
01:55 東京大会でのコロナの罪 (選手はどのように苦しめられたか?)
13:05 東京大会でのコロナの功 (恩恵があったとすればそれは何か?)
27:52 北京大会とコロナ (オリパラでなく冬の大運動会?)
38:32 未来への展望 (これからのオリパラはどうあるべきか?)

【登壇者】
山本浩 (元NHKアナウンサー、法政大学教授)
鈴村裕輔 (野球文化學會会長、名城大学准教授)
金澤潤一郎 (臨床心理士、北海道医療大学准教授)
大矢太作 (北海道新聞社記者、東京2020大会を取材)
荒井弘和 (司会、スポーツメンタルトレーニング上級指導士、法政大学教授)

藤原研究室(東京医科歯科大学国際健康推進医学分野)が運営するPodcast「不器用な研究者がホントに伝えたい話」に出演しました。

藤原武男先生、レイチェルさん、どうもありがとうございました。以下のサイトから視聴してもらえると嬉しいです。https://tmduglobalhealthpromotion.com/other/1394/

論文掲載:市民が感じたオリパラレガシー

ゼミOBの額賀將さん(東京都練馬区立開進第四中学校)が執筆した論文が、スポーツ産業学研究に掲載されることが決まりました。激務のなか論文を執筆して、掲載にこぎ着けるというのは本当にすごいと思います(リスペクトです!)。

高見京太先生が研究代表者となって採択された、科研費(挑戦的萌芽研究)研究課題として取り組んだ成果です。自国開催のオリンピック・パラリンピックに伴って認知されたレガシー(遺産・財産)について、世界中の市民にインタビューを行いました。各国のデータ収集では、山本浩先生が大いに手腕を発揮してくださいました。それらの結果を集約した論文になります。

●額賀將・荒井弘和・高見京太・山本浩 (2021). オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に伴って認知されたスポーツおよびソーシャル・レガシーの構成要素 スポーツ産業学研究, 31, 445-456.

(余談ですが)野球の底辺拡大を...?

ある野球の解説者が、「野球の底辺拡大を」って言っていました。

しかしよく考えると、「底辺」って失礼な気がします。

「底辺」ではなく、「すそ野」または「草の根」って言ってほしいですね。英語ではgrass roots、根本という意味もあります。

中止:Global Coaches House

(問い合わせを受けることがあるので、ここで告知します)

日本体育大学(Nippon Sport Science University Coach Developer Academy:NCDA)によると、法政大学で開催予定だったGlobal Coaches Houseは、中止となったそうです。

いつか法政大学で開催したいですね!

関連するサイトを記念に掲載しておきます。

https://www.nssu-coaching.com/post/global-coaches-house%E9%96%8B%E5%82%AC%E6%B1%BA%E5%AE%9A%EF%BC%81

https://www.icce.ws/global-coaches-house.html

体育会学生のスポーツ・ライフ・バランス

以下の論文が刊行されました。

荒井弘和・杉本龍勇・増田昌幸・釜野祥太朗・徳安彰 (2021). 学生アスリートにおけるスポーツ・ライフ・バランスとメンタルヘルス:入試経路による比較 スポーツ産業学研究, 31, 341-349.

「競技とそれ以外の生活のバランス」を意味する「スポーツ・ライフ・バランス」に関する論文です。このバランスは、体育会学生にとって、非常に大切です。言わずもがな、スポーツ・ライフ・バランスは、ワーク・ライフ・バランスを参照した造語です。

この論文の最後に、スポーツ・ライフ・インテグレーションという考え方を提唱しています。これは、競技とそれ以外の生活を重ね合わせ、統合してゆく考え方です。つまり、競技に取り組む者が、競技に取り組む中で積んだ経験を競技以外の人生にも活かし、競技以外の生活で体験したことを競技にも活かす考え方です。このスポーツ・ライフ・インテグレーションこそ、現代の学生アスリートが目指すべき文武両道・文武不岐だと考えます。

2021年3月23日に開催された「2020年度法政大学体育会表彰式」での田中優子総長(当時)は、祝辞の中で「体育会生のスポーツ・ライフ・バランスという考え方は大変おもしろい」とおっしゃっていました。そして本学は「体育会生がスポーツ・ライフ・バランスを取っていくことを支えてゆく」とのお話しがありました。もちろん私は、その先陣を切る覚悟です。

補記:本研究は、スポーツ庁大学スポーツ振興の推進事業の成果です。

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